見出し画像

いのちの責任を考える

今日は愛犬の通院日。
幼い頃からヒト以外の生き物と暮らす生活の長い私。
今はダックスフンド10歳とデグー9ヶ月の2匹と同居中。
(ダックスはLDK、デグーは私の自室で飼育中)

ダックスフンドは夫の実家で飼われていた子を我が家が引き取った。

飼育崩壊・捨て犬捨て猫・保健所に連れていかれる子たち……生き物に関する様々なニュースや情報がどこか遠い世界のできごとに感じていた自分。
同じようにきっとどこか遠い出来事に感じている人もいると思う。
これは私が体験した話。どう受け止めるかは人それぞれ。

我が家の愛犬
我が家の愛犬はミニチュアダックスフンドのオス10歳9ヶ月
血統書にはミニチュアダックスフンドと記載はあるが体重は9kgで骨格も大きいらしく、一般的なミニチュアダックスフンドよりもふたまわりほど大きい。
病院の先生にも肥満ではなく大きいと言われているからスタンダードダックスフンドに近い存在なのだろうと勝手に思っている。
こんな愛犬は、5歳の時に「一生病院に定期的に来てもらわないといけない」と言われて早5年。
そんな彼の記録。

我が家にくるまで
この子は夫の実家の廊下で狭いケージに入れられて、1日数時間も部屋に出してもらえず、散歩にも連れて行ってもらえず、飼い主の気まぐれで散歩に行っても疲れて歩かないとおしりを蹴られていたらしい。
信じられない。怒りしかない。身近にそんな人がいたなんて。
この子が2歳すぎの頃、夫が実家を出てから上のような状態になってストレスが原因で5歳なのにハゲ散らかしていたワンコ。耳垂れも凄くて悪臭を放っていた。
夫はペット不可のアパートに住んでいたから、週末にワンコの元を訪れてはお風呂に入れてあげたり遊んであげていたけれど、日々の劣悪な環境の影響は大きかった。

そして5歳になった頃、ワンコのいる実家に住んでいた夫の姉が結婚することに。もちろん犬は連れていかないと。
当時そんな人達を見て嫌悪感を抱いたことを今でも思い出せる。
当時夫と入籍前に同棲していたこともあり、夫の家族が愛犬をどうするのかという話をした時には2人で即答。

「うちが引っ越してうちが引き取る。」

愛犬との生活がはじまる
そんなこんなで今からかれこれ5年前、私たちの入籍と同時に義実家に引っ越して愛犬と生きることを決めた。
ひとまずこの子の飼育の主導権を早々に握り(笑)入籍数日後には病院へ。耳垂れは見るからに酷く早急に連れていかないといけないと夫と一緒に連れて行った。
病院の先生からは「鼓膜がなくなっている。もう少し遅ければ細菌が脳まで達していたかも。おそらく耳の自浄作用はなくなってしまっている。」と告げられた。
機能が失われた部分はあるかもしれないが、命が消える前に間に合ってよかったと思ったことはよく覚えている。

そこからは毎週の通院で耳を洗浄してもらい、自宅でも毎日点耳薬を入れて、ご飯にも苦くて不味い薬が入る日々。通院中の処置は暴れてしまうから動物看護師さんにおさえてもらう。それでも大きめダックスはしっぽで処置台に置いてある色んなものをとばして暴れる。もちろん家での点耳薬は嫌がって2人がかりじゃなきゃできないし、薬入りのご飯は食べない、だからといって薬だけであげることもほぼ不可能。
それでも半年以上毎週通院する中で「この方法が効果的だと学んだので試してみましょう」と色々な処置法を試してもらえて、ワンコをおさえてくれる看護師さんにもいつも優しく声をかけてもらいながら少しずつ回復していった。毎日の薬も嫌な記憶にならないように夫婦で試行錯誤した結果、数ヵ月後には薬の袋を触ったらいいことが起こるとテンションが上がるワンコが誕生した。これは今でも継続中。

通院間隔は1年以上かけて徐々に2週間に1回になり、更に治療を続けて月に1回ほどまで減らすことはできたけどここまでくるのに3年以上。
新婚生活で唯一夫婦の休みが重なる日曜日は毎回愛犬の通院という生活を送ったのも懐かしい。

とにかく愛しいワンコが元気になって、病院の先生にも「おそらく本来の性格だと思うけど、耳が良くなってきたら明るく人懐っこくなった」と言われるくらいまで回復できてよかった。

愛犬のその後
現在は最初の通院から5年が過ぎた。
今は夫婦で家を買って愛犬と引っ越したので愛犬はのびのび生きている。前の家では見せなかったような愛くるしい姿を見せてくれる幸せを毎日感じられる。
お世話になった病院への信頼は厚いので、引っ越して少し遠くなったけれど今も同じ病院で2ヶ月に1回程度耳掃除をしてもらっていて、これからも通院予定。
初めの診察で言われたように耳の自浄作用は戻らなかった。でも、私たちが通院させてあげれば生きていけるのであれば喜んでしよう。

もし夫の姉が結婚せずに家を出ていなかったら、もし私たち夫婦が犬と暮らすことを拒否されていたら、もしあと少し病院に行くのが遅かったら、もし同居解消の時に犬を連れていくことを禁止されていたら……
そんな怖いもしもを想像したら数年前のタイミングと自分達の判断に感謝しかない。

これもきっとどこか遠い世界の自分には関係ない話。
そんな風に感じることが悪いとは言わない。
私も実際にそんなことをする人は悪党のような見るからに悪い人なんだろうと思っていたから。
でも、実際はどこにでもいる人間がどこにでもあるような家でこんな状況を作り出していることを不思議とも思っていない世界があることを少しでも知ってもらえたら嬉しい。

そしてヒトも含めこれから生まれる新しい命たちが、新しい命をうけいけることに伴う大変さや想定外のできごとにも責任をもてる人達の元にたどり着けますように。


余談

そんなこんなで元々愛犬を育ててくれていた義父と義姉に関する最初エピソードがコレなので思い出が最悪すぎて今も仲良しとは言えません……私が勝手に相手を警戒して生きてます(笑)
義家族とのギクシャクはいつかまた別の記事で。
そして、我が家のワンコは5歳で出会った時には普段あまりケージから出してもらえないこともあってケージから出たら大暴走ボーイだったにもかかわらず、少しずつ関係性を作って1年もしないでお座りや待て、ハウス等色々と覚えてくれた良い子だった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
また気になる記事があった時にお会いしましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?