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【あらたま流きもの雑記】おうちにこもるためのバリエーション。自分だけの鉄板帯結びを探そう!……のお手伝いを少々🤗【火曜日連載:2022年3月29日版】

 初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
 二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
 こんにちは、あらたまです。

『あらたま流きもの雑記』とは――
 火曜日連載で、きもの文化検定2級ホルダーのあらたまが普段着きもの生活についてアーデモナイコーデモナイと書き散らかします。
 主に普段きもの一式の紹介と解説、少々のお出かけレポートをお届けします。また、私がきものに思う事、きもの生活tipsやお寄せいただいた質問への回答が、それぞれ小話として付いています。
 ・いわゆる『映え』なきものの御提案は無いと思います。
 ・きものを着た可愛いポージングの女性は出てきません。
 ・きもので行くべき映えスポット!の御提案もありません。
 きものを普段着にしているといっても、洋服を着る日だってありますし、和の習い事経験は皆無です。
 大雑把な性格で、かなり雑な暮らしぶりのオバチャンのきもの生活の一端をお見せすることで、きもの生活のハードルが多少低くなり、きものを始めたい方の勇気或いは既にきもの生活を楽しんでいる方の更なる楽しみに繋がることを願っております。

 朝に一本目の記事で、昨日noteさんからいただいたお知らせの御報告ならびに読者様へ御愛顧の感謝のごあいさつを書きました。

 一週間経ってからのお知らせをいただくと、自分の記事を読み直す機会が同時に訪れるわけで、また感慨一入なのですね(´;ω;`)ウゥゥウレシイ
 先週のタイトルに『これからも、これまでどおり』とありましたとおり、今週版はこれまでの構成どおり、愚直なまでに「きもの、楽しい!」の気持ちをお届けしてまいります。
 楽しい気分も季節の移ろいや人生のステージと共に変わっていきますが、根本部分の熱量はいつも上げ気味で、またきものに相対する姿勢は常なる愛を以って行きたい……いえ、生きたい!ものです。
 今後もどうぞ、あらたま流のきもの生活チラ見せnote、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日も始めて参りましょう。
 いつもの拙著プチ宣伝のあとに、目次が続きますよ(^▽^)/

 薄気味悪い。居たたまれない。腑に落ちない。
 読んだら『気疎い』気分になる(かもしれない)、怪奇系短編小説集。
 ※上記リンクはAmazon kindle版です。現在、ペーパーバック版の御用意を鋭意進めております。


書き物とアイロンがけした日の一式

 おこもりが常態化している昨今、主に書き物作業中にきものを着ていることが多いです。雑に着たとしても、自然と背筋がシャキッとするのがきものの不思議。姿勢が良いと、眠気に対する勝率が上がります(常勝、とは言えない💦)し肩こりや腰痛の予防にもなってる気がします。

 日曜大工や洗剤をじゃぶじゃぶ使う大掃除の類といった「大きく汚れるのが分かっている家事」は、流石にTシャツとジーパンといった服に着替えますが、お茶碗を洗ったり掃除機かけたりといった軽めの作業でしたら書き物の合間にササっとできることもありきものにエプロン付けてやっちゃいます。
 今日ご紹介する一式も、書き物と家事両方お付き合いしてくれましたよ――

 化繊小紋、化繊半幅帯

まさかのお花尽くし

 半幅帯はUNIQLOの浴衣セットに入っていた一本。これも化繊なので多少の水はねならヘイチャラです。
 カットソーと言えばオシャレに聞こえますが、伸縮性のある生地を断ち切っただけの非常にシンプルな造りでして、締めても締めてもなーんか心もとないという些か結びづらさが難点。
 柔らかい帯ってたしかに締めやすいんですが、伸縮性があるということは後々に緩みやすいってことでもあるんですね。盆踊り中に解けちゃう可能性が大、です。
 そういうわけで、お出かけ向けで締めるには空中分解が怖くて自然と出番が少なくなりまして……かといって汚れに強くてやたらと丈夫なので捨てるには忍びなく、おうちきもの専用になっています。
 結び方は背中がぺたんこになる結び方の方がおうちの中では都合が良いので、この日は貝の口に結びました。

 ちょうどアイロンかけしようと思っていた腰紐と伊達締めが有ったので、この日はきものdeアイロンかけ、やりました(^^♪

 スチームアイロンなのでエプロンなしで。
 たもとが邪魔になっちゃうので、ナフキンクリップとしても使える袂留めでちょちょいと準備してスタートです(写真の、帯の上にチョロンと置いてあるやつ。大玉のビーズがあしらわれていてカワイイ)。

 【袂(たもと)】
 きものの袖の下の、ちょっとした袋みたいになってるところ。
 ここが長いきものを振袖と呼んでますね。
 逆に、全くなくて、お洋服のシャツの袖と似た形になってるのを筒袖といいます。紳士向けのきもの、作務衣などの職人さん向け着などが、筒袖に作られてることが多いみたいですよ。

  袂留めはビーズ小物を作る心得がある方は自作もされてるようですね。
 自分で作るのはどうも……と不安な方も大丈夫(*´ω`*)
 「たもとクリップ」や「たすきクリップ」等々様々な名称で販売されてるようです。ネットショップでもお求めになれるようなので、気になる方は探してみてね!


おうちで過ごす時のオススメ帯結び

 はたら・きものコチラの記事内の一式ご紹介で書いてます)で過ごす時は帯の代わりにカフェエプロンを巻いてしまうので、帯結びもヘッタクレもないんですが……おうちから一歩も出ないぞ!と決めている日でも、帯を締めたい気分だなあということは多々あります。
 そういう時に私が選びがちな帯結びを、簡易的にではありますがいくつかご紹介してみたいと思います。

 比較的簡単に結べるものから多少練習が必要な結び方までありますが、共通して言えるのは背中がぺたんこに仕上がること。昨今のおうちの中事情では、背中にボリュームが出る結び方はドアノブに引っ掛けてしまったり椅子の背凭れに寄りかかった時に型崩れしたりと、プチトラブルになることがあります。特にドアノブは要注意!レバーハンドルってあるでしょう?棒状の取っ手を下に押し下げてドアを開閉するタイプの。あの形状は帯の結び目だけでなく、袂や袖口も引っ掛けてしまいやすいのです。
 袖周りを引っ掛けてしまうときものを破いちゃうこともあります。布が弱っているアンティークきもの、仕立て直しなどのお手入れをしたことがない古いきもの(おばあちゃまのおさがりとか!)はほんとに気を付けてね……悉皆屋さんならその辺のきものの大手術も引き受けてくれますが、なるべくならばそういう目にきものちゃまたちを合わせないようにしてあげましょうね(´;ω;`)ウゥゥ←

 では、帯結び(半幅二種と御太鼓)三つをご紹介していきますね。

カルタ結び(半幅帯向け)

 仕上がりは四角が横に三つ並んだみたいな形です。
 幾何学的な印象なので、帯の柄によってはとてもモダンな雰囲気になりますよ。
 結び目が無いのでリモートワークで長時間椅子に座る方でも背中に負担がかかりにくいのが花丸ポイントです。
 ※結び方紹介動画は着付け講師のすなお先生のYouTubeチャンネルです。引き締めるポイントとか、帯がゆるまないコツもしっかり教えてくださってます。

貝の口(半幅帯向け)

 カルタ結びよりもちょーっと難しいので練習が必要ですが、しっかりと結べて安心感があるのでオススメしたいのが貝の口という結び方です。勿論、背中はぺったんこになりますがカルタ結びよりは形が複雑で立体的に見えるのでカッコイイ背中を演出してくれます。カジュアルな雰囲気を残しつつ小粋に着こなしてお出かけしたい時などにも活躍してくれますよ!

 貝の口を失敗してしまう主な原因は「手先の長さが短い・長い」ってことなんですが、このポイントをシステマチックにびしっ!と決めてくださって大変にわかりやすく解説してくださってるのが、上に動画をお借りしているシロップ先生です。
 私、こちらの動画を見てから失敗知らずなの~(*´ω`*)
 他にも「ちょっとしたことだけど仕上がりが大きく変わるポイント」を紹介してくださっていて、どんな半幅帯でもバッチリ貝の口が決まるようになりました。
 手先の長さを測る時、肩幅なの?腕の長さなの?どっちなのーーーー!どれで測ってもビシッと決まらないんですけど……とお困りの方は必見ですよ。

帯枕無しで御太鼓結び

 帯枕を使わない、つまり帯揚げだけで御太鼓山を決めるので、背中がぺったんこになる御太鼓結び!銀座結びよりも簡単に形が拵えられるので、ササっと楽チンに着替えたいけど御太鼓でエレガントな気分も味わいたいというわがままを叶えてくれます。
 ……これね、私はコッソリ中のコッソリといいますか、門外不出?秘中の秘?だと思ってて誰にも言えずに楽しんでたんですが、YouTubeで同じような御太鼓を背負ってらっしゃる方がいて吃驚!さらにその方があの石田節子先生と知って二度吃驚(;゚Д゚)してしまって!
 改めて、きものの自由さ・ファッションとしての可能性を思い知りました。と同時に、この結び方を堂々とやってくことにしたのでした(*´ω`*)

 この結び方、実は御太鼓結びと銀座結びのいいとこどりなんですよね。
 肩肘張らずリラックスして過ごしたい時。半幅帯よりもちょっとだけキレイ目に演出したい時。小粋な姐さんを気取りたいけど銀座結びの仕上がりにちょーっと自信ない時。ある意味でコペルニクス的発想から飛び出したこの帯結びをぜひぜひ、お試しくださいませ!

 これなら失敗せずに結べる!と自信がある結び方を一つでも覚えると、それだけできものを着るの楽しさが一段上がります。
 楽しいと、きものをどんどん着たくなりますし、着れば着るほどに御自分らしい装い方というのも掴めてきます。
 まさに、習うより慣れよですね!
 ご紹介した半幅帯二種は、浴衣の時にも大活躍の結び方ですので、春のうちにじゃんじゃか練習して、夏のイベント(今年は花火大会とか行きたいですよね💦)に備えてみませんか??


いかがでしたか

 「この結び方は男性向けだわ!」
 「女性の結び方を男性がするなんて、勘違いされるからおやめなさい!」
 ――ちょっと前でしたか、こんなことをアドバイスしてくださる方々がいたように思うのですが、最近その方たちはどんなふうにお過ごしなのでしょうかねとお節介焼いてみます(´・ω・`)

 ジェンダーレスやマイノリティという言葉が浸透している昨今、むしろそういう「垣根を飛び越える」冒険的御洒落というのは多数派を自認する方たちにこそ積極的に楽しんでほしいなと思う気持ちが有ります。
 今回ご紹介した貝の口という結び方は男性の間で好まれていた結び方という側面があります。けれど今では女性にも人気の結び方です。そうやって、衣服は……特に普段着は人に連れ世に連れ、時代に連れて行くんじゃないかなと思います。

 先日、とある反物の生産者さんがこんな事を仰ってました。
 「きもの警察っての、いるでしょう。自分たちはきものを着ないのに、オイラたちの商売の邪魔ばっかりするんだ!オイラたちゃどんどん着てほしい、小綺麗にお人形さんみたいに着てほしいわけじゃないんだよ!」
 そんなようなことをね、口調は強めでしたけど……なんだか聞いていて切なくなってきました。
 着て、バリバリと行動してほしい人。
 着て、ただただ美しさを追求したい人。
 どちらが正しいってことじゃないんですよね。
 どんな人になりたいか?
 なりたい人になろうとする人を、否定せずに認めてあげる……人にはそれぞれ心に「ものさし」は有りますけど、竹やプラスチックの定規を巻き尺に持ち替えるような感覚で見方・計り方を変えることはできるはずじゃないかな。
 どうでしょう?どうおもわれますか?


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 それでは。
 最後までお読みいただいて、感謝感激アメアラレ♪
 次回もお楽しみに、バイバイ~(ΦωΦ)ノシシ


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虎徹書林店主あらたま
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