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木曜日連載 書き下ろしチョイ怖『同人誌の夜』 第一回

 初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
 二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
 こんにちは、あらたまです。

 木曜日は怖い話の連載。
 電子書籍に収録することが前提の短編小説を、書き下ろしでお送りします。新聞の連載小説に倣い、一回約1000文字ほどです。
 収録する電子書籍の出版予定は未定ですが、書籍化するにあたり加筆・修正がされます。また書籍化の規約上、noteでの公開が中止になることもありますのでご了承ください。

 

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【第一回】

 彼と私が同棲を始めてからかれこれ二か月、だろうか?
 毎日、寝起きを共にする生活は、楽しいと思いこそすれ日常一般の役割分担において面倒臭いなどと思ったことはない。

 彼と出会ったのは、彼が雇われ店長として働く駅前のカフェバーだった。
 私が最初に惚れたのは、彼の作るポトフだった。
 料理が苦手な独り暮らしの三十路女の心には、素朴な煮込み料理の優しい味わいが殊更に染みた。
 「ポトフ、気に入って頂いてるようで。御贔屓にしていただいてありがとうございます」
 さりげなく掛けてくれる言葉にも震えた。
 彼の声は、私の脳内に常に響く推し声優のそれにどこか似ていた。

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1,008字
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