エリーザベトを追いかけて

昨日、動画フォルダを眺めていたらウィーンの街並みを撮った動画があったので、ついでにするすると当時の記憶を呼び戻してみた。

すると、真っ先に思い浮かんだのが皇帝フランツ・ヨーゼフ2世の妃エリーザベトである。彼女は王宮での縛りのある生活に辟易とし、放浪の旅をするも、旅路で刺殺される。当時、運命の恐ろしさとは縁遠かった僕にとって衝撃的な史実であった。

それから、エリーザベトに縁のある地を点々とし、彼女に肉薄しようと駆け回った。

大きなスケールから歴史を見れば、エリーザベトのこの運命は大したものではないし、高校の世界史ではほとんど扱われることはない。しかし、歴史には一人一人の人間が実在したという当たり前の事実がある。僕のウィーン訪問は、いかにこの事実を見過ごしてきたかを突きつけられる経験であった。

ウィーンには歴代のハプスブルク家の皇帝・妃の共同墓地がある。ここの出口付近には、フランツ・ヨーゼフ2世とエリーザベトのお墓があり、二つ仲睦まじそうに並んでいる。そこに添えられた真紅のバラの美しさは、生涯忘れることはないだろう。

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Hota
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