冷蔵庫はいつも空か、密か、どっちか

2024/08/22
 自分の口よ止まれ、という時が訪れる。とにかくまた積み上げていく。

 ガルバのパンフレット用の座談会収録があったので、稽古場にお邪魔して稽古を見ていた。ただ、たのしく笑っていた。その後、一さんと西本さんから台本についての意見をもらう。その意見が知れただけでも大収穫ではあった。

 ほくほくした心で帰路についていたところで、また幸せなご報告だろうなと思いながら読んでいたSNSの情報が真逆で、したたかに衝撃を受けた。田中敦子さん。
 月刊ニュータイプで「文芸あねもねR」についての取材をさせてもらった。『攻殻機動隊』の草薙素子や、『寄生獣』の田宮良子役も深く心に残っている。『呪術廻戦』の花御でも話を伺った。
 作品に紐づくアイコンとしての声と、普段のおっとりとしたお人柄のギャップにおどろいたし、ひとりのファンとして『GHOST IN THE SHELL』を見たときからずっと憧れていた。
 予想していなかった知らせだったので、乗り換え駅で近くのスタバに立ち寄り、頭の整理を試みた。ちょうど店内照明を落とす『Delight in the Night』という催しがあり、テーブルに置かれたろうそく型の小さなライトがやさしかった。

 「文芸あねもねR」(←リンク飛びます)というのは新潮社から刊行されている「文芸あねもね」という書籍を朗読するチャリティー活動で、井上喜久子さんと田中敦子さんがふたりで行っているものだ。コミケにサークル登録し、出店して、おふたり自ら販売していたこともある。田中敦子さんの息子さんである田中光さんが公開したお知らせの中で、「文芸あねもねR」にもっと力を入れようとしていたことが書かれていて、そんな活動の隅に自分が関われたことがうれしく、だからか、心に雨が降る。あの時、声をかけてくれた編集さんにも感謝を。

 一日、家で作業をして落ち着かせていた。

 「大戦時は憲法学者だって植物学者だって赤紙が送られてきたら戦場に行っただろう。凪いだように見える今は幾ばくか、幸せなのだ。この国は。」

いただいたサポートは、活動のために反映させていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ほそかわようへい/演劇カンパニー ほろびて 主宰/劇作、演出/俳優/アニメライター