人生の半分以上すきだったのにヲタ卒した話

コロナ渦の中でタイトルの通り、ヲタ卒しました。

もちろん推しには言えないし、ヲタク仲間にも言えないけれどどこかに吐き出したかったので供養の気持ちでここに書いています。完全に独り言です。

とっても狭い界隈なのでフェイクが入りますが御容赦ください。

1.だいすきだった推し

私はとある田舎で生まれ育ちました。芸能人なんて見たことがなくて、全国コンサートで自分の住んでいる県に来たとしても車で片道2時間はかかるし行くお金もないから行けないくらいの田舎者です。毎日学校に行って、授業を受けて、好きでもない部活をダラダラやって夜遅く帰る。そんな毎日を過ごしていました。

そんな私は某動画サイトをきっかけにとあるアイドルのことがだいすきになりました。とにかく顔が綺麗で楽しそうに歌って踊って、MCはちょっと滑ってるけどそこもだいすきでした。

といってもその時のヲタ活はCDとDVDを買う、東京でしかやってないテレビを某動画サイトで見る(本当はダメ)、くらいでした。それでも繰り返し同じDVDを見て、ひたすら振りを覚えていることが楽しかったです。お気に入りのコンサートは途中で再生出来なくなって2枚目を購入しました。辛いことがあると画面の中の推しに会いにいきました。元気を貰えて、生きていく力をくれました。私の支えでした。

大学生になって、家庭の事情で多くは行けなかったけど少しだけ現場に通うようになりました。全部は行けないので1回の遠征で参加できる時間が長いコンサートメインで参戦していました。初めてコンサートに参加した時の映像は今もハッキリ覚えています。「本当に存在するんだ…」と思ったら何故か涙が止まらなくなって、1人で号泣していました。また、グッズの売上は歩合制でメンバーに入るらしい、との噂を聞いてからは参戦したイベントのグッズは全部買いました。

社会人になって自由になってからは東京でしか開催されないのに現場はほぼ行きました。コンサート、リリイベ、1時間のトークイベ。行けないイベレポが回ってくるのが悔しくて今思うと意地になっていたと思います。そしてこの頃から、イベントが円盤化も配信もされなくなりました。つまり、見たければ現場に行くしかないのです。そして私はイベントに通い、グッズを買い、年間100万円くらい使うようになりました。交通費宿泊費も含めるともっとです。

それでも私はとっても幸せでした。だいすきな推しに会うために節約をし、毎日お弁当を作り会社に行き、進んで周りの仕事を手伝い残業をしました。イベントの前にはダイエットをし、美容院に行き、新しい服を買いました。

アイドルの中にはおまいつには対応を変える方もいます。握手会でヲタクの名前を呼んだり、前回の会話の続きをしたりします。それがヲタク側の承認欲求を満たし、更に現場に行き、握手やチェキを積むようになるのです。私の推しは認知をしても特に対応を変えるタイプではありませんでした。名前なんて呼んだりしないし、てか私の名前絶対知らないし、ライブの最中に釣ることも、レスを送ることもしませんでした。良く言えばおまいつだろうがはじめましてだろうが皆平等です。

「いつも来てくれてますよね、ありがとうございます。」ある日の握手会で突然言われました。一瞬理解出来なくて、「えっ?」と言ってる間に剥がされました。嬉しかった。推しの中に私がいる、こんな幸せがあるのかと思った。

2.オタ卒した理由

一言で言うと現場に行けなくなったから。

前述の通り推しのイベントは東京で開催されました。そして私は田舎者。「東京に行ってコロナにかかった」となってしまえばこの町で生きていくことは難しいでしょう。信じられないと思いますが、「○○に住んでいる○○会社の○○さんがかかった」という噂が流れてきます。

行けなくなって辛かったけど、いつかきっと行けると信じてグッズは通販で全部買いました。流れてくるイベントレポを見ては頭の中でイベントを再現します。そんなことをしている間に時間だけが過ぎました。

とあるイベントが発表されました。来場者特典有。参加するとグッズが貰えます。

ヲタクの推しへの愛がグッズやチェキでお金を積んでいる順番で大きいとは思いません。それでもヲタクが推しに使うお金は愛です。

私はグッズを全部買うことで自分の承認欲求を満たしていました。イベントにはいけないけど、お金を払うことでヲタクをしている気分を味わっていたのです。でも、それすらも出来なくなったのです。グッズ欲しいからイベントに参加するか~というヲタクが今のご時世でいるのでしょうか。別に去年にやっていて、私が仕事の都合で行けなかったのならこんなこと思わなかった。なんで、よりによって、今なんだ。この頃からイベントの告知を見るのがつらくなりました。どうせ行けないのに。どんどん届くグッズを見て、会いたい気持ちだけがどんどん積もっていく。直筆の「会いに来てくれてありがとう」「素敵な時間を過ごしましょう」「また会いましょう」そんな言葉が並ぶグッズを見続けた。私は会ってなんかいないのに。

イベントに行けるようになったとしても、その時の感情を共有することは私には一生できないということに気がついてしまいました。せめて配信してくれたら。ずっと入っていたファンクラブも期限が切れていました。でも加入しなおそうとは思わなかった。

ある日のイベントレポで「(推し)さんは来れなかった人にも感謝の言葉を言ってたよ」とありました。嬉しかった。行けないヲタクのこともどこか頭の片隅にあったと思った。でも、その日のSNSにはそんなこと書いてなかった。「来てくれてありがとうございます。また皆さんに会えるのを楽しみにしています。」ヲタクは親切でレポを書いてくれたのは分かる。でも、推しのあなたが言ってくれないと意味ないのに。円盤化も配信もされないんだからあなたの言葉を聞くことも、動くあなたを見ることすら私には出来ないのだから。

そんな時、違うメンバーのイベントの後のSNSを見てしまいました。

「来てくれてありがとうございました。皆さんに会えて嬉しかったです。コロナで来たくても来れなかった方もいると思います。それでも私に会いたいと思ってくれてありがとうございます。落ち着いたら必ず会いましょう」

この言葉を見て、心が折れました。

分かっていたことだけど、イベントに参加する人がいなくなってしまえば経営が成り立たなくなるから仕方のないことだけど。嘘でもいいから一言書いてほしいと思ってしまったのです。

ヲタクごときが推しになにかして欲しい、なんて要求してはいけないと思っていました。でもいつからか私は推しに求めてしまっていたのです。そんな面倒臭いヲタクになんてなりたくなかった。

3.推しへの想い

私は推しに感謝しています。知らなかった世界を教えてくれて、普通に生きていたら出会わなかった人と沢山の思い出を作らせてくれました。出会わなければ私は未だに1人で東京の町を歩くことなんて出来なかったでしょう。

ヲタ卒したといっても、思い出はずっとずっと宝物です。

ただ、知って欲しかったんです。私があなたをどのくらい大好きなのか。おこがましいけれど、知って欲しかった。あなたの人生には私なんて要らないけど、私の人生にはあなたが支えだった。

4.これから

こんなに大袈裟に書いているけれど、私はヲタ卒できるのか分かりません。

ヲタ卒すると決めて以降に変わったことはとりあえずSNSは見ないようにしてるくらい。だってイベントにはもうずっと行けてないし。

働いてお金を得るようになってからの趣味は全て推しでした。今はどのようにお金を使ったらいいのか分かりません。節約する必要が無くなって、自炊が減り、コンビニで済ませることが多くなりました。推しに会わないのでダイエットも辞めました。太りました。全てのやる気が無くなって部屋は荒れています。

私はいつかヲタ卒した事を後悔するのでしょうか。それとも良かったと笑うのでしょうか。今はヲタクをしていることがしんどくなりました。

あなたのことがだいすきだった16年、本当に幸せでした。ありがとう。純粋に応援出来なくてごめんなさい。幸せに生きてください。



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