Webデザイナーのトレンドと需要【後編】
こんにちは、ほりです!
さて、前回は前編で、Webスクールを出た人がどうなっているのか?という話をしました。
今回は、じゃあどうすればいいか?という話とともに「今、本当に求められている人材のトレンド傾向」をより具体的に解説します。
これからデザイナーになろうとしてる方、駆け出しデザイナーさん、イマイチ売上の上げ方がわからないフリーランスさんに役に立つんじゃないかな。
1.【求められる人材/デザイン作業編】説明力のあるデザイナー
クライアントワークでは「デザインは良いのに、もったいない」と感じさせないことが大切です。
まず、分かりやすいよう「残念だなぁ」と思われるデザイナーさん例から。
「こちら(クライアント)のことを全く調べないでキレイにしただけのデザインを作ってくる人」
「デザインを無言で提出する人」
この2つはリンクしていることも多いかもしれません。
ここでなぜこれがダメなのか、クライアント目線でお話します。
以下、2人のデザイナーを比較しましょう。
●A.【NG】"確認お願いします"とだけ言い、提出するデザイナー
●B.【OK】"こう調べ、こう思って、こういうデザインになった"と提出するデザイナー
A.【NG】"確認お願いします"とだけ言い、提出するデザイナー
クライアントからすると、不信感が先に生まれてしまいます。
・「この人、本当にうちのこと理解して、考えてくれたの?」
・「一瞬で軽く作ったんだろうな」
・「ずいぶん作業が早いけど、パクったんじゃないだろうな?」
B.【OK】"こう調べ、こう思って、こういうデザインになった"と提出するデザイナー
まずこういう人にはリスペクト&感動が生まれます。
・「こんなに自分たちの事を考えてくれたんだ!時間かかっただろうな、大変だったろうに」
・「ここにこんな意味が…なるほど~」
・「他の競合まで調べてくれて、うちの社員以上にうちを愛してくれてありがとう…!」
●「説明のはなぜ大事?」の答え
「このデザインはこう御社にとって良いのです」と説明することがなぜ大事か?
デザインには正解がなく、良い悪いを判断するのは「人の気持ち」だから。(Web等で数字がどうなるかなどは、これから結果を判断することになるけど、まず第一関門として。)
説明がないと、せっかく作った良いデザインが良いデザインになれません。
相手の立場に立って、相手の言葉で伝えることができると、私たちのデザインがきちんと意味があることが分かってもらえます。
●デザインのプロセスを言語化すると、こうなる
デザインって、一つを作るのにすごく労力を使います。
これは当校のデザイン課題制作で行う一連のプロセスです。
クライアント含む、デザインを学んだことがない方なんかは「素材選定・制作」の部分だけをデザインと思っているかもしれませんね。
でも、実際にはこれだけ考えて作られています。
経験があれば、例えばLP制作は1時間くらいで、できてしまうこともあります。
でも全てを含めると、やっぱりどう見積もっても半日なんかでは終わらない作業です。
●ピカソの100万ドルの落書きの話
ある日ピカソは、道端で知らない人に絵を描いてくれ、と言われました。
ピカソは30秒で絵を描き「この絵の価格は、100万ドルです」と言いました。
「ええ!?この絵を描くのにたったの『30秒』しかかかっていないのに?」と言われ、ピカソは「30年と30秒ですよ」と返した、という話があります。
でもこれって、言われないと分からないですよね!デザイナーも同じなんです。
2.【求められる人材/スキル編】トレンドに乗ったツールが使えるデザイナー
Webサイトを一から作るという仕事は、以前よりちょっと減ってきています。
(もちろん、まだまだオリジナルサイトを1から作ることもありますし、地方ならまだ需要はあるし、小規模な制作会社であれば受託数は数年間はまだ変化しないでしょう)
絶対数と傾向の話です〜。
ITにおけるトレンドや、状況、求められるスキルの需要は日々変わっていきます。
●【イチからサイトを作る代わりに、どんな仕事が増えているのか?】
最近増えた仕事
・ノーコードツール(wix等)
・Web運用(Wordpressテンプレート編集などの知識でできる軽いもの)
・SNS運用デザイン(Instagramなど)
・広報PRのコンテンツ制作(デザインの中身の部分・ライティング等)
特に注目すべきは「ノーコードツール(Wix等)」「SNS運用デザイン」かなと。
スモールビジネス社員or経営者がwebサイトを立ち上げるとき、Wix・STUDIO等のノーコードツールなら、専門知識なく新規制作できる&ちょくちょく修正できるようになりました。
都心部で今Webサイトをもっていない会社なんてあまりないので、依頼があっても、ここ数年はリニューアル等が多いなという印象があります(商品LP需要はまだまだあるけど)
また、例えばサイトがなくても、大手のサイトに載せる等でいいという所も多いのでサイトは必要ないという業種もあります。
そういうサイトが必要ないところや、ShopifyやLPに飛ばす場合はSNS運用の小さい依頼(でも定期的に受託でき、安定収入になる)もあります。
3.【求められる人材/定番編】やっぱり、提案できるデザイナー
スモールビジネスが90%を超える日本では、一人社長の経営者が自身でWebサイトを運用することも多くあります。
そのようなとき、デザインにプラスして「何の情報を載せるか?」のコンテンツ提案がすごく重要になってくる。
これは広報的なデザインと、すごく親和性が高いなと思います。(中身と見せ方はリンクするべきなので、当たり前っちゃ当たり前なのですが)
デザインやコーディングなんて正直wixで出来てしまうし、拘らなければテンプレでもいい人も多いことも想像つきます。
そんな作業よりも、どんな内容を載せたらいいか?というのを提案してくれる人に並走してほしい…と熱望するスモールビジネス経営者は多いです。
うちの商材とうちのことを理解してくれたら、他の仕事も全部お任せしたい・・・!!!という声がたくさんあるんですよね。
トレンド傾向が変わってきた=プロダクトへの考え方が変わってきた
●以前より「改善ありき」「運用を意識する」考え方が主流になってきた
以前は、印刷物のデザインなどは、大量に印刷した後は変更が難しかったので、デザインローンチまでに慎重になる必要がありました。
(4名くらいで夜通し、文字校チェックしたりとかね…※文字の間違いがないか一つ一つ見ること)
今は、Webで数字を見て簡単にデザインやコンテンツを改善でき、広告でABテスト等も行う等、新規で何かをする時点で「改善ありき」「運用を意識する」考え方が主流になってきました。逆に言えば、フットワーク軽くスピーディーに変えられないと困る。
同時に「デザイン思考」の浸透や、アプリなどプロダクトデザインなど、なくてはならないものと今はみなされるようになり、重視するのが当たり前という風潮に変化してきたようにも思います。
(以前はお飾りと認識されていたので、資金的に余裕がなければ真っ先に切られた部分ですが。先人の努力に感謝ですね…)
時代の変化とともに、Webの傾向は地味めに
Webサイトが出てきたばかりの頃は、Webへのデザインは特別なスキルを持った人しかできなかったので「Webデザイナー」は「かっこいいWebサイトを0からデザインとコーディングでゴリゴリ作れる人」でした。
傾向1つめ、
今は、0→1でサイトを立ち上げるスキルもあったらいいけど「Web運用できるだけで良い」「ノーコード使えるだけで良い」「メインで一番運用するのはSNSだからそこのデザインに力を注ぎたい」というニーズもそこそこ増えてきています。
傾向2つめ、
Webデザイン自体ディフェンス寄りのデザインになってきた、と佐藤ねじさんも言っているように
がっつりかっこいいブランディングデザインサイト!というのは減りました。同じ見た目、使いやすさ等の方が重視されるので見た目が似たサイトが多い。
ファッション性求めるならWebという場は、逆につまらないかもです(あと、これ以上専門性がなく、サイト作れます、だけが売りのWebデザイナーも得意を作らなければ埋もれるようになった)
コーディング部分にも話を戻すと、
もちろんWeb実装者になりたい、コーディング好き!という場合その道に行くことはすばらしい。ただ、Webデザイナー(皆さんの想像)って、言葉があまりに独り歩きしている感。
結論。
媒体やスキル云々以前に、自分らしい強みや専門性を持つことの方が大事。(デザインもコーディングもPHPも、使いやすいデザインもアート性のあるデザインも、全部できる器用貧乏はそれはそれで強みだと思うのだけど、それは本当にあなたの得意なスタイルなのか?を考えよう)
Webにまつわるデザインといっても色々あり、
・見やすい・使いやすいものづくりをする人
・サイトに乗っける広告やキービジュアルのデザインや、販促物全般やるデザインをする人
・LP専門で導線のプロ・クリックさせる人
全部が全部実装スキル必要なわけでもないし、自分の得意を見つけて、それの一番になってほしいな!
まとめ
まとめると、デザインにプラスして、
「説明力」
「トレンドに乗ったツールを使える力」
「コンテンツ提案力」
があると、強いかも!なお話でした。
もちろん正解は一つではなく、他にも
「何でも器用に浅く広くできるデザイナー」
「表現力が際立っているデザイナー」
「傾聴力のあるデザイナー」等、
それぞれの強みとプロジェクトが合致すれば、それは最適解だと私は感じています。
正解は一つどころか、無限にあります!あなたらしいデザインや、求めてくれる人やプロジェクトは必ずある。
そんなわけで、もしデザイン学習に興味があったら、ぜひ体験説明会に来てくださいね~!
自分ごととして、考え手を動かすことが、デザイナーへの近道です。
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