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「スマホ脳」

アンデス・ハンセン/著 久山葉子/訳
ドーパミンは満足感を感じさせ、それをしたいと思わせる物質。

ドーパミンの最も重要な役目は私たちを元気にすることではなく、何に集中するかを選択させることだ。つまり、人間の原動力とも言える。

デジタル・デトックス

脳は後ろから前に向かって成長していく。初めに首の後ろの部分が成熟し、最後に額のおくにある前頭葉だ。なぜ前頭葉 衝動を制御する部分は成長に時間がかかるのだろうか。前頭葉は社会的な協調にも重要で、人間のそれは非常に複雑だ。訓練し、経験を重ねるのに何十年もかかる。そう考えると、長期の訓練が必要な部分が最後に成熟するのもわかる。つまり前頭葉は、遺伝子より環境に影響を受けると考えられている。

「近代技術によって私たちは情報の洪水に溺れ、自分で考えることができなくなる」スイスの学者コンラート・ゲスナーは、近代技術が与える悪影響をいち早く警告したことで知られている。いや実際、とても早かった。彼が指したのはスマホやインターネットではなく「印刷技術」だった。16世紀の半ばの話だ。19世紀には、鉄道の普及に伴い「鉄道酔い」を警戒する悲観論者もいた。人間が時速30キロ超の速さで運ばれるのは不自然なことで、気分が悪くなり嘔吐する それどころか命にかかわるかもしれない!その20年後には、電話は悪魔の発明で、雷雨や邪悪な魂を引きよせるとされた。社会に不安が広がり、電話交換所で働く職員を見つけるのが難しいほどだった。50年代には、テレビには催眠効果があると懸念された。

自分のスマホ利用時間を知ろう
1日に何度スマホを手に取り、どのくらい時間をかけているのかを把握するために、アプリを使ってみるといい。そうすれば、スマホに奪われている時間が一目瞭然だ。自分を知ることが、変化への第一歩になる。

目覚まし時計と腕時計を買おう
スマホでなくてもいい機能は、スマホを使わないようにしよう。

毎日1〜2時間、スマホをオフに
毎日2時間、オフにすることを周りにも伝えておこう。そうすれば、返事がないという怒りのメッセージが届いたり、人をイライラさせたりせずにすむ。

スクリーンタイムを制限し、代わりに別のことをしよう
1日のスクリーンタイムは何分までならいいのか、分単位で推奨するのは難しいが、どうしても具体的な数字がほしいなら、大人も子供も仕事や勉強以外でスマホ他のスクリーンに費やしていいのは最長で2時間だ。それでも睡眠、食事、職場や学校への移動時間を除けば、起きている時間の6分の1を費やしていることになる。8歳未満の子供なら1時間が限度だ。私がいちばんいいと思うのは、別のことをする時間を設けること。宿題をする、運動をする、友達に会うなど、それに集中する時間を決めよう。

平均で1日4時間、若者の2割は7時間も使うスマホ。だかスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存 最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。

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