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ぽんの夢日記2024/08/16/06:36 絵

私は絵が下手だった。

だが、クラスの皆からは、絵が上手いと勘違いされていた。

だから、絵が上手いと勘違いされるよう、あの手この手で誤魔化してきた。


しかし、最後の卒業式の日、私のそのプライドを守る努力は限界を迎えた。

皆の前で、黒板に絵を描くことになったのだ。

これまでは、人が見ていないところで絵を描いてきたので、お手本の模写で誤魔化せた。

でも、何も見ずに、人前で描くのは、私には無理だ。


私は諦めて、ピカソのような、無茶苦茶な絵を黒板に描いた。

保育園児が描いたような、謎の怪物が出来上がった。


終わった。

これまで守り抜いてきたものが消えた。


だが、

何故かこの絵は皆に好評だった。

現実にあるものをそのまま上手に描く事だけが、絵の上手さではないと、皆が思ったからだ。


私の絵の道は、終わったのではなく、ここから始まったのだ。

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ぽん
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