名は体を表す?
【Preface】
Hello Japan from Cairns!
相変わらず今日も元気に妖怪ズンバババアとしての責務を果たしてきましたケアンズの柑橘です。今回はツイートでも匂わせた「同僚を吹き出させることに成功した一言」を自慢……参考にしていただくべく、喜び勇んでこれを認めております。読みは「したためて」です。「みとめて」ではありません。私も日本語学徒というか自称民俗学徒の友人からのお手紙で遭遇するまでこの漢字なのを知りませんでした。いやはや、母語とはいえ油断は禁物日々是研鑽ですね。
今回のネタはエピソードというよりは反射的な一言なので、大変短いです。お楽しみください。
【Did you hear that!?】
いつものごとくレンタカー屋の裏手でひとり好きな歌を口ずさみながら洗車に励んでいた時のことです。掃除機をかけていてまあまあな騒音に取り巻かれているのをいいことに、私のハミングもいつしかそれなりの音量になっておりました。業務用の長いホースを引っ張り、運転席の清掃を終えてふと顔を上げると、後部座席の消毒をしてくれている同僚の姿があるではありませんか。曰く、I'll give you a hand.と声をかけてくれていたようなのですが、運転者の足元の砂やら枯れ葉やらお菓子のくずやらを吸い取るのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてくるその同僚に気づかなかった!……ってことでですね、まあ別に同僚に毒薬は飲まされていないのですが、気持ちよく熱唱しているところを見られたのでちょっとばかり恥ずかしかったですね。馬鹿に付ける薬はないとはこのことでしょうか。いや一人でサボらず仕事してる時についでに自分の機嫌まで取ってるだから側から馬鹿に見えようが構わねぇや。てわけで、タイトルのように「え、聞こえてた!?」とは訊きませんでした。
とはいえやっぱりビミョーに恥ずかしかった私は、話を逸らそうと、いやそもそも彼は別に私の鼻歌、じゃない普通に歌ってることに突っ込んできたこともないし彼も出し抜けに口笛吹いてたりもするので逸れるべきレールなどハナから存在しないんですが、来月に彼が予定している人生初の日本旅行に話を振っておきました。
普段そこまで感情を露わにするタイプではなく、割となんでもするっと流してしまうようなところのある同僚なのですが、さすがに日本への旅行にはワクワクしているようで、シフトで顔を合わせるたびに「あと何日だ〜」みたいなことを言ってくれるんですよね。かわいい。私としてもせっかくの日本旅行を楽しんでもらいたいので、友人たちに協力してもらっておすすめのご飯屋さんのリストを行き先ごとに作ったりして、手伝える範囲で手伝っていました。
こいつバイト中じゃないんか、今のところ歌ってるか喋ってるかしかしてなくね?と思ったそこのあなた、安心してください、お互い手は動かしております。バイト始めたての頃は、同僚本人にも、その英語のアクセントにも慣れていませんでしたから、その彼と英語で雑談しながら手も動かすなんて芸当はとてもじゃないけどできませんでした。けれど、さすがに半年以上同じ職場にいると、上達というか適応できるものなんですね。いまだに何言ってるかわからないこともありますが、普段の話くらいならなんとかそこまで聞き返さずともラリーを続けられるようになりました。
そんなこんなで勝手に懐いている同僚と洗車をしていたところ、通りの方から奇声が聞こえたのです。
【…Did you hear that?】
はい、2つ目の見出しとそっくりですが、thatの内容がまるで違いますね。1つ目は「私の鼻歌」で、2つ目は「通りから聞こえた奇声」です。最初聞こえた時は、よく夜に鳴いている鳥、curlew(クールー)かと思いました。この鳥類、姿は大変美しいのですが、その鳴き声はかなり甲高く長く、さながら女性の叫び声みたいなんです。私がよく聞く声とは若干違う気もしますが、かなり似ているので以下のリンクから聞いてみてください。
聞こえた直後は、鶴の一声ならぬクールーのひと鳴きかと思ったのですが、「いやあれ人間じゃね?」と脳みその解析が追いついてきました。そこで声のした、店の入り口の方へと顔を上げると、同僚も同じ方角を向いていたので、今回は見出しの通り訊ねてみたわけです。「聞こえた?」と。
彼はYeahとAussie独特の音階のある同意は示しつつ、I have no idea what happened, though.と肩をすくめて見せました。
そこで私の視界に入ったのは、通りの向いにあるバックパッカー向けの宿泊施設。通称バッパーと日本人の間では呼ばれるこの手の宿は、ワーホリ勢がよく利用します。治安は、……まあ大学生の飲みサーくらい?そこまでひどくないかな、でも平均したらそのくらいにはなりそうな、ナイトクラブとインススタとアルコールで夜を紛らわすのが好きな人が多めに集まっているところです。その名もMad Monkey.
とか、1ミリも相手が想定できないような回答しかできない人間には、3車線ずつある大通りの反対側から眺めているのがちょうど良い距離感です。いや誰がインキャだ。誰がぼっちだ。間違ってないけど正しくもないからやめろ。私は自己選択型単独行動派なだけだもん!
そんなしょうもないボケはともかく、そんなバックパッカーの方向からね、奇声が聞こえてくるのはあまり驚かないというか、まあ海外での旅にテンションなのか血中アルコール濃度なのか、まあ何かがぶち上がってしまった若者の叫びだろうと勝手に私は判断したわけですね。
そしてぼそっと、でも同僚に聞こえるように言ってやりました。
してやったり!!!!
この時の同僚の反応とその肉声を録音しておきたかったです。
【Postscript】
てことでね、今日はネタ自体が短めだったのでかなりふざけたエッセイになりましたが、いかがでしたでしょうか。私のnoteなんでね、まあ好き放題書かせてくれやということで、特定の誰かを誹謗中傷するつもりも、陽キャをディスっているわけでもありません。基本的に適材適所で世界は回ってると思っていますからね。彼らの存在意義が私に理解できないからと言って、それすなわち彼らが役立たずとはなりませんから。あれやっぱりちょっとディスってるかな。
でもまあ私の今の風貌なんてパリピそのものなんで、ご容赦いただければと思います。誰に弁明してんの私。
恨むならそんな名前をつけたオーナーでも恨むんだな!私みたいなどう頑張っても世界線が交差しなそうな人間にネタにされたところでどうということもないだろうけど!
てことで、タイトルの英訳をご紹介して終わります。
A name makes a person.
名前が人を作る。
言語にうるさい人間としては、ここでmakeを使うあたりが英語っぽいよなあと思ったりします。この言い方だと名前に人が染まっていく感じだよね。日本語はもっと静的というか、「表す」って動詞を使ってるので、動作性がない、ある種の性質描写みたいな文になってるのに対して、英語の方は肩書きにふさわしい人になっていく、というか。
Names and natures do often agree.とも云うらしいです。こっちの方が日本語のことわざには近い感覚はありますね。でも今日のネタにしっくりきたのは太字の方だったのでそっちから文字ってサムネを作らせていただきました。
Thank you for reading!
Hope to see you soon, in a bit better content! lol
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