【曲目解説】ギロック ピアノピース・コレクション1から 6.インディアンの太鼓
邦題では「インディアンの太鼓」と記されていますが、原題は「Tom Toms」であり、このトムトムとは打楽器(太鼓)のことを指します。
全体的に左手の完全5度和音が印象的な曲です。これを空虚5度と言いますが、明るいとも暗いともとれず、音響的にも耳に残りやすい仕組みになっています。
右手のなんとも言えない旋律と、この乾燥したような5度(時々短6度にもなる)が伴奏型に終始盛り込まれている点から、「インディアンの太鼓」と邦訳されたのかもしれませんね。
左手は、特徴的な完全5度和音と短6度和音のそれぞれの音が抜けないよう、きちんと演奏しなければなりません。また、全体的に強弱がハッキリと書かれているためその点も注意が必要です。
右手は装飾音符がカチッと決まるとかっこいいですね。また、随所にアクセントやスタッカートも盛り込まれているので、よく頭で理解して、指先で正確に表現できるよう練習しましょう。
ラストの小節、最後のソの音は楽譜上では左手で奏するよう指示されていますが、ペダルが届かない場合などは右手で取るのもひとつの方法だと思います。その際、左手は右手につられることなく、鍵盤から離さないようにしましょう。
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