23年8月第1週決算振り返り③(AGC中間決算)
引き続き、マイPF銘柄中心に各決算を簡単に振返っていきます。
〇AGC中間決算
増収減益の決算となりました。中々厳しい内容の決算です。
まず、2Q実績全体について、売上高に関しては、ガラスの販売価格上昇や為替の影響により前年同期比で若干の増収。一方、製造原価の悪化および原燃材料高などの影響から営業利益以下前年同期比で大きく減益となっています。
続いて、セグメント別の業績を見てみます。
目を引くのは化学品事業です。営業利益ベースで前年同期比62%の減益となっています。1Q時同様、東南アジアで高いシェアを握る塩ビ樹脂の市況低迷が続き販売価格下落の影響も受けています。
また、戦略事業と位置付けるライフサイエンス事業については、米国バイオ医薬品CDMOの新規ライン立ち上げが遅延していること及び遅延に伴う先行費用の発生が苦戦の理由となっています。
一方、オートモーティブ事業については、自動車生産台数の増加により自動車用ガラスの出荷が増加、販売価格の上昇や為替の影響も相俟って増収増益と好調ですが、塩ビなど基礎化学品の低迷を補えるほどではありません。
続いて、通期業績の見通しです。
中国や米国を中心とした景気回復の遅れを背景とした苛性ソーダ市況、塩ビ市況の回復の遅れ、米国バイオ医薬品CDMOの新規ライン立ち上げ遅延の影響などを踏まえ、最終利益ベースで32.2%減の下方修正となりました。
もっとも、24年以降は市場回復・米国バイオ医薬品CDMO新規立ち上げラインの正常化により、業績は改善する見通しと決算資料では説明されています。
AGCについては現在4400円台で3株だけ保有しており、実験的な投資に留まっています。取り扱う事業の特性上、業績にブレが生じやすいこと・過去30年くらいの配当実績を振り返っても決して安定配当とは言えないこと等には留意しておく必要があります。
とはいえ、直近のコロナ禍の22年12月期には赤字に転落したものの配当は維持されており、昨今の日本株の還元意識の高まりも踏まえると会社の安定配当に対する思いは強くなっているのかもしれません。
決算を受けて大きく下落するようであれば、もう少し株数を増やしてみるかもしれません。