【アメリカ移住実録#29】ミッションインポッシブルを遂行したある部屋の出来事。そしてDS-260
第一回はこちらから↓↓
2023年6月
家族構成
ポム: 東京のサラリーマン、41歳
ポム妻: しっかり者、41歳
長女 ポム子: のんびり、11歳 小五
次女 ポム美: おませさん、9歳 小三
グリーンカードが抽選であたるプログラム(ロッタリー)に当選したポムです。
よし、これで来年にはアメリカ行けそうやな。
私が当選したプログラムは、は通称DV2024と言います。これに当選した人は、2023年10月から2024年9月の間に順番にグリーンカードがもらえます。
DV2024では、日本の当選者はちょうど200人で、世界全体での当選確率は0.64%だったようです。
はい。
その当選者の一人が何を隠そうポムです。
ラッキーです。
2023年10月から2024年9月の一年間にどんな順番でグリーンカードが与えられるのかというと、「ケースナンバー」というのがあって、DV2024の当選者一人一人にケースナンバーが割り振ってあります。
で、そのケースナンバーの順番通りにアメリカ大使館から連絡があり、面接を受けてから晴れてグリーンカードが授与されます。
なので、ケースナンバーが大きい人ほど面接は後の方になります。
私のケースナンバーはというと、
はい、30,000番台ですね。
結構大きい番号なので、面接はまだだいぶ先でしょう。
面接の前にまずやらないと行けない事があります。
それが、DS-260フォームの提出。
DS-260は、外国人登録のようなもののようで、とにかくこれが提出されていないとプロセスは全くすすみません。
面接の順番はもうケースナンバーで決まっているのですが、まあ「DS-260は可能な限り早く出した方がいいでしょう」と言っている自称アドバイザーの方が多いので私もすぐに対応するようにしました。
(なお、DS-260の書き方とかは、他の人がいっぱい説明してくれてるので、私は特に説明しません。ちなみに私はエージェント等は使っていませんが、面倒なだけでそれほど難しい書類じゃ無いと思います。)
さてさてDS-260の記入項目はというと、
名前、国籍、パスポート番号、生まれた場所、、、、、
仕事の遍歴、学歴、犯罪歴があるかどうか、アメリカで何をするのか、、、
まあこの辺は普通ですね。
ちょっとやっかいなのが、16歳以降に住んだ場所を期間を含めて全部書かないといけないことです。
やっかいです。
たしかに私の人生のほとんどはM市を含む同県内にて完結しています。
ただ、実際のところ大学では独り暮らしをしたり、またB国(英語圏では無い)に留学したりもしました。また前職場では、年単位で中国へ派遣されたりもしました。
なので、結構引っ越しています。
そう、今回DS-260を作る為に数えてみると、私は16歳以降の人生で12回も引っ越ししていたのです!!
つまり今の家は13個目の家です。18歳の時に実家を出てから計算すると平均2年に一回のペースで引っ越してますね。
なんてことだ。
住所遍歴=私の人生のドタバタさを見ているようです。
まあドタバタ人生を送ることが出来たのも、M市という絶対的な地元があったからでしょう。つまり地元は偉大です。
しかしもって、過去12カ所の住所確認は本当に大変でした。。。。
ある大学時代住んだアパートは、もう建物自体がなくなっており住所がわからず。Google Mapで調べても、その住所周辺一帯が再開発されているため、もうどこだったか思い出せない。。。。
(ただこれは、偶然持っていた当時のメモがあり、何とか確認できました。ふう。。。)
DS-260の記入って何だか自分の人生を振り返っているようでした。
12カ所の住所にはそれぞれ思い出があり懐かしく思っていました。
結構な数引っ越しましたが、それぞれの引っ越しにはいろいろと人生の節目が詰まっているものです。
そして、B国に留学していたときに住んでいた部屋の出来事を思い出しました。引っ越しにはいろいろ理由があるって話です。
ーーーーある部屋の思い出ーーーー
B国に留学していたまだ20代だった私は、当初大学に隣接する外国人専用の学生寮のような部屋に住んでいました。
寮といっても鍵がついた部屋が一人一部屋与えられ、部屋内にシャワーもあり、アパートの個室ような部屋でした。
当初その部屋はよかったのですが、某国の留学生が毎夜酒を飲んで騒ぐようになり、だんだんと快適とは言いがたい状況になってきていました。
そしてある夜、事件が起きます。
その日も某国の留学生の酒盛りが始まりました。
時間は深夜三時。
うるさいなあと思いながらも、私は自分の部屋のベッドで寝ていました。
その時です。
ガチャ。
???
なんと、酔っ払った留学生の一人が部屋に入ってきたのです。
私は、寝る前に確実に部屋の鍵を閉めていました。
なぜ???
しかも入ってきたのは、ちょっと危ない思想をもっていると言われている留学生でした。(どんな思想かはここでは書けません。ご想像にお任せします)
私は一瞬にして事のやばさに気づきました。
彼の右手には一階の警備のおじさんが持っているはずのマスターキーが握られいました。左手には酒瓶。酔っ払っているからか目はギンギン。
そう、彼はマスターキーを盗み出し(強奪?)、それを使って私の部屋に入ってきたのです。
危険思想のやつが、マスターキーを盗み出して酔っ払って部屋に乱入してきたことを想像してみてください。
やばいです。
左手の酒瓶で殴られるかもしれません。
彼の目的は不明ですが、いきり立って彼のお国の言葉でワーワー言っています。
まず、私は彼を刺激しないようにしました。
夜中の三時ですので、もちろん本当はすぐに出て行ってもらいたかったのですが、無理矢理追い出しても、マスターキーは彼の手の中にあります。無理矢理追い出すと、どうせまた入ってきますし、激高されて攻撃されても嫌です。
彼には穏便に自ら出てってもらわないといけないのです。
夜の三時に突然のミッションインポッシブルが始まりました。
『ミッション=
マスターキーを盗み出し、酔っ払って部屋に入ってきたアブねー野郎を部屋から追い出す。しかも無理矢理追い出すのでは無く、穏便に追い出す。あと、怪我をしない。』
ミッションを遂行するために、
私は最初に、
部屋の鍵を内側から締めました。
自分で言うのもなんですが、これはかなりのファインプレーでした。
侵入者は目はギンギンで大声で叫んでいますが、よく見ると、それほど良い体格ではなく、しかも酔っています。私は、最悪とっくみあいになってもおそらく勝てるだろうと踏みました。
それよりも、外にいる他の大量の酔っ払いが部屋になだれ込んでくる方が危ないです。なのであえてマンツーマンになることを選びました。
最初は母国の言葉でワーワー言いながら部屋に入ってきた彼でしたが、鍵を閉められ私と二人きりになると、彼は明らかに少し動揺しました。もしかしたら他の仲間が一緒に入ってくると思っていたのかもしれません。
彼は少し意気消沈しながらも、まだ酒の勢いで何事か言っています。
どうやら彼は、「持ってきた酒を一緒に飲め!コラ!!XX!!(言ってはいけない言葉)」と言っているようでした。
お酒が嫌いではない私でも、夜の三時に突然の珍客と飲むほど酔狂ではありません。しかも何をしてくるかわからない相手です。
そこで私は、彼が何を言っているのかわからないふりをして(実際にあまりわかりませんでしたが)、持っている酒瓶はプレゼントだと言っていることにして、「プレゼント?ありがとう!!(ニコニコ)」と言って無理矢理酒瓶をとりあげました。
唯一の凶器であった酒瓶を取り上げると、そこからは、ずっと私のターンでした。
彼を客人用の椅子に座らせ、冷蔵庫から冷たいお茶を出しました。
彼は、なすすべなくそのお茶を飲み、少し冷静になったようでした。
あんなに勢いに乗って部屋に入ってきた彼も、仲間から離され一人になり、酒瓶を取り上げられ、冷たいお茶で落ち着かされるという三連コンボにより、もう明らかに帰りたそうでした。
私は仕上げに、B国の言葉で「体に気をつけて、おやすみ」と言いました。
そうすると彼は「おやすみ」と言いながら、ずごずこと自ら部屋を出ていきました。
はい。結果は圧勝でしたね。
いざとなれば意外と冷静に行動出来るもんですね。自分でも不思議でした。
しかし、マスターキーを盗み出して侵入してくるような輩がいる寮には、さすがにこのまま住み続けることはできません。
結果的には何事も無かったのですが、一歩間違ったら結構危ないことが起きていてもおかしくない事件でした。
私は、友達の伝手を使って転居先を探し、次の日にはそこを退去することを決めました。
ーーーーーある部屋の思い出(終わり)ーーーーー
そう引越しにはいろいろ理由があるって話。
最後にちょっと怖いことをいいます。
B国で住んでいた寮は男女兼用でした。そして彼が盗み出したマスターキーには全ての部屋の鍵がついていました。。。。
。。。ある意味、部屋に入られたのが私でよかったかもしれません。。。。。
普通の地方出身一家、ポム家は本当にアメリカに移住できるのか?????
是非応援よろしくお願いします。
第三十回へ続く (この話は実録ですが、身バレ防止等の観点から若干のフェイクが入っています)
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