恵方巻き
恵方巻きを食べよう!
行きつけの寿司屋で恵方巻きを頼んだ
そんな日に恵方巻きを頂いたりするもんだ。
食卓に寿司屋の恵方巻きとスーパーの恵方巻き
さすがにどちらかを選べは酷だと思い、等分に切ってもりつけた。
たとえそんな風習でも手づかみで太巻きを頬張るだけの一食は抵抗があった。
人生の食事の数が限られているなら気持ちよく食べたい。
すると帰ってきた彼は
『恵方巻き切るやつは前代未聞だ!』とからかってきた。
そこですこしむかっ腹が立ったのはたしか。
お寿司屋さんの恵方巻きは具材も良いし値段も良かった。スーパーのだったら二本買える
でも二人でおいしいものが食べたかったのに。
『ごめんね、お腹に入れば同じでしょ』
『齧るのがやってみたかったんだわ!』
『じゃあ来年はあなたが買ってきてよ!』
『ばか!来年は二人で作るんだよ!』
『は?わたし太巻きなんか作ったことないわ』
『俺もないわ!』
20歳以上離れた彼のこうゆうとこが好き。
そして彼は言う
『普通ね、男が言うんだよ。腹に入れば一緒って。風情がないなぁ』
濡れ羽カラスみたいな艶々の髪の毛をがしがしかきながら笑う
恵方を向いて食べなかったから鬼が出たけど
『ごめんね』と抱きしめあった。
こうやってきちんと言い合いながら仲良くしたい。
見て見ぬふりで
なくしたくない人になりたくない。
それを彼は教えてくれた大切な人。
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