心地よい着方を目指すことで、結果的に「なんか綺麗ね?」と思われたら嬉しくないですか?【火曜日連載:2022年5月10日版】
初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
こんにちは、あらたまです。
いま一つだった体調がやっと落ち着いてきたかな?という手応えを感じています。そろそろ、きものを羽織ってみようかなという気分も上がってきてますので、ココロの体力も戻りつつあるのかも。能動的なお楽しみにも、それなりの元気という資本は必要です。
ていうか!
体調が落ちて凹んでいたから、きものを着てホッとしたーい!
居場所に戻ってきたぞという安心感が欲しいのかもしれません。
私たちの世代はこれまで、なにかと「氷河期」だとか「女性もヒトリダチするべき」とか生き延びるための環境設定が厳しめだったように思います。自分のお尻をペンペンしながら「休んでる暇はない!苦しい時こそチャンスだよ!」とね。
なので、なるべく楽チンで効率の良い事を探すことに罪悪感を覚えてしまうことがあります。
きものはその真逆に位置する衣服なのかなあ?……教養として身に付ける、キレイな着姿を究めるために頑張る、そういった事柄に無形の疑問を抱き続けた果てにこれを閃いた時には、だからこそハッとしました。
着ているときこそ、心地よい服。ホッと一息つけて、のんびりできる服。腰紐や帯に体幹を支えてもらう事を憶えたら、これまでに味わったことの無いタイプの「楽チン」がありました。
お洒落を楽しむための基礎体力はトレーニングで底上げしておきたいですが、普段着きものという衣服にはちょっと寄りかかってみる……適度に脱力するためにきものを着るのって有り・無しで言ったら「有り」じゃないでしょうか。
それでは、本日も始めて参りましょう。
いつもの拙著プチ宣伝のあとに、目次が続きますよ(^▽^)/
夏を見据えた日の一式
晴れの日は気温が上がり汗ばむ一方、雨の日には湿気で衣服がペタッと貼り付くような感覚を覚える季節になってきました。
我が家地方では一ヶ月ほど前から気温がじりじりと上がり始めていたようです。その頃に、夏を見据えた着心地対策をそろそろ考えようかな?と着ていた一式がコチラ。
この時期は特に手拭いを半衿にしたものが心地よく、私には手放せません。胸元辺りから首まで、意外と広範囲にわたって汗を良く吸ってくれて、通気性も良いので涼しくサラッとした肌心地が続きます。
また、綿特有の温かさも、首元の冷え過ぎを防いでくれて有難いです。
この日の衣紋(衿の後ろのところ)はいつもより多めに抜いています。
おうちの中だったので、見る人いないし!と気持ちが大きくなったのもありますが、衣紋からたくさん風が入るとこれまた涼しいので。
余談ですが、エアコンをガンガンに効かせる頃には、逆に衣紋の抜き加減は控えめにします。
エアコンの風は天井付近から下向きに吹いてくるので、ガラ空きの首筋にダイレクトアタック!してしまいますから、私には涼しいを通り越して寒く感じてしまうのです。風邪は三首(首・手首・足首)からともいいますし、麻などの超クール素材を着る時は冷え過ぎには気を付けています。
素材選びだけでなく、着方の工夫でも体温調整が多少効くのも、きものの生活が楽チンで心地よいと仰る方が多い理由の一つ。現代社会は壁一枚を隔てた温度差が激しいので、素材と着方の戦略的組み合わせを味方に付けるとより一層の心地よさを手に入れられるのではないでしょうか。
珈琲豆の柄とジャングルみたいな柄の半幅を合わせたのは、決してガン〇ムカフェに行く予行演習とかではなく、単なる偶然です。
そこそこの年月を家族共々に楽しんでるので誤解されるんですが、私、ヲタじゃないから。広く浅く、ちょっとずつ楽しんでるだけだから!本物のヲタの方々に失礼があってはいけません。←とても大事な事なので太字にしました。
襦袢の胸紐についての考察
衿合わせ研究はライフワークとも言っていい感じで、現在も研究中です。
それに付随する形で、時々深掘りするのが襦袢の衿合わせを固定する胸紐問題。羽織って、合わせて、良い位置に決めた衿は基本的に紐一本で固定します。紐の当て方・手順・結び方で、せっかくの衿が崩れることもあるので、気が抜けません。
襦袢を制すものは着姿を制す――ココまで強めに言ってはいなくとも、ほとんどのキモノスキーが念頭に置いているのじゃないかしら?
つまりは、襦袢を仕上げる一本の紐が、為りたい私の第一歩となるわけです。
紐は細いのと太いのどっちがいいか?
私もクチコミなどを参考に様々試しましたが、結局のところ太さは好みの問題かなと思います。
細いの使った時にはあばら骨に食い込んで痛かったし、伊達締めでは太すぎて固定力が弱いように感じました。
今は手拭いで自作した腰紐一本で襦袢の胸元を固定しています。市販のモスリン製ものより幅広で、5cmジャストに作っています。
私は手の力加減で如何様にも締め方を変えられるのが気に入り、着付けには腰紐のみを使用していますが、便利なワンタッチベルトやマジックテープ式のが使い良い方はそちらをオススメします。
とにもかくにも、使いやすさ・体へのフィット感が一番だと思いますので。
掛け方と締め方
【一】
紐の真ん中を右側アンダーバストラインのあばら骨に当てます。骨の上に紐が乗るように締めると、後々緩みにくい気がします。
この時、襦袢の上前を押さえるように紐を当てるのが鉄則。上前が届いていない場合、襦袢のサイズが小さい可能性もあります。
【二】
背中で紐を交差させたら、一回だけ紐を締めます。
私は体の脇で床に対して平行な矢印を描くように締めるのがやりやすいです。
息を吸ってあばら骨を膨らませてから、一回だけ締めます。あばらと紐をぴたっとフィットさせるイメージです。
腰紐って締るポイントにハマると、際限なく締めていくことができてしまい、あっという間に苦しくなります。
あばらを膨らますようにやると肩甲骨が適度に背中心に寄り、肩がイイ感じに落ちて、大胸筋の方から衿を支えにいくように姿勢が整う気がするんです(あくまでも個人的な感覚)。
結び方は?伊達締めは?
私は二回からげてから左右を入れ替えて始末する派。
固い結び目はできないけれど、きっちり止まるしズレもありません。
※どんなやり方?と興味持たれた方のために、大変わかりやすい動画を見つけたのでご紹介します。
襦袢の胸紐の上に伊達締めで固定するという手順ですが、私はやってません。
なるべく紐は少なくしたいし、長着の胸紐を掛けてしまえば衿が崩れる事ってないので(個人比)。
着付けの説明などで「ギュッと締める」というのを、着崩れ防止だからと何度もギューギュー引っ張ってるのを見かけるけど、それだと息が出来なくなってしんどいだけだと思います。
コルセットを締め付けるのとはわけが違います。
きものに掛ける紐は、空気を抜いてぴっちりと体に添わせた布地を固定するためのもの、というのがあらたま流の持論です。着崩れを防ぐなら、紐を掛ける前、布地で体を包む時にできるだけ体形に添わせてやる方が大事です。
補正も紐も、付け足せばその分だけきものと体が寄り添わなくなって着崩れが起こりやすくなると思います。分厚い補正を固定するのに紐をぎゅうぎゅう締め付けないとならないのなら、それはもしかしたら必要のない補正かも。帯もそうですが、力いっぱいの締め付けは体だけでなく、衣服の生地を傷めることにも繋がります。
ファッション誌のモデルさんのような「鉄壁の静止画」ではなく、暮らしていて心地よい着姿のために、紐は弱すぎず・強すぎずで締めるのが目標です。せっかく体に寄り添った布地にシワを拵えたり、ズラして余計な空気を入れないように。
いかがでしたか
二週にわたって研究レポートになってしまいました。
まがりなりにも『小話コーナー』ってことになっているんですから、もうちょい楽しい話を……お出かけレポートとかね、書きなさいよ!て話です。
この連載を始めたのが、おこもり生活ど真ん中。マンエンボーシとかキンキュウジタイとか、ぷらぷら出歩いてんじゃねーよ!と偉い人に怒られる時期でしたっけね。その頃からの習い性といいますか、本来書いてみようとしていた「きものでこんなのやってみた!行ってみた!」みたいなお話をどうやって書いたらいいモノやら、ちょっとわからなくなってるところもあります。
その辺りのリハビリも兼ねて、書いてみましょうか?
次回はお出かけミニレポート??
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次回もお楽しみに、バイバイ~(ΦωΦ)ノシシ
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