【あらたま流きもの雑記】きものも帯も組み換えて遊ぶから楽しい。着回しから広がる普段着【火曜日連載:2022年3月15日版】
初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
こんにちは、あらたまです。
三月も早いもんで半分が過ぎようとしています。
今月はのんびりやるのだ!と決めて、きものもアレコレひっぱりだしていたはずなのに……気付けばワクチン三回目なんてのがありまして、副反応一週間丸々倦怠感で伸びておりました。
気持ちだけはウキウキと春を待ちわびているんですけどね。
陽の光も明るく軽やかになってきていますし、楽しめる機会があるならば楽しんでおきたいと思います。
平和は当たり前ではないですから……感謝と共に噛み締めてまいります。
それでは、本日も始めて参りましょう。
いつもの拙著プチ宣伝のあとに、目次が続きますよ(^▽^)/
本日ご紹介の一式
先日、普段着きものをちょっぴりエレガントにするというお話を書きました。
その時にご紹介した一式の帯周り(袋帯、帯揚げ、帯締め)をそのままに、長着だけを別のモノに変えたらどうなるかな?という実験的一式を、本日はご紹介してみます。
見た目も手触りもざっくりとした紬だとカジュアル感が高めになりますが、ちょいとツヤ感のあるピリッとした織地の紬に置き換えるとシックな印象に振ることができます。
可愛い帯ならうんとガーリー✕カジュアルに、きちんと帯ならキリッとデキる女感を出せる、一枚で何通りも変化できる大島紬の真骨頂みたいな対比の一式。
今どき風に言うとアースカラーでまとめたワントーンコーデ?とかって感じでしょうか。悪くはないけど、コンパクトにまとめ過ぎかもなって気もします。
帯からほんのり一色抽出して、帯揚げをスモーキーな桃色系にしても良かったかもしれないなあ……一式写真を残しておくと、後日にこうやって新たなアイデアが浮かぶので便利ですね。
直感で編み出した脱・箪笥の肥やし根絶論
本日の一式では、いわゆる着回しの妙味に関連するお話を書きました。
それでちょっと思いついたんですが。
箪笥の中をお気に入りだけにするための、知恵?というか、私の経験則から「たぶんこうじゃないかなあ?」という直感全振りの、普段着きものを箪笥の肥やしにしない方法を本日は書いてみたいと思います。
箪笥の中がヘヴィロテのきものと帯とでいっぱいだと、けっこうな確率で「どれ合わせてもイケるな!」と奇跡のベストマッチ(←仮面ライダービルド、ハマってんのね)を連発することがあるのです。そうなると、箪笥で肥やしになってるアイテムってそうそうなくなってきます。忙しい時に一式組むのも早くなるし!
試着は必ずする
リサイクルきものでは特に、やっていただきたいです。
色が気に入ったきものを畳んだまま、首元に当てるだけじゃなく、袖を通して全体のバランスを見てほしいのです。きもののパターンてどれも一緒だからそこまでしなくても良くない?と思ってらっしゃる方、ちっとも良くないですよ_( _´ω`)_ペショ。
なんとなればパターンが一つだからこそ、きものって総柄やらポイント飛び柄、裾だけにちょろっと柄など、カジュアルシーン向けのきものならではの柄行き遊びがふんだんに盛り込まれています。全体像でイメージを捉えないと「なんか違うなあ」ってぼやく確率が高くなります。
お洋服生地の総柄だって、シャツとワンピースでは印象が違うでしょう?
おうちファッションショーで「なんか違うなあ」と心に引っかかりができると、箪笥の肥やし率ももちろん上がってしまうのです。
インスピレーションで素敵!と思ったきものをざっと纏って(試着はお店の方が心得てますから大丈夫)全体像を鏡で見て、その上で好みの帯で組み合わせがパッと思いつくのが二本ほどあると、レギュラーメンバー入り濃厚。かなり活躍するきものになってくれると思います。
着てるシーンを想像する
近々御呼ばれしてるお友達の結婚式、クリスマスの日だけ、ハロウィーンの日だけ……一年で一回のイベントしか思い浮かばなければ、箪笥の肥やしになる確率が高いです。
そのイベント、毎年100%やる確約はあるかな?と考えてみてください。絶対ある!と断言できれば、まだ大丈夫。ですが、昨今なかなかイベントって難しいですよね(キンキュウジタイセンゲンで延期とか、ね)。
春・秋に何回着るかな、浴衣なら花火大会幾ついくことになるかな、一枚のきもので三回くらい着てるところをパッと思いついたら、存外とそれ以外のシーンでもしっくりくる可能性が高いです。
単純に、ときめくか?否か?
お店の人が「お似合いですぅ」というのはあたりまえです。曲がりなりにもファッションのプロですから、似合うものを選んでくれるし多少のミスマッチであっても帳尻が合うように小物を足したりレトリックを駆使したり、お客さんに気持ちよくお買い物してもらうように舵を取ります。
お店の人が作ってくれた『気分』でも、いざ試着室の鏡の中の姿を見ると……なーんか『違和感』がある時ってのは危険です。それの理由の一つとして、自分の好みではなく、お店の人の好みが反映されているせいというのが考えられるからです。
自分の好みに合わないモノに袖を通そうっていう気分、たぶんおうちで一人で着替える時には作るのが難しいですよ。
気持ちよく「お似合いですぅ」と言ってくれるお店の人は、お店限りの関係です。ときめかないきものとセットでお迎えすることはできません。
どんなに似合っていても、纏ってウキウキしなければ距離が遠のく――普段着はカジュアルに個性を楽しむのが肝だと思います。似合うのはもちろん、やっぱり御自分の感性で好きだ!と思えるモノを纏うのが肥やしにしない基本なんじゃないかなあ。
たぶん、きものに限らない話じゃないかしら
ほんとに大好きなものに囲まれたいなら、野生の勘?を研ぎ澄まして、御自分の好き・心地よい・和む……などの気持ちアンテナを広く張るのが肝要なのではないでしょうか。
そうやって鍛え上げた直感を、信じて妥協せずに探し求めれば、一度も袖を通すことなくリサイクルショップに持ち込んだり、カビや虫に御馳走を提供することにはならないと思うのです。
そして――この方法ってきものだけでなく、お洋服やその他のくらしのシーンでも当てはまるんじゃないかなと思うんですね。
ミニマリストになりましょう、という提案ではないのです。
ただただ、せっかくお迎えしたモノコトたちと、末永く幸せな時間を過ごしていただきたいという老婆心の吐露です。
死がふたりを分かつまでなんて言葉がありますけども、それってラブラブな人間同士だけのことじゃない気がするんですね私。
最後に、老婆心をもういっちょ!
きものは着こなせてしまう年齢が幅広いので、一度バチっと合ってしまうとホントに長い年月仲良く居られる衣服です。私も十年以上現役バリバリちゃんが複数居ります故に、分身の術が使えたらもっと楽しいのに!と一式組むのにうれしはずかしな悲鳴を上げています。
そんな性質ですから、お洋服感覚で季節が巡るごとに増やす必要はないのです。一式の組み方に流行り廃りがあっても(真っ赤な帯締めとかワントーンコーデとか)デザインとしては流行ってあんまりないのです。
現代ものの柄行(浴衣に顕著ですね)でも、和柄や伝統色を上手く溶け込ませて、毎年何年も着続けられる工夫が有ります。
ですので、お洋服の感覚でトレンドを追いかけるように枚数を増やすと、箪笥の肥やしを通り越しておうちの中が大変なことになるので注意が必要です。
いかがでしたか
きものだけじゃないんです。本でもCDでもゲームでも……何でもかんでも断捨離やらフリマアプリやらに出してしまえばいいじゃないっていうの、あんまり好きじゃないんです。
お迎えするならボロボロになるまで、数多の戦場……じゃなくて、楽しいところ・時間を一緒に味わって、モノとしての天寿を全うさせてあげたいタイプなの。業が深いんでしょうね、或る意味で。
形式にこだわるのも、時と場合によっては大事なことです。
形式の外側に一歩踏み出す勇気も、もちろん素敵で大事。
だけど、やっぱり原点は「私はどうしたいんだっけ?」なんだと思うんですね。
皆々様もどうぞ御自分らしい心地よさで日々をお過ごしくださいませ。
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