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”情緒が安定した女”とは何者なのか?
筆者は以前より、結婚を前提に交際するのであれば、情緒が安定した女性にすべきと書いてきた。
若いうちの恋愛であれば、メンヘラ女性に振り回される経験もありかもしれないが、人生を共にするパートナーとなれば若さやルックスだけで相手を選ぶのは悪手である。情緒が極度に不安定な女性との結婚は、男性を人生を非常に厳しいものにしてしまう。
しかし、この情緒が安定した女性についての話になると、なかなか男女の間で話が噛み合わなくなってしまうことが多い。なぜ男女で"情緒の安定"について齟齬が生まれてしまうのであろうか?
その理由は男性が望む「情緒の安定」と、女性が理解する「情緒の安定」には、大きな認識の差が存在しているからだ。この認識のズレこそが、不毛な論争を引き起こす原因となっている。
まず男性が求める「情緒の安定」について説明していこう。男性が望む情緒の安定とは、実はハードルがそれほど高くない。
ちょっとしたことで不機嫌になりすぐに怒り出したり、かと思えば友達との関係に悩んで急に泣き出したり、些細なことで感情を爆発させない女性がいいな、といった程度なのだ。
適度に喜怒哀楽の感情を出したり、記念日にプレゼントを期待したり、ディズニーランド旅行に行きたがるといったことであれば、むしろ可愛らしい行動として多くの男性が笑顔で受け入れるだろう。
一方、女性が考える「情緒の安定」は、記念日を祝うこともなく、ディズニーランドに行っても無表情、1ヶ月以上彼氏や旦那と会えなくても平気……といった、情緒の安定をまるでドラクエのNPC(村人A)のような、感情を失ったロボットのような状態をイメージしてしまう。
つまり情緒の安定した女という言葉から女性は「男性にとって都合の良い、言いなりになるだけの主張のない女性」という男に都合が良いステレオタイプな女を連想してしまうのだ。
なぜこのような誤解が生まれるのか?男女の生まれつきの性差だと考える人もいるかもしれないがそれは誤りだ。感情の取り扱い方にこれだけ男女差が生まれる原因は、男女それぞれが属する社会からの要請が大きく異なることに起因しているのである。
男性は社会に出た瞬間から、感情を抑制することを求められる。男性は一般的に女性よりも感情を表に出すことが少ないが、それはあくまで大人になってからの話だ。ティーンエイジャーのころであれば、男子も喜怒哀楽を大きく表現するし、情緒もまだまだ不安定だ。
勝ち負けや失恋などで喜び、泣き、怒り、時には暴れることもあるかもしれない。しかし、男性が社会で生きていく上で、ティーンエイジャーのままでは通用しない。情緒が不安定な男性はホモソーシャル(男性社会)で生きていけないのだ。
男性のほとんどは女性ほどの性的資本がなく、ホモソーシャルの中で自力で立場を確保しなければ、誰からも助けてもらえない。感情をコントロールして組織の一員にならなければ生きていけないのである。たった一人でわがままに生きて人生の道を切り開ける人間は、よほど特別な才能に恵まれた極一部だけだ。
そのため、男性はアラサーになる頃には、まともに働いて社会人生活を送っていれば、自然と見た目上は「情緒が安定」した人間に見える立ち振る舞いができるようになっていくのである。
ちなみに男性の情緒が安定したように見えるタイプには2パターンある。一つは感情のコントロールを学んだタイプで、もう一つが感情をすり減らしてしまったタイプだ。
前者は喜怒哀楽が実は激しいが、それを上手に制御できている人材だ。こういったタイプは深く付き合うと地金が出て情緒の不安定さが顔を出すことが多い。
後者は社会で感情を表に出すたびに叩かれ続けた結果、大人しく改造されてしまった男性だ。彼らはPTSDを患った人間のようなもので、子供の頃のように自由に喜怒哀楽を表に出せなくなっている。社会的弱者や非モテの男性に多いタイプだ。
彼らとは別に、よい年になっても情緒不安定な男性も一定数存在する。彼らの多くはホモソーシャルで相手にされておらず、本人は一匹狼を気取っているが現実は無視や排除された結果孤立しているだけだ。
彼らは男性からは忌み嫌われているが、情緒の不安定さを男らしさと勘違いする一部女性に意外とモテる。ただし男性社会での成功は絶望的なタイプだ。
このように男性は、感情を殺すことで組織に適応し、そこで生き残ることを学ぶ。Googleですら社員を評価する基準として「能力が必要なのは当然だが、一番大事なのは情緒が安定していること」と言っているぐらいだ。男性は情緒を安定させることで得をする性別なのだ。
一方、女性は……
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