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石山寺へ行く(9)光る君へ
思いつきで訪れた石山寺。
まさかここでも大河ドラマ館をやっているなんて。
とはいえ、よくよく考えてみれば、ここでやらなきゃどこでやるんだってはなし。
大河ドラマ館を催しているのは全国で3ヶ所。前回訪れた越前武生、今回の石山寺、そして宇治の平等院。ワンシーズンでふた場所踏破。宇治さえ行けばコンプだけどさすがにそれは無理そうだ。
いやいや、しかし嬉しい悲鳴。
歌うような足どりで『光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館』へ。
館内に流れる劇中曲『Primavera-花降る日』が胸をざわつかせてくる。
BGMをONにして読めば、(※推奨だよ〜♬)
そこはもう、大河ドラマ館
↓↓↓
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まひろとききょうのお出迎え。
紫式部と清少納言。
平安の世で自由闊達に筆を走らせた二人の才女。
かたや令和に生きる哀しきポンコツ。
おふたりさん、ちょっとお写真よかですか
見せつけるやうに流れるやうに、
うっとりしながらポッケに手を入れ、
〝令和の利器をとくと見よ〟
腕をしならせ荘厳華麗にスマホをするりと取り出すも、
勢い余って、お手玉 お 手 だ ま。
おててで
踊って
ああ飛んでゆく……。
赤いボディのわたしのiPhone。
縦回転がうつくしい。
赤い、赤い、真紅のスマホ。
館内に響き渡る情熱的な劇中曲は、堕ちるスマホに彩りを添える。
ああ、
きれいに
まわってはる。
このままいったら…どうなっちゃうんだろう…
私の中のガリレオが物理演算を開始する。
F=FANZA…だっけ…
力のモーメントがなんたらかんたら……
まぁ、計算しなくてもわかる。
さようなら、おれのスマホたん。
赤いボディのわたしのiPhone。
あなたが私と出会ったあの日、調子に乗ってサッとかざして北の将軍様ごっこしたね。みんな「?」ってなってたね。そのままスルーで助かったような気がしたけども哀しかったね。アレはやっぱり抜群にスベってたよね。
去年はトイレで紐なしバンジーしたね。そしていっぱい尿を浴びせたね。むすめに笑われたね。
今年はスカイダイビングだよ。
パラシュート無しだけど。
グッバイ、スマホたん。さような…ら……!?
トントン、
トトン、
スススのサーーーッ
えっえっ!?いい着地!!力をいなすような着地!!!!
これはワンチャン無傷のパターン!!
奇跡奇跡と地を這うようにカラダを伸ばしてスマホを拾う。片膝立ててスマホを構える。
はい、画面はバッキバキ。
稲妻のように割れている。
デスヨネー。あはは。
能面のような顔で笑う。
だが、しかーし!!
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こんなこともあろうかと!
液晶画面には保護ガラスでバリアを張っていたのだ!
ひび割れた体でぐったりとしている保護ガラスたん…己の体を犠牲にして、俺のスマホたんを護るだなんて……
ス…スンドメサン…スマホ……ホンタイハ…ブ……ブジデスカ…
保護ガラスたん!?あちきのスマホの心配ばかりして、もっと自分の体をだいじにしてよぉ!
……ス…スマホ…サン…ガ………ブジ………デ…ホント 二 ヨカッタ…ワタシ……スマホサン ト デアエテ、ホントニ シアワセ ダッタヨ……
ソレカラ、スンドメサン……イヤ…スンドメ…………アンタ…ノロワレテルノ?…ポッケカラトリダスノニナンデカッコツケルゥ?…ワタシノイッテルコト ワカルゥ?……ベンキニオトシタトキモ、オナジトリダシカタシテタヨォ…ホント鉈で頭割ってやりたい…この粗忽者めがっ…ガクッ…
保護ガラスたん!?
ちょっと保護ガラスたん…えっ、ちょっと最後なんか人間っぽいしゃべりだったけど…保護ガラスたん……保護ガラスたぁぁあああん!!!!
物言わぬ保護ガラスさんをメリメリとめくる。
どうか、やすらかにおねむりください。
剥がしたガラスをそっと手にのせ、微笑を湛えて聖母を気取る。
令和の聖母はむき身のスマホをあらためて構える。次は無い。緊張感を持って撮影に挑む。
動かぬパネルにはいチーズ。
涼しい顔して立ちあがり、臆面もなく館内へ。
おかしきことこそめでたけれ、心の中で口ずさむ。
大手を振ってハツラツと、仕事をサボってウォークイーン!!
段差がないのに蹴つまずく。
よろけるように大河館。
すんどめ殺すに段差は要らぬ。
まっすぐ歩けと言えばいい。
歩行歴48年、いまだ初心者。
そんな私の挙動を見ていた館内の係員がサッサとハンドサインを送る。
〝サイガイキュウ ノ オッチョコチョイ ガ キタ 〟
〝テンジブツ ハソン ノ オソレアリ キヲツケロ〟
〝ヤツハ スデニ ジバクシテ スマホ ヲ ハソンサセタモヨウ チュウイサレタシ〟
すると他の係員のおねいさん達が、警戒色を剥き出しにして一斉にこっちを向く。
コーナーを曲がるたんびに腰を打ちつけて歩く私に鋭い監視の目が光る。
真っ先に目に飛び込んできたのはコレ。
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パネルにあるように、第4回『五節の舞姫』にて使用したまひろの衣裳。
五節舞とは、日本の雅楽では唯一、女性が演じる舞。大嘗祭や新嘗祭に行われる豊明節会で、大歌所の別当の指示の下、大歌所の人が歌う大歌に合わせて、4 - 5人の舞姫によって舞われる(大嘗祭では5人)。
『白地菱形地に下り藤染め裳』
『葡萄色地に向蝶柄織唐衣』
『金銀泥鳳凰絵入大翳』
と声に出して読む。
ふむぅ、俺はいったい何を口にしたのだ?
なにも入ってこない。
出来の悪いアンドロイドのような挙動で小首を傾げてまじまじとパネルを眺める。ゆっくりと頭を働かせて、もう一度読む。
「白地菱形地に下り藤染め裳……」
…あれっ…パネル、文字組みかっこよ!!
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文字と文字の隙間の幅も、漢字の中に〝に〟とか〝り〟みたいにかなが混じってる感じも、なんかカッコいい。ひょっとして隣のルビもいい味付けになっているのかも。明朝もいい明朝。国宝じゃないのにこの国宝感!!
まさか文字組みで魅せてくるとは…まったく油断も隙もない。
『国宝 白地菱形地に下り藤染め裳』
『国宝 葡萄色地に向蝶柄織唐衣』
『国宝 金銀泥鳳凰絵入大翳』
違和感なし。
カッコいいなぁ、カッコいい。
パネルを作品として眺める。
これ、ずっとみてられる。
不思議。
そういえば、京都の住所とかかもこんな感じでカッコいい。例えば「京都市中京区河原町通三条下ル」とか「京都市中京区烏丸三条下ル」みたいなやつ。カタカナの〝ル〟がとってもいい味。
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なるほど、よく観察してみると白地に菱形がびっしり。これが白地菱形地か。そこに下り藤染めが施された裳ってことね。
この展示物を見たあとに大河ドラマ観ていると、衣装にも意識がいくようになっている自分に気づく。そしてこの裳がいたる所で着用されているのがわかる。まじまじと見ては賢子や彰子あたりが着用していることに気づき、
「おおっ!イシヤマデラでみたやつ!!」
「下り藤じゃん!!」
ケツを浮かせて大興奮。
わかる喜びに浸る。
しかし、見れば見るほど針捌きのみごとさよ。これ…手作業でどんだけの手間がかかるんだろうか…お値段も青天井の予感……。
係員の監視の目がより一層強く感じる。
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ジュディオングみたいな蝶が向かい合ってます。
「葡萄色地に向蝶柄織唐衣…へー、〝ぶどういろ〟じゃなく〝えびいろ〟って読むんだ…」とその場でググる。スマホでも一発変換…スマホやるじゃん!
葡萄色(えびいろ)は、古代から日本に自生していた「エビカズラ(葡萄葛)」に由来しています。エビカズラはヤマブドウの古名で、林のふちなどに生える落葉性のツル植物です。秋に実をつけ、熟すと黒く甘ずっぱくなり、果汁はえび色(紫色)をしています。この熟した実のような暗い赤の色合いのことを「葡萄色」と呼び、蒲萄染(えびぞめ)とも呼ばれます。
もしや、海老の語源って…葡萄色だから「えび」に!?
めいっぱいに背中を丸めて慌ててスマホを叩きだす。
和語の「えび」は、元々は葡萄、あるいはその色のことだった。葡萄の色に似ていることから、蝦・海老のことを「えび」と呼ぶようになった。現在でも「葡萄色」と書いて「えびいろ」とも読む慣習が残っている
うぇーい、やっぱり!!と鼻息荒く顔を上げる。
じゃあ、『ぶどう』って読み方はどこから来たのかな。
慌ててググる。
中国大陸から日本に伝わったブドウ(葡萄)の語源は中国音のブータオ、さらに古代ペルシア語の Buddaw の古代中国における当て字からきているといわれる。別名や地方名で、オオエビヅル、サナヅラ、ヤマブンドなどとよばれている。古くは、ヤマエビ、エビカズラ、オオエビ、ツルエビなどとよばれ、ブドウ渡来以前のヤマブドウの呼び名とされる。「エビ」は葡萄の古語とされる。
Buddaw→ブータオ→ ぶどう
奈良時代に、大陸由来の葡萄が伝わった際、〝エビ〟から〝ぶどう〟へと読み方がシフトしたと。
まさか古代ペルシア語に由来しているとは思いもせなんだ。
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with
係員(警戒色ON)
係員さんは警戒を怠りません。
下手な動きをしたら秒で首をへし折られます。
ア コ メ オ ウ ギ……??
はいググる!
衵扇【あこめおうぎ】
平安時代,男子の檜扇(ひおうぎ)に対して衵姿の宮廷女子が持った扇。ヒノキの薄板を彩糸(いろいと)でとじ,絵を描いたもの。近世には板の数は39枚となり,これに山水,瑞鳥などの金銀泥絵(でいえ)を描き,親骨からは彩糸の余りを長くたらし,そのもとに松,梅,タチバナなどの糸花飾りをつけるようになった。
だいたい衵ってなんだろう。調べてみた。
衵
あこめ
束帯や女房装束に用いられた下着の一種。衵は間籠の衣 (あいこめのきぬ) の意味で,間に着込める,つまり中間着である。男の束帯の場合は下襲 (したがさね) と単衣 (ひとえぎぬ) との間に着用し,女房装束では表着と単との間に着用するが,形態はそれぞれ異なる。
なるほど、『間に着込める』間籠めの衣で『あいこめ』→『あこめ』なのね。
こういうこと知るの楽しい。
「衵扇 金銀泥鳳凰絵入大翳、金銀泥、鳳凰絵入、大翳……この金銀泥ってなんだろう…」
即、ググる。
金銀泥
金銀泥(きんぎんでい)とは、金箔や銀箔を細かく砕いて、蒔絵や襖絵、書、和歌巻、絵画など様々な作品に装飾するために使う粉(砂子)です。
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ついでにわかった気でいた唐衣、裳についても調べる。
唐衣(からぎぬ)は、女房装束(十二単)の一番上に着用する、腰までの長さの短い上衣である。左右の襟が体の前で向きあう対襟形式で、襟は羽織のように外に折り返し、下に着る袿類よりやや短い袖がつく。基本的には裳と一緒に着用する。
【裳】
腰のベルトとなる二本の小腰、袴の腰板のような大腰、後ろに引きずる紐のような二本の引腰とプリーツスカートのような裳の本体で構成される。
現在の着用法では唐衣を羽織ってから最後に腰に結ぶ。大腰を唐衣に当てるようにして固定し、小腰を前に回して形よく結ぶ。単、袿、打衣、表衣を固定するベルトとしての役割がある。
平安時代は裳を着用してから唐衣を羽織っていたらしい。
まひろのお部屋にやってきた。
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越前武生の『しきぶきぶん』ではまひろパパの為時のお部屋でしたが、ここ石山寺ではまひろのお部屋。
〝人の親の 心は闇にあらねども
子を思ふ道に まどひぬるかな〟
藤原兼輔
これはまひろが書写した後撰和歌集にあるまひろの曽祖父、藤原兼輔の歌。
「子を持つ親の心は闇というわけではないが、子供のことになると道に迷ったようにうろたえるものである」とある。
この歌けっこう劇中ででてくるので印象深い。賢子がまひろの書いた創作物を燃やす回とか、その他の回でもこの曽祖父兼輔の歌をまひろが引用しながら喋っているシーンがある。
『光る君へ』は全編通して〝親と子〟というテーマが垣間見える。
平安の親も令和の親も、親は親。今の私となんら変わらず、子育てに悩んでることがよくわかる。
思わず、色ボケ息子とおんぶションケツドラマー娘の顔が浮かぶ。
子供らよ…父はいま、仕事をサボって石山詣であります。夜には帰ります。
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『後撰和歌集』は、村上天皇の下命によって編纂された二番目の勅撰和歌集。950年代成立。体裁は『古今和歌集』に倣い、春(上・中・下)、夏、秋(上・中・下)、冬、恋(六巻)、雑(四巻)、離別(附 羇旅)、賀歌(附 哀傷)の20巻からなり、総歌数は1425首。離別歌と羇旅歌とを、賀歌と哀傷歌とを併せて収めた所が独特である。
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この石山詣のさわさんとまひろの写真がとってもいい。なにこれ大好き。お二人ともすんごくいい笑顔。後ろの乙丸らも竹水筒を片手に笑っていて、これまたとっても素敵。
ずっと眺めていられる一枚。
心地よい風が吹いてそう。そんな気持ちよさが伝わってきます。
いいなぁ、私も後ろで竹水筒をグビグビやりてぇ。
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このキレ、このコク!!アサヒィ、スパァデュラァイ!!
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懸帯
江戸時代の裳についている帯と、平安時代の社寺参拝などのとき女子が胸から背にかけて垂れ結んだ帯をいう。
(1)裳は平安時代になって形式的に衣の後ろにつけるようになり、そのひもも装飾化して引腰などというものもできたが、鎌倉時代以後,裳は平時には用いられなくなり、その着装法にも変化が起こった。
江戸時代に至って,この裳をつけるのに,唐衣と同じきれでこれにししゅうをしたり、あるいは糸の飾りをおいた帯を裳の後ろの腰につけて,これを肩越しに胸にかけてつるようになり、これを裳の懸帯といった。
これは古代の裙帯のなごりであるという説もあるが明らかでない。江戸後期の天保年間(1830-44)からこの懸帯の形式は廃止されて、小腰として腰にまわして前で結ぶこととなった。
(2)『枕草子』に〈帯うちかけて拝みまつる云々〉とあるように、平安時代社寺参りのとき、裳の懸帯とは別に胸から背にかけて後ろで結び垂れた帯も懸帯という。この起源も不明であるが、古代のたすきや領巾のたぐいで、一種の儀礼的服飾品として用いられたものであろう。色は多く赤が用いられた。
執筆者:日野西 資孝
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そして、
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↑↑これはイチャコラ寸前、ハッスルタイム待ったなしの石山詣にて。ここでも懸帯。
琵琶湖のうなぎをバキバキにキメた道長さま。上の写真を見てください。その目はもはやどこにも焦点があっていません。気も漫ろにまひろとおしゃべり。
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道長の頭の中はすでにこう。
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うなぎギンギン、うなぎパワーの道長様。
その眼にはもう、さぶろうはいない。
「デュフフ…まひろ、かけおびにはこのように使い方があるのだ…花山院直伝の閨戯ぞ……」
「へっ!?道長さま…道長さま!?これでは前が見えませぬ…そのようなお使い方は…道長さま、みち…みちながさまぁああ…しゅきぃぃいい!!!!!」
しゅきぃぃい…
しゅきぃぃい…
しゅきぃぃい…
しゅきぃぃい…
ワァハハハ、うなぎっっ、パワー!!!!!
うなぎっうなぎっっ、うなぎっパワー!!!!!
ウナギッウナギッ!
ウナギッパワッ、ウナギッパワー!!
ウナギッウナギッ、ウナッウナウナッ……
うなギッッッパワー!!!!!
パワァァ……
パワァァ…
パワァァ…
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緊急地震速報です。強い揺れにご注意ください。
【緊急地震速報】
997年2月14日未明、イシヤマを震源とした地震が発生しました。詳細は以下の通り。
《震源地》
大津市イシヤマデラ M(マグニチュード)7.0
震源の深さはマイナス50㎝
各地の震度は次の通り
震度6強 イシヤマデラ 逢坂の関
震度5 平安京全域 山科 不破の関 彦根
震度4 奈良 津 大原
震度3 敦賀 丹波
この地震による津波の心配はありません。
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道長役には令和の光源氏シャバーニが適任。
シャバーニには東山動物園で会えるよ。
ネネはシャバーニの奥さんだよ
おぬしらおぬしら……
俺が目隠しして岩抱きしめてた石山寺で…
おぬしらっ、
なに目隠しプレイで抱きしめ合ってんだよぉおおお!!!
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そして、こうなる。
「そなたの産む子はぜんぶわしの子じゃ!」
「その子を慈しんで育てれば、左大臣さまはますますわしを大事にしてくださろう。この子はわしに福を呼ぶ子やもしれぬ。持ちつ持たれつじゃ」
宣孝ぁぁああ!!!!!
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竹水筒。
容量どんだけなんだろう、250mlぐらいはあるのだろうか。これだけじゃすぐ飲み干してしまう…この量だと12本ぐらいほしい。『幽幻道士』に出てくるスイカ頭のダイナマイトみたいに腰にびっしりと巻かなきゃ。(これは通じるか!?)
↓↓こんな感じ↓↓
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もしくは『超獣戦隊ライブマン』でおなじみのドクター・アシュラこと毒島嵐のダイナマイトのように巻く!↓↓(誰も知らn…)
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壮絶な最後を遂げる…
↑↑こんだけあれば当分保ちます。
熱中症は怖いですから。石山詣もこれで安心ですね。
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
絹は世の東西を問わずに大人気。その価値は平安時代の経済社会でも金銀並みに安定した価値を持ち、粗悪な銭貨に代わって貨幣的にも使われたという。
説明書きをふむふむと読む。発色の良さ…室内の仄かな灯りで魅せる絹の発色か…なんだか妖艶。
平安の世なら私は何を着てるんだろう…
おそらく、通気性をはきちがえた、全裸よりの半裸に違いない。
和泉式部顔負けの、シースルを超えたシースルで化野界隈で走り回ったり、草食ったりして土食ったりしてそう。
さらに読む。律令の外に位置付けられた女性たちの働き方の象徴が十二単から垣間見えるとある。
実際、どの程度自由だったかはさておき、その絢爛たる十二単がどういう過程を経て生み出されたのかはこの説明を読むと、想像に難しくはない。
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平安時代の紙は貴重。これも言われてみればそうだ。この時代の最先端技術の一つ。欲しけりゃ作ればいいじゃんといって簡単に作れるものではない。
現代でも買うのは易いが、自分で作るは容易ではない。たかが紙、されど紙。トイレで無いときの絶望感は計りしれず。
葉っぱで拭いたことも、芯で拭いたことも、拭かずにパンツを履いて、隙をみて隣のトイレに光速で移動して拭こうとしたらそこにも紙が無くて泣いたことも、今ではいい思い出です。
そして我が家でもミスプリントのコピー用紙はメモ帳。紙という紙をことごとく使い倒す。カオスな落書きで見る者の精神をことごとく破壊する。
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牛の乳を直飲みする時に使う言葉
(直飲みモーモー直飲みモーモー)
※有吉の壁にてインポッシブルが披露したネタのやつ。
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隙を見てこっそりポッケに入れてきます。
自信満々に書いてありますが、チャドの首都はンジャナメではありません。ンジャメナですよ。
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呪死消殺!!
アイスのシールでは拭いきれない強烈な負のオーラに身の危険を感じます。
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『光る君へ』の題字を改めて鑑賞する。
オープニングで題字が出てくるあのシーンが頭によぎる。
題字が出てくる直前、静寂の中を絡まりながら転がり落ちるハープとピアノの旋律。
私の中では恋の淵へと落ちていくまひろと道長のイメージ。
そこから、ひときわ大きく鳴り響く荘厳な一撃とともに、情念を滲ませてはしる題字。
その傍、刺すような瞳でコチラを見てくるまひろ。
その痛点が麻痺してそうな表情、狂気すら感じるこのシーン。「深淵を覗く時、深淵もまた…」のような気分になる。
題字の表現とまひろの表情から感じる情念と狂気が、情感たっぷりな旋律と融合して、最後には私の心も絡め取っていく。
私はその言い知れぬ妖のようなオープニングがクセになっている。
ひとしきり展示物を見てから、4kシアターにて
第15回『おごれる者たち』のダイジェスト版を観終わると満足そうな顔をして大河ドラマ館を出る。
ふう、結構書いたなあ……。
つづく。