国際結婚手続き(日本国籍&オーストリア国籍、日本で婚姻)
私たち夫婦は、2021年のコロナ禍に日本の役所にてリモートで国際結婚しました。ただ、必要書類などはリモートでもそうでなくてもほとんど同じです。あれから3年ほど経過してしまっていますが、一連の流れをまとめ記事にしておきます。誰かのお役に立てば幸いです。
婚姻要件具備証明書の取得
婚姻手続きをする場合、両者がその国の法律の下結婚できる状態(=未婚)である証明が必要です。
日本人同士の場合は”戸籍”を参照して未婚かどうか確かめることができますが、一方が外国籍の国際結婚の場合は、外国籍者の国が発行する証明書が必要になります。それが「婚姻要件具備証明書」です。
日本人の婚姻要件具備証明書
実は、オーストリア人の婚姻要件具備証明書の発行には婚約者の婚姻要件具備証明書が必要なので(ややこしい)、まずは日本人側の書類取得方法を書きます。
発行場所
法務局(当時は東京に住んでいたので東京法務局を利用しました)持ち物
戸籍謄本
写真付き身分証明書
婚約者の正しい名前をカタカナで記載しますので、ミドルネームの有無や書き方など事前に確認しておきましょう。婚約者の国籍、生年月日も必要です。その他、最初に婚姻届けを出す土地も書く必要がありました。私の場合は、日本で婚姻手続き⇒オーストリアに反映なので、「日本」と書きました。
発行には2時間ほど時間を要しますので、余裕をもって法務局を訪問してください。また、本人が出向く必要があり、郵送での申請は受け付けていません。発行手数料は無料です。
オーストリア人の婚姻要件具備証明書
次に、オーストリア人の婚姻要件具備証明書(Ehefähigkeitszeugnis)についてです。
発行場所
居住区のStandesamt(戸籍役場)持ち物
<オーストリア人 書類>
Geburtsurkunde(出生証明書)
Staatsbürgerschaftsnachweis(国籍証明書/市民権証明書)
Lichtbildausweis(写真付き身分証)
<日本人側>
戸籍謄本
婚姻要件具備証明書
住民票
パスポートのコピー
※すべての書類は国家公認法定翻訳者による翻訳とアポスティーユ必須
戸籍謄本の住所が現住所と同じでも住民票の提出は必須です。
Standesamtからは「Geburtsurkunde(出生証明書)を提出してください」と言われると思いますが、こちらは日本でいう戸籍謄本のことです。
全て原本を提出します。オーストリア人の書類は返却されます。発行手数料は、昨今のインフレで高くなっている可能性がありますが、当時は30€程でした。
日本 外務省へのアポスティーユ申請
アポスティーユとは
公印確認,アポスティーユは,どちらも日本の官公署,自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明のことです。(外務省HPより)
私たちは日本で発行した書類3種(戸籍謄本、婚姻要件具備証明書、住民票)を提出するので、それぞれにアポスティーユをお願いしました。
申請方法
申請が必要な書類を揃える
外務省HPから申請書をダウンロードして記入
申請書、書類、返信用封筒を入れて外務省の領事サービスに送る
申請書や送り先の住所はこちらにあります↓
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000608.html#section2
オーストリアの国家公認法廷通訳翻訳家
オーストリアの役所に日本で発行された書類を提出する場合、アポスティーユの他に、”国家公認法廷通訳翻訳家”というオーストリアから認められた翻訳者によって翻訳されている必要があります。
オーストリア国家公認法廷通訳翻訳家はこちらのページ↓から探しました。
ÖVGD - Japanisch
※Standesamtによると、英語併記の公文書(パスポートなど)は翻訳不要だそうです。
値段は翻訳する文章の長さにもよりますが、翻訳代と認証代を取られます。あまり安くないですので、心しておいてください。。。
手順は以下の通りです。
PDF版の書類を翻訳者に送付する
翻訳を依頼している間に、書類は外務省に送ってアポスティーユ
仮翻訳版が返却されるので、記載に間違いがないか確認する
アポスティーユ付きの書類が外務省から返送されたら、アポスティーユ証明書をつけたままスキャンしてPDFに(証明書は原本にホチキス留めされますが、これを外すと無効になるので要注意です)
4のPDFを翻訳家にメールで送り、翻訳版との突合と電子署名をしてもらう(納品はPDF)
現地の役所には、翻訳版の電子媒体と原本を提出する
オーストリア アポスティーユ申請
この時点でオーストリア人の婚姻要件具備証明書が手に入ったことになります。それに加えて、日本での婚姻手続きに必要な書類はGeburtsurkunde(出生証明書)とStaatsbürgerschaftsnachweis(国籍証明書/市民権証明書)です。これらは外国で発行される書類なので、日本の役所に提出する際に同じくアポスティーユが必要になります。
昨今、電子アポスティーユなるものがオーストリアにはあるらしく、当時と現在でアポスティーユ申請の方法に違いがあるかもしれません。
当時は、書類発行元のStandesamt経由でオーストリア外務省の担当部署へ書類を送り、アポスティーユが付いた書類を返却してもらいました。(手数料あり)
管轄のStandesamtにご確認ください。
国際結婚手続き
ここで、必要書類が全て出揃い提出できる状態になりました。次に日本で婚姻届けを提出する方法を説明します。
日本での手続き
持ち物
婚姻届 (自署に限る、日本在住者2名の証人)
<日本人側>
戸籍謄本(本籍地で婚姻の場合は不要)
<オーストリア人側>
婚姻要件具備証明書(Ehefähigkeitszeugnis)
出生証明書(Geburtsurkunde)
国籍証明書(市民権証明書:Staatsbürgerschaftsnachweis)
オーストリアで発行された書類は全てアポスティーユを付けます。そして日本語訳の書類も併せて提出します。翻訳は自分でやって問題ありません。自分の名前と日付を日本語版の最後に自署します。
☆上記書類3つの日本語訳のテンプレが欲しい方には無料でお渡ししていますので、コメント下さい。
※素人の翻訳であることはご理解ください。
※書類によってはそのままでは使えない場合があるので(書かれている場所が違う等)ご注意下さい。
出生証明書と国籍証明書は基本的に一人一部だそうなので、婚姻届受理後に返却してもらうことも可能です。オーストリアの役所に問い合わせたところ日本へ提出用に追加発行も可能という事で、今回は再発行して日本の役所に提出したままになっています。
オーストリアでの手続き
日本での手続きが終わった後は、日本で成立した婚姻をオーストリアのZPR(Zentrales Personenstandsregister)に反映する必要があります。
オーストリアでの手続きに必要な日本の書類は以下の通りです。
戸籍謄本(夫の名前が載っているもの。婚姻届けが受理されてから1週間程度で取得可能。)
婚姻届け受理証明書
こちらもアポスティーユ必須です。そして、専門の翻訳家に訳してもらう必要があります。必要書類をStandesamtへ持っていき、手続き完了です。
最後に
実際に国際結婚するまで、手続きがここまで大変(でお金がかかる)だとは思ってもみませんでした。因みに、今回利用したオーストリアのStandesamtはNÖの田舎にあるものです。ウィーンの役場だと書類の発行に時間がかかったりなど予期せぬタイムロスがあるかもしれません。どうしても婚姻届けを出したい日にちがある場合は、時間とお金に余裕を持って早め早めに手続きを進めましょう!
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