
「身を切る改革」は無意味~国民の貧困化を招く~
「身を切る改革」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
今日はこの考え方がいかに間違っているかを解説していこうと思います。
「身を切る改革」とは
簡単に言えば、議員が報酬を削減したり、議員数を減らして、ムダを削減!
ということですね。
これをポリシーにしているのが「日本維新の会」です。
おそらく「身を切る改革」という言葉を聞いたことのある方は、2012年の野田内閣や「日本維新の会」に所属している方、支持している方から聞いた方が多いのではないでしょうか。
「身を切る改革」がなぜ国民の貧困化を招くのか
経済の原理原則を分かっていれば簡単に理解できます。
誰かの赤字は誰かの黒字。
この原理原則をもとに説明します。
議員の給料を削るということは、議員は国からお金を貰っているわけですから、国の赤字(支出)が減ります。
この場合ですと、議員の黒字(給料)が減った分、国の赤字(支出)も減ります。
給料を削減された議員はそれまでと同じ水準で消費活動を行うでしょうか。
おそらくそれはしないでしょう。
たとえば、外食の回数を減らしたとしましょう。
その分外食産業の売り上げ(黒字)は減ります。
外食産業の方の黒字が減れば、議員と同じように消費活動を減らしますから他の産業にも影響が及び結果として多くの国民が貧困化となります。
議員報酬を削減した分を国民に還元してくれているのならまだ救いがあったかもしれませんが、そんなこともなく。
ただ、政府の支出が減って、この世からお金が減ってしまっただけということになります。
それでも「身を切る改革」が支持される理由
では、なぜそのように国民の貧困化を招く「身を切る改革」が支持されるのか?
多くの国民がこの原理原則を知らないからです。
国民の無知(政治家自身が無知なことも否めませんが)を利用して、自分たちの身を切りながら頑張っている感を演出して、支持を集めるわけです。
日本は長期のデフレにより、所得が減り、貧乏になる人が増えました。
それにより、不満、怒り、憎しみといった負の感情を持つ人が増えました。
(これをルサンチマンといいます。)
そうした人の負の感情のはけ口として議員をターゲットにします。
「俺たちはこんなに給料が少ないのになんであいつらがあんなに貰ってるんだ!」
「議員が無駄に高い給料をもらっているから必要としているところにお金がまわっていないんじゃないか!」
「行政に無駄が多いから俺たちが豊かにならないんじゃないか!」
このようにして、ルサンチマンを煽ることで、支持を集めていくというやり方です。
(このやり方はドイツのナチスと同じようなやり方です。)
負の感情を吐き出すことは出来るものの、自分の給料は増えず、むしろさらに下がっていく、そしてまた煽られて違う攻撃対象を探してストレス解消をする。
そんな負のループとなります。
だから、「身を切る改革」は無意味どころか、国民の貧困化を招く、間違った政策なんです。
まとめ
「身を切る改革」の恐ろしさ、いかに間違っているか、分かっていただけたでしょうか。
なぜこのような考えが生まれてきてしまうのか、というと根本は緊縮財政です。
日本はこのまま支出を増やし続ければ財政破綻してしまう
じゃあ支出を減らそう、誰を減らすかとなった時にルサンチマンを煽って攻撃して世論形成をしてどんどんと支出を減らし、国民みんなで貧乏になっていくわけです。
もうこんな不毛なことはやめにしましょう。
日本は財政破綻しません。どんどん支出を増やして国民のためにお金を使うべきなんです。
「身を切る改革」は国民の貧困化を招く、この「事実」を共有してくださることを祈ります。
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