ビューティ業界の最先端。化粧品見本市コスモプロフへ!
ビューティ業界で働いている方、化粧品業界を目指している方へ、業界の視点から見た最新トレンドを現地からレポートします。
どこも大混雑のボローニャ
さて、今年のコスモプロフも大盛況。開催日の前日から徐々に人口が増えていくのが目に見え、空港から市内へ向かうタクシー乗り場は長蛇の列。駅で行き交う人々の数もどんどん増える、増える。開催初日にはバス停は人でごった返しカオス状態。タクシーを呼んでも30分は来ず、現地に到着しても入場に時間がかかり、帰りのタクシー乗り場でも列をなして30分くらい待ちました。
やっと現地に到着したと思ったら、入り口付近でごった返す人・人・人。
ボローニャという街は、この展示会による経済効果は大変大きいのです。宿泊施設は早めの予約を強くオススメします。翌週は絵本の見本市があるとかで、忙しい時期のようです。行く際には事前ネット購入を絶対にお勧めします。割引もありますし、並ぶ必要もない(それでも並んだけど)。ネットで買わない理由はありません。
メンズのニューウェーブ
このスタイル!ですよ。このひげスタイルのために、いろんなアイテムが増えているんです。
こんなお兄様方がたくさん・・・!それに合わせて、シェービングアイテムはもちろんのこと、ひげ専用ワックス(ベアードバーム)などが発表されていました。な、なるほど。
お膝元イタリアなだけに、職人が全て手仕事で作り上げたクオリティの高いシェービングブラシなどは大量に陳列されていました。
また、メンズのスキンケアも様々なバリエーションを揃え、気になったのはオーガニック分野におけるメンズアイテム。ユニセックスでも使えるようなアイテムは今後のライフスタイルにも合うのかもしれません。見つけたのは北欧のスキンケアブランド。パッケージもミニマルで素敵。
自分の身を美しく整えようとする男子が増えるのはいいこと!今後のメンズの動向が楽しみです。
韓国コスメの脅威
コスモプロフの今年の全体の印象を一言で言うと、韓国コスメとメンズ。どこへ行っても、ヨーロッパでの販売代理店を探している韓国コスメブランドの出展が目立ち、容器包材メーカーも韓国生産のものが立ち並んでいたのがとても印象的でした。
韓国コスメかと思いきや、実際はイギリスの会社が経営したりして、欧州企業も韓国ブームに乗っかっている感ありあり。アジアの中でも中国と韓国は、世界を見据えている感じです。
日本には素晴らしいクオリティのものがたくさん溢れているのに、どうもこういう所で主張が弱いのは、国民性なのかなあと、日本人の私としては、惜しいなあ、勿体無いなあと言う気分で見て回るのです。韓国のこの勢いはまだ当分続きそうなので、日本メーカーさんもぜひ頑張ってもらいたい所です。包材メーカーのコーナーも韓国勢が大変活気があり、欧州市場進出を果たしたい気概ムンムンでありました。包材メーカーに関しては、日本のメーカーは老舗から新規まで、ポツポツと目に触れる程度だったのですが、とても活気があるとは言えない状況。ジェトロが確保していた日本パビリオンのコーナーは、ジェトロの直前のキャンセルより発生した穴を、親日のイタリア人が買い取って、なんとか数企業でまかなっている、ということでした。はっきり言ってしまうと、ディスプレイ自体空間が目立ち、スタッフで着物を着ている人がいたり、壁面のビジュアルは着物の女性を掲示していたり、どうもモッサリ感が否めず。。。ここも残念な感じでありました。勿体無い。。。
イマドキSNS出身系ブランドの出展目立つアメリカパビリオン。
一方、ちょうど日本ブースの反対側がアメリカのパビリオンだったこともあって、明暗がはっきり分かれていました。会場のカテゴリーとして、各ブランドがブースを連ねる以外に、国別パビリオンコーナーがあり、各国が出展していましたが、韓国は単独で一つの建物を独占していたので、こちらでも勢いを感じさせるものがありました。個人的に興味深かったのは、アメリカパビリオンが、美容系Youtuberが人気をあげて立ち上げたブランド・Jeffry Star(ジェフリー・スター)を設けており、注目を浴びていました。さすがアメリカン・ドリームらしいですよね。それ以外にもNYやLA発信のブランドが多くありました。
完全にコンサバなヨーロッパと対照的な、ラメ・グリッターをふんだんに使ったアイシャドウやアイライナー、ショッキングなブルーや蛍光カラーのリップなど、ぶっ飛んだ商品があり大変面白かったです。開催期間の最終日には一般人へ公開となるのですが、午後には長蛇の列ができて、買い求めるイタリアンガールズ達でごった返していました。いい意味で飛び抜けているところが、ヨーロッパ人にも受けているのだと思います。
こちらはイギリスのYoutuber, Zoellaのブース。
ざっと、以上がコスモプロフレポートになります。来年行かれる方のためのポイントをおさらいさせていただきますと
1. 宿泊はお早めに。
ボローニャ市内のホテルは3ヶ月前には満室になります。各企業が団体で予約するので、なくなるのがとにかく早い。早め早めの予約をお勧めします。出展者の方はフィレンツエに宿をとる方も多く散見されました。フィレンツエからはボローニャまで電車で約30分。そこからタクシーで15分ほどで現場へ。ただタクシー乗り場は常に混み合っていますので、その点は注意です。
2. 入場券はネットで購入。
当日現場は大変混雑しますので、事前にネットで買えばそのストレスもなく、且つネット割引があるのでお安く購入できるので一石二鳥です。
3. 待つのが嫌な人は移動手段を確保
タクシーとかで並んで待ちたくない人は、ハイヤー・リムジンを使って、行き帰りのお迎えの足を確保するのも一つ手です。
4. レストランも事前に予約が必須。
街全体が人で溢れかえるので、美味しいと有名なレストランはすぐに満席になってしまいます。できれば仮押さえでも二週間以上前から抑えるようにしましょう。私の場合は電話でなくとも、英語のメールでなんとかなりました。
5. 昼食はランチタイムピークを避ける。
コスモプロフの展示会場自体あまりインフラが整っていない感じなので、お昼時間になると人でごった返し、メニューはほぼサンドイッチと飲み物くらい。レジは長蛇の列。一方でテーブルと椅子が圧倒的に少ないため、地べたに座ってピクニック状態も多く見られました。できればランチを持ち込むか、早めのランチ(10時半から11時半)を市内で終わらせてから会場に向かえば、行きの混雑もランチ渋滞も回避できて良いかもしれません。早めのランチの場合は通常のレストランではなく、午前中空いている場所に限りますが。。。
6. 最終日は「一般公開&出展者撤収」ーほぼビジネストーク不可。
早い所だと、朝開場したばかりなのに撤収を始めるブランドも。最終日以外の日になるべく訪れるようにしたいですね。
7. 歩きやすい格好で。会場はとにかく広く、休憩場所が極端に少ないです。
8. 名刺をどこでも催促されますが、メールを受けたりして後が大変なことになりますので、ばらまくのはほどほどに。
最近の欧州化粧品市場は横ばいが続いており、これといった大きな変化が見られません。日本と同様プチプラと高価格路線の二極化は見られますが、これと行ってどこのブランドが元気、という感じも見当たらない中で、今回市内で目についたのはミラノ発のブランドKIKO。マスカラが3.95ユーロ、とかなりの破格でプロモーションを積極的に行ったりしながら、ここ数年店舗数を伸ばしています。ちょっとポップで、手軽に買えるボビーブラウンやマックみたいなものでしょうか。単色アイシャドウが一面にディスプレイされて、訪れる人の気持ちをくすぐります。
以上、コスモプロフレポートでした!
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