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ジムニー泥沼物語 その17 ファンネル編
ジムニーは悪路走破を最大のセールスポイントとしている。悪路の中には極端にホコリっぽかったり、エンジンルームに水をかぶることもある。エンジンはガソリンを燃やすために、常に新鮮な空気を吸い込んでいる。この空気と一緒にホコリや水を吸い込んでしまえばトラブルになる。そのためにあるフィルターがエアクリーナーであり、エアクリーナーが収納されているのがエアクリーナーボックスである。
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エアクリーナーボックスから左手前に伸びているのが吸気用のホースだが経年劣化でボロボロになっている。本来ならホコリや跳ねた水を吸わないように、右側ライトの裏まで伸びている。あまりにボロく、冠水路を走るつもりもないので、ホースは除去してしまった。そうすると、吸気口はただの筒である。
レーシングエンジンはレース距離を走り切れば良く、走行毎のオーバーホール前提なので吸気抵抗となるフィルターを付けない場合も多い。このようなエンジンでは吸気口にトランペットのような吸い口「ファンネル」が付けられている。日常生活で感じることはないが、空気には粘性があり粘るように流れる。空気の吸い口の形状をトランペット状にすることで、周りからより多くの空気を寄せ集めて吸い込むことができるのだ。
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3Dプリンターでファンネルを作成し、取り付けてみた。造形が粗いのはamazonで購入した50,000円の安物ということもあるが、この試作品に必要なのは形状であって見た目ではないので必要十分である。
結果は想像以上に良かった。多分、馬力やトルクの向上は誤差範囲であろうが、エンジンの回転がスムーズになり、自然に高回転まで伸びるようになった。錆びたベアリングに注油したような感覚だろうか。
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実用版はよくあるトランペット形状とした。マッシュルームのような試作品との差は感じられなかった。このような力の掛からない小型のモノであれば、簡単に作成できる3Dプリンターは非常に便利である。