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ジムニー泥沼物語 その13 アーシング編
クルマにはバッテリーがある。まず、セルモーターを回してエンジンを掛ける。オーディオから音楽🎵が流れる。窓を開けて空気の入れ替えをする。雨が降り出せばワイパーを動かし、暗くなればライトを点ける。これらはエンジンの発電機で発電され、バッテリーに貯められた電気で賄われる。
小学校の理科の授業を思い出してほしい。乾電池があって、豆電球の配線を➕と➖に接続すると点灯した。クルマもやっている事は同じである。ただ、クルマは金属でできている部分が多い。最近のクルマは樹脂部品も増えたが、ボディやエンジンなどの主要部品は金属である。そこで、、、
例えば、クルマの後ろにはウインカー×2、テールランプ×2、ブレーキランプ×2、バックランプ×2、ナンバー灯、がある。それぞれに➕と➖の配線をしたら18本の配線が必要となる。そこで自動車メーカーは、金属でできているボディを➖の配線として利用することにしたのである。こうすることで、配線は18本から➕だけの9本にすることができる(実際はもっと整理できる)。バッテリーの➖極をボディに接続しておけば、➕の配線だけでクルマじゅうの電装品までの回路を作ることができるのである。この場合➖をアースという。
前置きが長くなったが、古いクルマは ➖を伝えるはずのボルトなどの接合部分がサビで導通(電気の流れ)が悪くなっていたり、そもそもの配線が細かったりする。エンジンは常に振動している。そのためにボディへの接合はゴムのマウントで振動を伝えないようにしている。よってエンジンへはジャンプケーブルで➖を伝えているが、これも同様に細かったりサビが発生していたりする。この「アーシングケーブル」という商品は配線を追加して、ボディや元々の配線では流しきれなかった電流を流してやろうというものである。正直、こんなに太いケーブルは不要であるが「安くて体感できるお手軽チューンナップ」として人気があり見た目が効きそうなキットが安く手に入る。
まずはバッテリーの➖端子に配線を繋ぐためのターミナルをバッテリー端子に共締めする。
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怪しい金色とも黄色ともつかない色である。お高いキットであれば金メッキされた端子なのだが、どう見てもクロム系のメッキにクリア・イエローを塗ったようである。
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しかも共締めしたくても形状が悪く、そのままでは締められない。
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加工して取り付けた。サンダーで削ったが、あまりにも簡単に削れて不安になる。
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青い太いケーブルが追加されたアーシングケーブルである。バッテリーの➖端子から接続したのは
・バルクヘッド(エンジンルームと居室の仕切り)
メーター周りや車体後半のアースに効く
・エンジンヘッド
プラグの➖に近いので点火が良くなる
・オルタネーター(発電機)
発電効率が上がる
・ヘッドライト
ライトが明るくなる
これら効能は理論基準であり、必ずしも効果があるわけではない。今回のキット取り付けで、
・アイドリングが落ち着いた
・エンジンブレーキ時のエンジンのバラつきがかなり解消された
・充電電圧が安定している
という、効能があった。ライトはLEDにしてあるので、顕著な違いは感じられなかった。しかしエンジンブレーキ時のバラつきは振動を伴うので、これはありがたくコスト分は回収できたと感じる。
なお、写真を見返して気付いたのだが、金メッキは導通が良く酸化しない。しかしペンキは導通が無い。怪しい金色のペンキを剥がしたら導通が良くなり、効果が上がるのではないか? 近日中に確認する予定である。
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端子をサンドペーパーで磨いてみた。意外にも強固な塗膜で、ちょっと擦ったくらいでは取れない。いや、むしろ弱い塗膜なら締め付けで破壊されて導通するはずで、そうなることを予想していたのだが、これは逆方向のオーバークオリティである。
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さすがに擦りきれず、ベルトサンダーで塗膜を削り取った。
その結果
・始動性が良くなった
2秒クランク→2秒待ち→2秒クランク→始動 が
1秒クランク→始動 になった
・アイドリング回転数が上がり滑らかになった
タコメーターが無いので、正確な数値は不明
・エンジンブレーキ時のエンジンのバラつきがさらに解消された
ほとんど出なくなった
・充電電圧が高くなった
14.1V → 14.3V
・ヘッドライト
ライトが明るくなった
やはり、そのまま取り付けただけでは、機能の20%(体感)しか発揮していなかったのである。週末に出掛ける予定があるので、端子の打ち替えまでは間に合わなかったが、せっかくの製品なので100%の能力を発揮できるようにしたい。