『東京改造計画』~豊かな社会とは何か?~
堀江貴文さんの『東京改造計画』を読んだので感想をまとめていきたいと思います。
目次を見たときの感想
発売に先立って目次が発表された段階でこのような記事を書きました。
堀江貴文さんはビジネスマンとしては一流と思います。しかし、企業の経営と行政機関の運営は全く違うものです。それをビジネス感覚でムダを削減、利益最大化を行ってしまうと格差拡大し、都民の分断が起きてしまいます。
このように感じました。
そして実際どうだったのかと言いますと…。
やはり東京は破壊される
大枠としての感想は変わりません。民営化して競争を激しくして効率化なんてのは、デフレ期に絶対してはいけない政策でしょう。町には失業者が溢れ、都民の格差拡大、分断が起きてしまうと思います。
堀江貴文さんは「スピード」「スマート」「スモール」の3Sを掲げています。
今の政府とかなり親和性が高い部分もあるように思います。
公共事業費を削減し、どんどんと政府支出を減らして、スピード感を持って国民が不利益を被るような法案をズバズバと通していく。
恐ろしい政府です。
こういった社会で生き残ることが出来るのは能力が高いものだけです。
格差はどんどんと拡大し、いずれ暴動や戦争となり、結局皆が滅びることになるでしょう。
格差拡大についてはこの記事にも書いてます。
豊かな社会の定義とは
堀江貴文さんは「なんでも低価格で買える社会」が豊かな社会と定義しているのかなと感じました。
しかし、それはデフレに陥っているだけなのでモノやサービスが低価格になるということは、それだけ労働力も安くなってしまう。
私たちの所得も下がっていくことになります。
果たしてそれが豊かな社会と言えるでしょうか?
本当に豊かな社会とは「高くてもなんでも買える社会」ではないでしょうか。
なんでも、というと言い過ぎかもしれませんが、高いモノやサービスでも買える社会、それだけ皆が所得を稼ぐことの出来る社会が豊かな社会と私は思っています。
まとめ
やはり堀江貴文さんはビジネスマンとしては超優秀ですし、多くの人が思いつかないような斬新なアイディアをたくさん持っていると思います。
経営者にはそういった能力が必要と思いますが、中央政府、地方自治体に必要なことはいかに社会の安全を保つか、格差拡大を防ぐか、弱者救済政策を打てるかが重要なのではないかと思っています。
堀江貴文さんのビジネス界での活躍を祈ります。