衆院選2024で見えた日本の未来
岸田総理のまさかの電撃辞任から数か月が経った。
次の総理を決める自民党総裁選は、大方の予想を覆し、小泉進次郎議員や高市早苗議員を退け、石破議員が総裁の座を掴んだ。
苦節12年、何度も挑戦した自民党総裁選で遂に勝利し、総理大臣の座に座った石破茂総理。しかし、その天下はエルバ島からパリにもどったナポレオンと同じく、長くは続かなかった。
自民党石破総理で臨んだ2024年衆議院議員選挙、その結果は燦々たるものとなったからだ。なんと自公が過半数割れをする大敗北を喫してしまったのだ。共産党や立憲民主党からの裏金問題追究のなか行われた今回の選挙は、立憲が大きく票を伸ばし、自公の議席を削り取ったのである。
長年の挑戦が報われて総理の座に就いた石破議員であったが、今回の選挙結果からも、世論を引っ張る剛腕も、世論に応援される愛嬌も、部下たちに担がれるカリスマ性もなかった。つまり総理の器には達していなかった、と言わざるを得ない。もし自民党総裁選で勝利していたのがカリスマ性のある小泉進次郎議員や、初の女性総理の看板を持つ高市議員であれば、負けるにしても自公過半数割れという大敗を喫することはなかっただろう。
不安定な状態が続く世界情勢、控える米国大統領選挙、崩壊の足音が聞こえて来た社会保障費問題。インテリや現役世代が中心のツイッターでは、石破総理の手腕に疑問を抱きつつも、不安定な世界情勢の中で、国防や外交の経験に長けた自民党を推す声が多かった。しかし、それらの声は全て裏金問題一つに吹き飛ばされることとなった。
いくら政治に関心のある若者やインテリたちが、仕事の合間に政治について熱く議論し、各政党の政策を吟味して投票したとしても、数に勝る高齢者たちが『裏金問題けしからん!自民党にお灸を据えてやる!物価を下げろ!』と一致団結すれば、全く太刀打ちできないのである。これがシルバー民主主義の完成した日本の現実なのだ。
シルバー民主主義国家では、いくら現役世代の給与をアップさせても、株価を過去最高に引き上げても評価されない。なぜなら高齢者のほとんどは年金暮らしだし、株も持っていないからだ。いくら現役世代へ投資しても、高齢者にマイナスなことを少しでもすれば、選挙では勝てないのだ。
今回の選挙結果を見て、多くの人は2009年に起きたあの民主党政権誕生を思いだしたはずだ。しかし、今回の選挙結果はあの時とは大きく違う点がある。
そしてその違いこそが、完成したシルバー民主主義によって機能不全に陥っていた日本の政治に希望をもたらすことになったのだ。
完璧に見えるシルバー民主主義に一撃をお見舞いする、そのカギとなるのが……
ここから先は
¥ 250
サポート頂けるとnote更新の励みになります!いつもサポートしてくださっている皆様には大変感謝しています。頑張っていきますので、どうかよろしくお願いいたします!