mixi2がTwitterに勝てない3つの理由
いまネットで中年たちを中心に大きな話題になっているものがある。それがmixi2だ。
mixi2の前身であるmixiとは、十数年前に人気を博した国産SNSだ。全盛期は招待制と足跡機能というユニークな仕組みを採用し、日記やコミュニティ機能で多くのユーザーを魅了していた。
しかし、度重なるUIの改悪や海外産SNSの台頭、足跡機能の廃止などの迷走もあり、今やすっかり廃れてしまい、閑古鳥が鳴くSNSとなっている。
mixiは中年たちの心の中だけに存在する過去の遺物、誰しもがそう思っていた。だが、そんなmixiが新たにバージョンアップを遂げてmixi2となって令和の日本に帰ってきたのである。
mixi世代の筆者もすぐさまTwitterにばらまかれたmixi2の招待リンクから、mixi2の世界へ飛び込んだ。そして一通りmixi2の世界を見学して気づいた。
それはmixi2は以前のmixiとは全く違うSNSである、ということだ。
まずmixi2で目を引くのが、従来のmixiとは全く異なるUIである。フォローした人々のつぶやきが流れるタイムライン、おすすめのフォロワーのタイムライン、いいねや返信ができる仕様など、そのUIはTwitterそっくりなのだ。
招待制は残っているものの、招待リンクはTwitterなど他のSNSで不特定多数に拡散されており、かつてのような「知人の紹介」からSNSに入るというクローズドさは失われている。現実的には何の意味もなさないことがわかっている招待制を導入しているのは、mixi世代へ"あの頃"のノスタルジーを感じさせるサービスに過ぎない。
さらに、mixiの象徴的な機能であった足跡機能は完全に廃止された。足跡機能は誰が自分のアカウントを覗きに来たのかが時系列でわかる仕組みであり、新たな出会いやトラブルのもととなっていた賛否両論があった機能だ。
足跡機能がなくなっていたことは個人的にとても残念ではある。しかし、招待制は残しても足跡機能は残さなかったことには明確な理由がある。そこにmixi2の意図的な戦略が見て取れるのである。
mixi2は、文字中心のSNSで覇権を握るTwitterに挑もうとしているのではない。その狙いは、既存のSNSと共存することにあるのだ。
mixi2はプロフィールや招待リンクを既存のSNSに容易に共有することができる。さらにプロフィール欄にTwitterやInstagram、TikTokへのリンクまで表示されるUIだ。最初からSNSで独り勝ちを狙うつもりはないのである。
Twitterではサブアカウントを複数持つユーザーが多い。彼らはメインアカウントとは別に、英語学習用や趣味の共有用など、目的別にアカウントを使い分けている。mixi2はそういったTwitterユーザーの「もう一つのアカウント」として使われることを想定しているのだ。
これは極めて現実的な判断だ。なぜなら過去にTwitterを倒そうとして挑んだSNSは全て敗北しているからである。Twitterの初代経営者によるBluesky、Facebook CEOのザッカーバーグが立ち上げたスレッズなど、数々の挑戦者がTwitterに挑んできたが、いずれも文字SNSの覇者の座を奪うことはできなかった。
断言するが、mixi2にTwitterから完全に移動する人はごくわずかに終わるだろう。なぜならそれだけTwitterが文字のSNSとしてより多くの人々にリーチできるプラットフォームとして良くも悪くも"完成"されているからだ。
2008年に日本に上陸したTwitterは、人気に陰りが見えていた初代mixiや、荒らし行為が常態化していた2ちゃんねるから大量のユーザーを奪った。
Twitter上陸当初からユーザーである古参TwitterユーザーにTwitter全盛期がいつかと問えば、多くがこの急成長期である2009年から2015年頃と答える。Twitterはわずか数年で文字中心のSNS界における帝王の座に上り詰めたのである。
なぜTwitterはmixiやその他の匿名掲示板を蹴散らし、今なお新規のSNSが太刀打ちできないほど強いプラットフォームとなったのか?その理由は大きく3つある。
まず1つ目が……
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