在る人になる
朝のニュースで
小麦、バターの高騰でもうパン屋を続けない決断をしたお店の特集されていた。
50円から100円値上げすれば続けられるけれどそれは自分が目指すパン屋ではない、と店主は言った。
『パン屋のパンは手軽に買えるおいしいものでありたい。来てくれるお客さんがお腹いっぱい美味しいパンを食べてほしいから値上げを選ばない』と
涙を流し、閉店を悲しむ常連客は
『おいしいものが残る時代になってほしい』と
またここの店のパンなら値上げしても買い続けたいともインタビューにこたえていた。
店主の思いがこの常連客たちの姿を見て痛く伝わった。
客の多くは子育て世代や高齢者。
うちのパンが100円あがるならそのお金でお腹いっぱい食べて。と声が聞こえた気がした。
飲食や調理に携わる人の生きがいは
『あー!美味しかった!お腹いっぱい!』なのかもしれない。
心が在る人になりたい。
心が在る人であり続けたい。
自分だけが良ければいいだなんて悲しい世の中にはならないように、大人は凛として粋に生きなくてはと感じた。