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デザインのトラブル案件と対処法(セリフ編)

こんにちは。クリエイティブディレクター/プランナーのほりです。
DesignToastでデザインを教えています。

フリーランスをしていると、ぶち当たるトラブル案件ってありますよね。
でも、デザイナー駆け出し時代は、変なお客さんに当たったりも。

今回は「こういうクライアントはやめとけ」的な話を対処法と一緒に書いていければと思います!


私が経験したトラブル案件


お金系
- 報酬の減額
- キャンセル(報酬を払わない)
- あとからディスカウントをお願いしてくる

作業多い系
- 求めるリクエストが見積りの範囲外だが、追加料金に応じない
- 修正依頼が多く、終わりがない
- 設定した期限に終わらない

人格・会社の体質の問題系
- 最初の依頼と言ってることが次々変わる
- 最終決定者以外でデザイン確認を進めていて、最終的にどんでん返し
- 自身の求めているものを表現するのが大変なので、くみ取ってほしい(丸投げ)

トラブルの兆候がある、危険なセリフ6選


1.「プロのデザイナーさんにお任せします(^^) ガンガン提案してください!」
危険度レベル:★★★★★

一見デザイナーを立ててくれている風。何も言わなくても勝手に想像通りのものが上がってくると信じているので「思ってたのと違う」と後でトラブルになりがち。
見極めとしては、ヒアリング時に質問をしても曖昧な答えしか戻ってこない。またはナチュラルにスルー。

お任せ」と言われた場合、結構な確率で大きな修正が来るのは覚悟しておいた方がいい気がする。

【対処法】

頭に描いているゴール自体が曖昧なので、制作を始める前に具体的なWEBサイトを見せ、どこが好きか、どこが嫌か等を聞く。(嫌なところ大事!)


精神的にすり減らされるタイプ

2.「デザインの参考か~う~ん、ないです、いきなりデザイン作って出してくれればいいですよ!」

危険度レベル:★★★

いつも忙しそう(に見える)人に多いパターン。
忙しい自分が一番、外部業者は自分のために働いて当たり前と思っている

出したら「イメージと違うから、もう一度3案、明日までに提案して」と気軽に言われることも。

【対処法】

なんとか時間を作ってもらい、WEBサイトのバリエーションをいくつか提案して「この中だったらこれですか?違いますか?」等、できるだけ相手に時間・手間をかけさせず、答えやすい質問をする(忙しさを理由に、それに答えてくれないようなら危険かも)
あと、トップは3案、修正回数4回まで、等の制約を制作前に作っておくのがおすすめ。

いや、無理やろ

3.「こんな感じのやつ、3日くらいで作れたりします?」

危険度レベル:★

手の込んだWEBサイトを見せながら言われることあり。

デザイン制作を依頼し慣れていないだけで悪気がない。
ただ、どんどん「3日後までに…」「月曜までに…」「明日までに頼みます!」と、スケジュールを詰めてくる。つらい。

意外と、大手広告代理店等から仕事を受ける時もこういう感じ。たとえお金が良くても、体力・精神力が強い人が受けた方がいい案件
他の案件ができなくなるリスクもあるので。

【対処法】

スケジュールは個人的に強気に出た方がいいと思っています。

最初に「難しい」とはっきりと伝え余裕を持ったスケジュールで見ておく。
あとTipsですが、もし〇日までに出しますと言ったら、それより前日までには出さない方がいい。(延々修正依頼に追われる予感)

5案は多いっす

4.「デザイン案5案くらい出して貰えます?」

危険度レベル:★★★

この場合、本人の欲しいもののイメージが定まっていない
本当に定まっていたら、1案でもいいはず。

悪気がないこともあるけど、簡単にいくつも作るのはデザイナー的には手間も工数もかかり無駄な作業になるので、先にこういうものがいいとイメージを固める作業に徹して、その上で手を動かす方が無駄がないです。

【対処法】

デザインサンプルを本人に探してもらう。
一度一緒にミーティング中などでもいいので。定まるまで、クライアントさん自身の時間を使ってもらって、本人に苦労させたほうがいいです。

可愛い子には旅をさせよと言いますから(違う)

テキストで頼む!!!!

5.「送って頂いたデザインありがとうございました!MTG今日夜など行えますか?」 

危険度レベル:★

オンラインMTGや電話など、なんでも口頭で伝えたがる。
100%このタイプが悪いわけじゃないのですが、私の経験上、保守的なやり方を引き継いでいるクライアントは、
デザインの外部業者も体力仕事で汗水たらして当たり前と思っていることもあるので‥

文章にまとめてくれた方が見るのも楽ですし、
書いている方も自分の考えを論理的に自覚することになります。
どんでん返しも起こりづらい。

【対処法】
・口頭だと証拠が残らないので、オンライン等で話したことは議事録をとり、MTG後に文章でシェアする。
・体育会系クライアントほど、ロジカルに・明確に確認するのが良いなと感じます。

契約書なしでの制作、ダメ絶対。

6.「契約書ね~契約交わしても争いごとになる人はなるし…結局は人ですからね!」

危険度レベル:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★(MAX)

はいダメーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
ナシよりのナシです。

なんだかんだ契約書を交わさない人は絶対クロです。
初犯ではありません。


スケジュール詰まっているから次の案件からにしようとか、忙しくてのらりくらりとサインをしてくれないまま案件が始まってしまうとか、
言い訳ですね。

制作着手する前に「絶対に」契約書はサインして貰ってください

契約書断るような人と仕事する価値はありません。
1回2回よくても、必ずいつかトラブルになります。

もう一つの「事例編」記事にも書いたのですが、私このタイプのクライアントに20万円を未払いされたんです。

たかが数十万の案件を未払いしたくらいで、
裁判までおこすフリーランスデザイナーなんていないだろうと高をくくっているクライアントもいます。
契約書があれば最悪未払いの場合、裁判でも勝率が高まるのでけん制するにも効果あり。

変なクライアントには「こいつ警戒しているな…一筋縄じゃいかなさそうだな…」と思ってもらい、捨て台詞でもはいて逃げてくれた方がいい。
ほんとに危ないので絶対おすすめしません。断りましょう。

【対処法】

・契約書を交わさない人は信じない。警戒していますアピールをする。
・お金を払ってもらってから、着手する。

まとめ

これは、クライアントワークの核となる大事なことなんですが、

「クライアントにも頑張ってもらう」って、
めちゃくちゃ大事です。

自分一人で汗水たらして頑張っても絶対にうまくいかない。

ここでたとえ話をしましょう。

Amazonでなんとなく買ったAのイヤホン(2000円)が壊れてしまい、
3ヵ月吟味してから、最終的にBのイヤホン(8000円)を購入

もともと持っていたソニーのイヤホンをAmazonで購入していた時より、
新しいイヤホンの方が、大事にしないとな、と思えませんか?

お客さんも同じでです。
「デザイン作っておいて!」と丸投げして上がってきたデザインだけ見ると
「うーん、なんか微妙だよね~」とか言ったりしがち。

お客さんもアイデアを出し、こういうのがいい!という理想をしっかり伝えようと努力した時の方が、
「自分もこれだけ一緒に頑張ったしいいものに違いない…」
という心理から、満足もしてもらいやすんです。

クライアントを王様扱いをしない

ということで、
外部デザイナーを都合のいい相手扱いさせないためにも「クライアントにも考えて、手を動かしてもらう」というある種、コントロールをする必要があると感じています。

向こうに舵を握らせたら、クライアントワークがめちゃくちゃ辛くなってしまうと思います。

とはいえ、
当然クライアントさんは発注のプロでもデザインのプロでもないので、100%思いや欲しいデザインを伝えるって難しい。悪気が必ずしもあるわけではないです。

なので、違和感を感じたとき、
「そんな風にデザインを軽く扱うなら受けません!」というのもありですが
一般的な価格帯やかかる時間など、クライアントさんが知らないだけのこともあります。

とはいえ、もちろん下に見ている人もいますよね
「それなら別に頼んでください」とはっきり言って良し🙃

フゥ~

なんか言われても、落ちこむ必要はない

こちらもプロで先方にできないスキルを持って仕事を行っているので、
へりくだらず、同じ目線でリスペクトをしあう関係が健康的!

捨て台詞で、
「お前のデザインセンスがないからだ!」
「完成度が低い」
「別のデザイナーの方がいい!」

とか言うクライアントさんに出会うこともあるかもしれません。

誠実に、精一杯相手のほしいデザインを出そうと努力したのに
そんなことを言われたら、ショックだと思います。

けど、
センスがどうこういう人ほど、
デザインセンスとは何かを説明できない
し、

完成度低いという人ほど、
その人の完成形をシェアしてくれていない
ことも多いし、

別のデザイナーの方がいいという人なら、
その方に頼んだらいい

それだけの話です!あなたのせいじゃない!!!
ただ、やっぱりトラブルって防ぎきれないので、
もしぶつかったら、犬にかまれたと思って忘れましょう😘笑

ちなみに当校ではトラブルを未然に防ぐ「ヒアリングのやり方」「契約書・見積書の出し方」「方法」なんかも実践課題を踏まえて教えています。
デザイン力があっても、長く続けるためのクライアントワーク対応力がまだまだと言う方もいます。
自分を守る武器、ぜひ身に付けにきてくださーい!

↓事例編の記事もおいておきます


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