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『死ぬこと以外かすり傷』

注目の若手編集者、幻冬舎の箕輪厚介さんの本だ。

うん、おもしろかった。
ラクラク一時間で読める。
箕輪さんの編集する本は、『多動力』など読みやすい。
インタビューをもとに、それをライターがまとめるというやり方だからかもしれない。

まるで目の前で喋っているかのような錯覚に陥る。疾走感がすごい。
この手の本は、右耳から左耳へと流れてしまうことも多いが、それでも、グッとくる箇所はたくさんあった。

とにかく、「動け!」と、「自分の好きなことをやれ!」の二点をメッセージとして受け取った。

箕輪さんの、自分の読みたい本をつくる、という強い思い。

SNSで見ていると、すごいスピードで自分勝手に動いているようにも見えるが、実は周りなんか関係ないわけじゃない、周りを巻き込みながらも、ときに気を遣ったり、帳尻を合わせたり、と汗をかきながら仕事をしているんだな、と思った。
実際は、わからない。
不思議と、会いたいとは思わない(笑)。

この本も、一つ前で紹介した、『あしたから出版社』と同じように編集者の本だ。

『あしたから出版社』の著者である夏葉社の島田さんと、この箕輪さんとはまるで違うお二人なのに、不思議と同じようなことを言っているような気がしてしまった。

正反対のように見えるお二人。
だけど、どこか通底するものがある。
本当に不思議だけど、似ているとすら感じた。

ただ箕輪さんのほうが自分のことをよく知り、好き嫌いがハッキリしているのかな、という印象。

私はどちらかというと、静かに丁寧に本をつくる(であろう)島田さんの仕事ぶりを大変尊敬していて、ああいう風な人になりたいと思っている。

だけど同時に、箕輪さんのように、感覚的・直感的に動いて、とにかく動いて走り回る仕事がしたいとも思っている。

そのどちらの要素をも持ち、そしてその黄金比を探すように、仕事をしていきたいと私は思った。


『死ぬこと以外かすり傷』/箕輪厚介/マガジンハウス/2018.8.28.

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