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サーカスの子

長田弘「自分の時間へ」
記憶という土の中に種子を播いて、季節のさなかで手をかけてそだてることができなければ、ことばはなかなか実らない。じぶんの記憶をよく耕すこと。その記憶の庭にそだってゆくものが、人生とよばれるものなのだと思う。

人には誰にでもそのように、長く耕してきた〈記憶の庭〉があるのだろう。そして、僕にとって幼い頃のサーカスの記憶とは、まさしくそのようなものになっていたのだと思う。

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