映画「HOMESTAY」に寄せて
あるスポーツをやっていたころ、夢があった。
その夢に向かってひたすら毎日練習して全てを失っても頑張る日々は、今思い返してもいろんな色に彩られた毎日だったと思う。
ただ、夢は叶わなかった。
夢が叶わなかったとわかった時、私の目の前は真っ暗になった。黒というより、虚無の白。
神様は残酷だと思った。
誰よりも頑張ってきた自信があったのに、目の前でするりとその夢はこぼれ落ちていった。
夢を叶えることができず、引退を迎え、今は社会人として働いている。
そんな日々は、どちらかと言えば何色にも彩られていないと思う。
仕事をしていれば叶わなかった夢が叶うわけでもないし、そもそも私の全てだったスポーツでの夢が叶わず引退を選んだ時点でカラフルな日々は帰ってこないとさえ思ってしまう。
そのぐらい彩られて眩い輝きを放った昔を時にたまに思い出しては苦しくなるときもある。
長尾謙杜(なにわ男子)主演「HOMESTAY」を見た。
劇中に「人生は長めのホームステイ」という言葉があった。
私にはとてもその言葉が刺さった。
夢を叶えることができる私にホームステイできたのかもしれないけど、私がホームステイした先は夢を叶えることができない私だった。
あ、ホームステイ先を間違えたのかなと思った。
でも、ホームステイ先を間違えたってとても愛おしい考え方じゃない?
一方でこうも思った。
ホームステイ先が違っていたら、きっと今出会えてる人とも出会えてないし、大切な人ともお別れしてる人生かもしれない。それは嫌だなと。
当たり前に過ごしているこの日々が、この私じゃなきゃ生きれないものだと思うと、ホームステイ先はここでもよかったのかもしれないと。
そして、多分ホームステイ先がここじゃないと大好きななにわ男子に出会えなかっただろうなと。
そう思うと、結構この人生悪いホームステイ先じゃないのかなと感じる。
過去のことにしがみついて、今の彩りに気付けていなかったのは私なのかもしれない。結構私の人生にも彩りがあって、カラフルで、とっても愛おしいものだと思わされた。
これから、嬉しいこと楽しいことだけじゃなく、苦しいこと辛いこと悲しいことももちろんたくさんあると思う。
でもその度にこのマインドでいようと思う。
"人生は所詮長めのホームステイ"
人生が愛おしいことにそっと気付かせてくれる映画HOMESTAY、おすすめです。
人生ちょっとなと思った時にまた見ます。
でもね、もう分かるんだ。
結構私の人生カラフル。
気づかせてくれてありがとう。