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「デザイナー募集(リモートワーク可)」に応募して半年でやめた話

こんにちは。デザイントーストというスクールをこじんまり運営してるぽりです。

2年ほど前、オーストラリアの現地で初めて独立しました。

その時は、現地の飛び込みで得た仕事や、都内の外資系会社をやっている友人からメインで受注していました。
日本に帰国してからその友人のサービスがうまくいかなくなってしまい、定期的な受注が今後危うくなったので、資金を貯めるためにも一度会社員に戻りました。

で、6か月で辞めました。

このnoteではその理由と、以下をシェアしようと思い書きました。失敗談です。

・【フリーランス・リモートワーカー希望の方に】利用しようとする会社もあるから気を付けてね!ということ
・【リモートワーカー募集しようとしている会社さんに】リモートワーカーを雇って起こるかもしれない問題

どんな会社?

なんか変わった会社でした。

その頃、「ずっと制作会社に会社員として勤める」という選択肢はなく、具体的には決まっていないものの

「海外でチャンスを得たい」という思いが強くあったので、
フルリモートで海外にも行けるデザイン制作の仕事を探しました。

そこで、たまたまIndeedでリモートワークOKの会社さんを見つけ、面談に行き社員となりました。

今思えば、最初からそこはちょっと不思議な会社でした。

社長と元や〇ざの社員さん、二人だけの小さな会社だったのですが、元や〇ざの社員さんが寝泊まりしているアパートの一室のダイニングで皆で仕事をしていました。
彼が寝泊まりしている寝室には、なぜか仰々しいビデオカメラが設置してあったり、社長が打合せでいない時に限ってド下ネタを振ってきたりとか怖い部分はややありましたが、問題はそこではありませんでした。

問題勃発

1・リモートワークOKと言っているのに、いつまでも会社に来なければいけない
面接時に「様子や相性を見るために1ヶ月は会社に来て働いて欲しい」と言われました。が、2か月目に入っても相変わらず何も言われず、

「あのー、リモートいつからできるんですか?」と聞くと、渋い顔で「あと1ヶ月後ね」と言われて、結局しばらくの間、リモートではなく会社に通い続けました。

最初に書面で決めておくべきか、強く出るべきでした。

あとから知ったのですがこれが起こったのはなぜかというと、元々社長はリモートに乗り気ではなかったようです。

採用広告を出すもいい人材があまり来ないために、社員さんが

「条件が悪いから、フルリモートじゃないといい人が来てくれませんよ」

と社長を説得し、いやいやながらフルリモートで募集した、という経緯だったと。

世の中、フルリモート派もオフィスワーク派もどちらの意見もあると思うし、合う合わないもあるのですが、
保守的な体質の人は特に「効率や成果よりも、頑張ってまじめに働いていること」を評価する傾向があり、

「働いているか分からないから常にRemottyで見ておく」という会社さんも以前ありました。(そこは時給制だったから仕方がないっちゃないですが)

いい人材の採用って大手でも大変と聞きますし、サイトに載せる宣伝費がない、社会的に名前も売れていない場合なんて尚更見つけてもらいづらいので、苦渋の決断だったんでしょうか。

Wantedlyなどでも何度か面談であったんですが、

リモート募集している会社さんなのに
「うちはリモートといいつつ、皆会社来てますね」と面接で言われたり、

え?乗り気じゃないならなんでフルリモートで募集したん???
というような会社に数社出会ったので、数は多いのかもしれません。

ちなみに、社会保険への切り替えも、言ってから数か月後の対応だったなあ…

・月給が、試用期間中の給与から上がらない
私は当時、デザイナーとしての勤務年数は既に6-7年は超えてましたし、オーストラリアに行く直前にいた会社では月給は30万円より少し多いくらいでした。

その会社の面談でも「結構応募があったけど大分落とした、君はデザイン力があるからとった」と言われとってもらったので、

それが本当なのであれば一応評価され、選ばれたと思っていいのかな、と思っていたんです。

ただ、3か月の試用期間中の月給は手取り20万円以下。

リモートワークという言葉に惹かれた自分が悪いのだろうか、でも安定給与があるまま海外に行けるなら10万マイナスでもいいか、今後上がるなら…と思い耐える事を決意し制作を続けていました。

たまに冗談交じりに「お給料上がりませんか」と聞くと

「試用期間過ぎたら上がるから!もうちょっと待って!」と言われたのですが、やっぱり上がることはありませんでした。

のちに、試用期間を過ぎてからもナチュラルに何も言われないし、変わらないので
「給与上がってないですけど、今後もこのままですか?上げてくれるっていったじゃないですか~w」と伝えると

最初は「売上上がるまで、もうちょっと待って」
最後の方は「約束していない。書面に残していない」と言われました。

とはいえ、ベンチャーのお給料って基本よくないものだと思っていたので、程度によりますが、お給料がよくないからブラックだということは全然ないと思っています。

社員一人を雇うのに、保険など含めて給与の2倍近く金額がかかると言いますし(真偽は知らない)、どれだけ売上が上がるかわからない間は給料が低いのは仕方がないところも理解できます。

ただ、これは私の個人的な意見ですが、

だからこそベンチャーって「夢を一緒に追いかけよう!」と情熱を共有したり、給料以外の部分でレアな経験などを社員にギブできるかをプレゼンしたり、

給与以外でギブがないと、いい人材をキープし続けるのは難しいのかなと思っています。
そして、なにより社長が誠実であることが信頼を得るために大事。
私も将来、雇用側に回るかもしれないので、自戒を込めて思うことですが、

給料が低いのであれば、納得して働いてもらうためにプラスになることをしないと、居続けてもらうのは難しい。

特に一度フリーランスとして会社に属さずとも生きていけることを知ってしまった人は、
当たり前ですが有能であればなおさら、条件が悪かったり不満を持つと引く手あまたなので、不満が溜まった際に引き止めるのって結構難しいと思うんです。

退職の決め手になった事件

ある日、別の女性デザイナーさんが応募してきて、フルリモートで採用を決めたようでした。

その際、ふと私と社長の間でお給料の話になったのですが、社長はポロっと
「彼女は子持ちで旦那さんが稼いでいる。子どもの世話を見ながらできる仕事を探している。そんな仕事はあまりないから、彼女の月給を上げなくても逃げない

と言いました。

ん?
少し引っかかって、さりげなく「私はどうですか?」と聞くと

「君は女性で、一家の大黒柱じゃないし、子どもの面倒を見ないといけないとかっていう状況ではないから、そんなに(給料上げなくても)困らないでしょ?今後結婚するとかなったら変わってくるかもしれないけど」

という返答が返ってきました。

カジュアルな場面だったこと、そして社長の性格的にはっきり私の業務へのウィークポイントを指摘できなかったり、冗談のつもりだったのかもしれません。

ですが、この会話はずっと心に残っています。

実は昔から、私たち雇われる側や、フリーランスや、女性とは、

こうやって、ものすごく悪気なく、自覚なく足元を見られていたのかもしれない、とその時初めて気づかされました。

言わずもがなですが、お給料は、会社に対して貢献し売上を上げたり、スキルや提供するものの対価としてもらうものです。
もしこの社長のような感覚でお給料を上げ下げするのであれば、私は「実は子どもが病気で…」とか涙ながらに嘘をついたらお給料が上がったのだろうし、社長のお気に入りやひいきの社員の給料は上がることになります。

そして、彼は私の個性や能力を評価してはくれていなかったのだというところです。

私を知ろうとしてくれたのではなく、外から見て社長が勝手に決めた、社会での性別年齢ごとの役割に応じた、生活するのもカツカツな給料。

あんなに沢山会話して、一緒にご飯も食べてプライベートな話もしたのに、今も彼の目に私自身は映っていなくて、年齢や性別でしか判断されていない、というどうしようもない虚しさがありました。

むかし、社会科の授業かなにかで、日本は女性の報酬が男性よりかなり低いというグラフを見たことがありますが、今までわかりやすい言動をされず気づかなかっただけで、ずっと私は社会でそういうジャッジのされ方をしていたんだ、と辞めた今はわかります。

その時、一緒に社長の売り上げを上げるために努力したいとも、思えなくなってしまいました。
その後もその気持ちを払拭できず、言い合いの末「脳みそ筋肉ですね!」とか普通に悪口を言って辞めてしまいました。子どもの喧嘩か。すいませんでした。

私含む社員さんに対してリスペクトを感じられないと、年上で社長だとしても、心からリスペクトするのは難しいですよね…。

まとめ

フルリモートの会社さんに限らずとはいえ、思う事。

1つ目、お給料について。

個々の事情を考慮して給料を上げたり下げたりするのって、優しさや人情でもあるのかもしれません。
もしかしたら、本当に事業がうまくいく保証もなく、中小企業ほどのお給料を払えるほどなかったのかもしれません。(辞めますと言ったら月給6万上がったのでこれは違うと思っていますが)

けど、その人の性別や年齢ではいくら、ではなく、その人の個性や能力に対価を支払うことは当たり前です。

「あなた黒人だから給料下げるね」なんて言ったら普ッ通に差別です。

今までの価格提示して、嫌な顔されるならそこは私の居場所ではないと思うべきだなと思いました。強くいよう。

2つ目に、条件面について。

リモートでしか働けない人と思われると、足元を見られてしまう可能性があること。
特に社会的に見てディスアドバンテージがある人(女性、年齢が上、小さな子どもがいる、未経験や経験が浅い、心が弱っていたりコミュニケーションに難があるなど)は、特に気をつけたほうがいいと思います。

会社経営者には言いたい。リモートを餌に条件を悪くすることはいい関係を築かないので結果的には損をしてしまいます。
現に私も話が違うと話し合いにもお互い時間を費やしましたし、社長にストレスも負荷もかけたと思います。

ただ、もちろんこれらは私のいた会社だけで起こることではなく、ベンチャーだろうと、大企業だろうと、日本だろうと、海外だろうと、足元を見られれば給料や条件面はよくなりません。
だからこそ、自分の能力をアピールして交渉をすることは、誰が相手であっても大事だな、と学びました。

リモートワ―クだから疑うべき会社ばかりだとは思いませんが、そういう会社も実際あるので、納得できない事は勤める前に確認し、リモートワークを始める時期・お給料・社会保険などの条件面は交渉するべきですね…。

※ちなみに、そのや〇ざ社員さんはある日社長を恐喝して夜逃げしたらしいです…皆さんも気をつけましょう!

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