自作短編 1
何度目覚めても霧がかかっている。霧の中を彷徨い、浮遊し、誰かと話している。霧が薄くなってくると冷たい床の上を歩いていた。コトを済ませようと下半身の一部を出そうとフケと毛玉だらけのズボンを脱いだが硬直していた。薄くなっていく霧の中と冷たい床の上で柔らかくなるまで、その時を待っていた。長い。足先から伝わる温度に震えながら柔らかくなっていく一部が放水し水溜りの中へと捨てていく。水溜りの近くを捻ると、音を立てどこかへ吸収されていった。また霧を目指して歩いていく。九歩進んだところで、心地よく温かい霧がどんどん濃くなっていった。