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ひとつの恋の終わり

お互いに”好き”という感情はあったものの
彼はわたしと同じく”好き”の感情が一種類しかない特別な人種。

友達としての好きも
異性としての好きも
家族としての好きも
ぜんぶ同じ種類の”好き”なのだ。

わたしに気に入られるために合わせてくれていた
可能性もゼロではないかな、と今になって思うが

その時は、やっと仲間を見つけたような、
理解者をみつけられたような、
なんともハッとさせられた瞬間だった。


学生の頃などみんなで恋バナで盛り上がっている時に
この好きの概念を話した時、誰にも共感されず、
むしろ冷ややかな目で見られてからは
誰にも話さないようにしていた。

だからこそ、彼に話していたじぶんにも、
共感してもらえたことにも
すごく感動したことを今も鮮明に覚えている。



出会ったのは2年前。
付き合ったのはつい最近。今年の夏だ。

それなのに、先日、お別れすることにした。

彼の多忙のあまり連絡は1〜2週間に一回になっても、
会えるのが月一でもなんら不満はなかった。


不満がなかったというと嘘になるけれど、
それを承知して付き合ったのは私なので、
それを今更になって”変わって欲しい”と
彼に押し付けるのも違うなと思って伝えずにいた。


連絡頻度も会う頻度も少なくても続いていたのは
きっと信頼関係があったから。

それが10月はじめに崩れたのだ。




数ヶ月前に私が入院・手術することになり一番初めに伝えて、
心配してくれお見舞いに行くと言ってくれた。

その”約束”が守られなかったのだ。


わたしにとっては重要なことだった。

入院日もお見舞いに行くという約束も忘れられ、
退院の朝に連絡が一通あったっきり、
その後も二週間ほど連絡がとれなかったのだ。


すごく、すごく、悲しかった。
大切にされてないのだと、気がついて
ひどく落ち込んだ。

いや、この2年間ずっと苦しかった。
けど、一緒にいたいから自分の感情に気がつかないふりをしたり、
我慢したりしてここまできたのだ。


最後はあっけなかった

私「別れよう!今までありがとう
入院手術の日も、お見舞いに来る約束も忘れてて
連絡もとれなくて、大切に思われてないって気がついちゃった」

彼「そう思わせちゃってごめんね。ありがとう」
その一言だけ。

否定しない。改善策も提案しない。
もし今、別れない選択をしたとしても、現状は変わらず
また同じようなことがあった時に傷つくのは自分だ。


もうきっと耐えられない。だから別れることにした。

好きだけど、別れる苦しさを選んだ。



今は悲しくて苦しくて、
でも清々しいようなそんな気持ちでいる。

しばらくは続くその痛みに耐えながら、
生きていくのかと思うと頭痛がする。
それでもお腹は空くし眠くなる。


ゆっくり進んでいこう。


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