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E資格2023#1を振り返る(対策、感想など)

2年ぶりの更新らしく、震えてます・・・。
ここ最近は気胸が何回も再発し絶望していましたが、体調も少しずつ良くなってきたのでまた再開してもいいかなって思ったり思わなかったりしてます。
noteで続けるのかってのは少し悩むんですがとりあえずこのタイトルについてはここに書いていきます。


●はじめに

2月17日(金)〜19日(日)にかけて、2023年1回目のE資格試験がありました。
自分は最終日19日の昼過ぎに予約できたので、ギリギリまで勉強をして臨みました。

E資格・・・ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する。

一般財団法人 日本ディープラーニング協会
https://www.jdla.org/certificate/engineer/

だそうです(このnoteを見ようとしてる人なら誰でも知ってそう)

現職ではこのE資格に出てくるようなディープな実装はもちろん、基本的なモデルを扱うこと自体少ないのですが、一応、「データサイエンティストを目指します」と社内で宣言している立場ではあるので取っておいた方がいいかなと思い、今回取得を目指しました


●筆者情報

参考として、
E資格と関係しそうな範囲で記載しておきます。

・職業
  -  通信・ネットワーク系の会社に所属
  - 一応、データ回りに関係する業務を続けてきた(インフラ含む)
  - 現在の業務としてはSQLを使ったデータ抽出/加工やBIツールでの可視化が多い
  - コードによるモデル実装などの経験は乏しい
 
・数学
  - 統計検定2級Lvはなんとか理解できる
  - 微積分や線形代数なども基本的なものであれば解ける(はず)

・機械学習
  - 基本的な単語の意味が分かる程度
  - 実装や理論となると分からない
  - 教師あり学習以外はほぼ触れてきてないし知らない

・ディープラーニング
  - 有名なモデルがどういったタスクのモデルなのかを知ってる程度
  
・コーディング
  - 業務ではコーディングと呼べるほどのことはしていない
  - Pythonは基本文法がわかる程度。関数を自作したり、クラスが書かれていたりするコードを読み解くのは億劫になる。
  - Kaggleはtitanicだけ。あとはNishikaやSIGNATEのコンペを触ったくらい

・資格まわり
  - 統計検定2級
  - G検定
  - 応用情報

・その他
  - 気胸が何度も再発し体調が万全でない中で勉強を始める

数学や機械学習については事前知識はある程度はあると思っていましたが、E資格は理論や実装の知識が問われるので、そういった部分までとなると自信はありませんでした。


●受験までのスケジュール

10月中旬:次の試験でE資格を取得するという当初の目標を捨てきれず、急いで認定プログラムを申し込み

10月下旬〜11月中旬:認定プログラムのeラーニング(動画)を視聴

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜中弛み期間〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

12月中旬〜1月上旬:認定プログラムのお修了試験と修了テストを実施

1月中旬:認定講座以外の試験対策(後述)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜体調不良による中断期間〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2月上旬〜試験本番:認定講座以外の試験対策(後述)

認定プログラムの学習期間としては11月ごろから開始し、2ヶ月程度(実際は数週間程度の詰め込み)で完了しました。
その後は体調不良などもあり、本番に向けた対策は1ヶ月程弱くらいだったと思います。時間にすると認定講座50h、試験対策80hくらい。


●JDLA認定プログラムについて

自分が受けた認定プログラムは以下

株式会社 Present Square「AIエンジニア育成講座(E資格対応)」
【所感】
〇 比較的安い
〇 他講座よりサポートが薄い&ボリュームも少ないかも
〇 修了課題として4つの実装課題が出されるのである程度の独学も必要
〇 修了課題としてはtitanicの分類問題など、基礎的なものが多い
〇 新シラバスにもある程度対応している印象

https://ai-edu.deepsquare.jp/

改めて振り返ってみると、自分の現状のスキルや進め方にマッチした講座だった気がします。
(後述しますが、どの認定プログラムを受けるかの選択は地味に重要です)
以下の特徴に当てはまる人はぜひ検討してみてください。

・統計学や機械学習について、ある程度の事前知識がある or 別の学習で補うという方
・E資格までのスケジュールがタイトな方
・受講費用を安く済ませたい方

基本的に講座を受けるのは1回きりなので、どの講座が良いという結論を出すことはできませんが、社内に別の講座を受けたという方もいるので、感想などヒアリングしてみました。こちらも参考にしてみて下さい。

zero to one「JDLA「E資格」向け認定プログラム」
【所感】
〇 比較的安い
〇 主要なカリキュラムは網羅している印象
〇 模擬試験もあり、E資格本番のイメージも付きやすい
〇 大学レベルの数学や確率論までは詳しく語られないので前提知識が必要
〇 数学や確立の理論に基づいた数式の導出解説は省略されるが、いきなりそれを実装するように言われる
〇 コーディングの実践演習や解説はあるので、学習は問題なく進められる
  →E資格の受験資格を得るためにコスパは良いが、別の自習は必須

https://zero2one.jp/jdla-e-shikaku/

AVILEN「全人類がわかるE資格コース」
【所感】※講座を始めたての時期にヒアリング
〇 E資格合格率が高いと謳っているだけあって、サポートが充実している
〇 数学やPython、統計に不安な人向けに+2万円で基礎講座のオプションが付けられる
〇 認定講座の中では安い方
〇 サポート期間は6ヶ月、講座閲覧期間は1年間で長期的に学習ができる
〇 講座のボリュームは多いので、計画立てて学習する必要がある
〇 修了演習や試験のボリュームも多く、プロダクト開発演習においては独自の工夫を施す必要があるらしい

https://avilen.co.jp/lp/e-certificate-jdla/

個人的には、初学者 or じっくり学習したい方はAVILEN一択だと思います。
(サポートなどが充実していて、オプションを付けても20万以下)

ですが、スケジュールに余裕がない方 or 既に基礎知識がある方 or 自由に学習を進めたい方にとっては、もっと良い講座があるかなと思います。
ここで紹介できないもの、筆者がまだ知らないものもあると思うので是非、自分に合った認定プログラムを探してみて下さい。


●試験対策

認定プログラム以外に実施した試験対策を紹介します。

まず前提として、認定プログラムを進めている中で、内容が充実しているなと感じた場合は認定プログラムのコンテンツを中心に学習を進めても良いと思います。

【注意】ここでの「充実している」というのは、以下のことを指します。

・講義内容がシラバスに沿ったものとなっている
・新シラバス(2022#2〜)の内容もしっかり反映し、解説している

講義のボリュームが多くても、シラバスに沿った内容でないと意味がないので、各認定プログラムのHPなどは事前にしっかり確認をした上で申し込みを行いましょう。

対策① E資格問題集(黒本)をやる

市販されている唯一(?)のE資格対策本なので、よっぽどのことがない限りはこの書籍も取り組みたいです。

E資格問題集(黒本)

【ポイント】
・2023年3月現在、第2版が最新版なのでそれを買う

・第2版でも新シラバスの内容には対応していない
  →別途、新シラバスの内容についても対策が必要

・末尾の総仕上げ問題が一番簡単なので最初にやっちゃっても良い

・試験本番は本書籍の内容よりもコーディング問題の割合が少ない

対策② オライリーのゼロつくをやる

基礎をもう少し固めたいと感じた場合はオライリーのゼロつくシリーズをやりましょう。筆者がなるべく数式を使わずにDeepLearningを説明しようとする努力を感じます。

オライリーゼロつく無印

試験範囲としては、無印と②④の3冊が対象となりますが、合格だけを目指す場合は無印だけでも足りる印象でした。

無印:ニューラルネットワーク・ディープラーニング
②:自然言語処理
③:フレームワークの構築
④:強化学習

https://www.oreilly.co.jp/books/9784873117584/

対策③ YouTubeを見る

E資格の範囲を動画で解説して下さる有志の方々も沢山いらっしゃいます。
筆者は時間の関係もあり、それほど多くは活用できませんでしたが、認定プログラムや黒本で十分に理解できなかった範囲を調べてみると凄く丁寧に解説してくれている場合があります。

また、既知の内容でも別の方の解説を聞くことで新たな発見などもあります。ここではお世話になったチャンネルを2つ紹介します。

データサイエンス研究所さん
機械学習、NN、CNN、生成モデルなどの理論と実装の解説を1つの動画にまとめて下さっている神様

AIcia Solid Projectさん
統計学の考え方だけでなく、TransformerやGPT-nといった直近のモデルも解説して下さっている神様

他にも様々な動画が出てくるのでぜひ検索してみて下さい。


●試験を終えての振り返り

試験を受けた直後にもツイートしましたが、改めてここに書き連ねようと思います。内容重複しているものもありますがご了承下さい。
一部記憶が曖昧なものもあったりするので、あくまでも参考程度でお願いします。

・改めて、想像よりコーディングや実装の問題が少なかった。理論と実装を問う資格とのことだったが、かなり理論寄りだった。(シラバス改訂の影響も少しありそう)

・改めて、応用数学の問題も少なかった。でも、公開された正答率を見ると細かい割合にはなっていたので応用数学に位置付けされている問題は意外と出題されてたっぽい?(条件付き確率やベイズの計算自体は出なかったし、計算機を使ったのは混同行列くらいだった気がする)

・序盤からGPT-nとか自然言語処理、強化学習系の問題が出てくるので動揺しないようにする(問題集を最初から解き進めているような人は要注意)

・本番で初見というレベルの単語や数式は登場しなかった。認定プログラムにもよると思うが、ある程度はカバーされているはず。

・シラバスに記載されている内容が満遍なく出題される。なので、基礎の部分に比重を置き過ぎないように注意する

・1週間前に試験会場を予約しようとするとかなり日程と会場が絞られる。特に、最終日に受験したい場合は余裕を持って会場を予約する

・会場が分かりづらい場合があるので余裕を持って向かう

・個人的な問題の難易度としては、「黒本の各章問題>試験本番>>>>>>>>>>>認定講座の修了試験>>>>>(越えられない壁)>>>>>黒本の総仕上げ問題」。(Twitterを見てたら本番が黒本よりも難しかったという意見もあったのその辺りは個人差がありそう)


●合格に向けてのアドバイス

今回なんとか合格できましたが、点数としては合格者の中でも下の方だったと思います(4分野の正答率平均70%くらい)。なので、こういう勉強法だったらもっと簡単に合格できたかもなぁと思うことや、これは大切だろなと思ったことを書き連ねます。

・どの認定プログラムを選ぶかは地味に大切
 - 講座によってボリューム/初学者向け/学習期間などが変わってくる
 - 修了課題やテストが不安な場合は、何回も再トライOKな講座なのかどうかも確認しておく

・コーディングの問題自体は少ないが、ある程度は学習して理解しておいた方が良い
 - コードの処理や流れを理解することで、理論の問題にも応用可能
 - 汎用的なPythonの関数や処理の勉強にもなる
 - 大体の認定プログラムで実装課題はカバーされているはずなので、そのタイミングで自習も含めて勉強するのがおすすめ

・直近のモデルについても手を抜かずに勉強する
 - シラバス改訂により、直近の深層学習モデルに関する問いがかなり増えた(多分)
 - 出題範囲の4分野の中でも、深層学習は多くの内容が記載されているので、それだけ出題数も多くなる
 - 同じ系統のモデルの特徴や違いはマストで把握しておく

・同じ教材や学習コンテンツにこだわらない
 - 1つの教材だけを使うよりも、多くの教材に触れた方が理解も深まる
 - メインに使う教材を決めつつ、その内容を別の教材で少し補完する、くらいのバランスが良さそう






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