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火~木曜日連載『一日一妖!』 2月4日【塗壁】

 初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
 二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
 こんにちは、あらたまです。

『一日一妖!』とは――
 怪異や怪談が大好きな私あらたまが、妖怪や怪異に関連する与太話をさせていただくという連載企画です。
 毎日読むのにちょうどいい、約1000字の超ショート・ショートテキストサイズ!
 さっくり楽チン軽やかな、ゾワッと怪しいひとときを楽しんでいただけたら嬉しいです。

 緊急事態宣言の延長が決まりまして、我が家の『来週の建国記念の日を絡めて大型連休にしちゃおう!計画』は保留になりました。
 連休にしたところで、どこかに出かけるでも無し。むしろ「フラフラ出歩いてんじゃねーよ」と各方面からメールが来たり役所がガツガツ放送したりしてますから。
 泣いても笑っても、季節は巡って春は来る。
 そう信じてひそやかにおこもりを続けたいと思います。
 お外に行かれる方はどうぞご安全にね!

 それでは、前置きはこのくらいに。
 本日の『一日一妖!』始めましょう。

【塗壁】

 福岡県遠賀郡の海岸地方でいう妖怪。
 夜道を歩いていると、突然、行く手が壁になり、どこへも行けなくなってしまうという。こうしたときは、棒で下の方を払えば壁は消えるそうである。

 水木しげる先生の自伝漫画でしたでしょうか?
 戦争中の壮絶体験の一エピソードで、南方のジャングルで塗壁に出会ったというのを読んだ記憶があります。

 福岡県の妖怪に、遥か遠くの、外国の森で出会うなんてことがあるのです。妖怪って凄いですね。人間が勝手に引いた国境なんて軽々飛び越えちゃう。
 あ、飛んだんじゃなくて、土の中を移動したんでしょうか?
 壁だけに、土属性っぽいですもんね。
 眷属?親戚?とにかく縁のつながったお仲間は、地中を伝い海底を掘り進んで世界中に散らばっているのかも。

 これまでも、世界中に親戚ネットワークを作り上げているのではないか説を唱えたくなる怪異について読んだり聞いたりしてきました。
 幽霊や魂といった範疇にない、動植物のような生態の妖怪の場合、常に最適な生息域を求めて移動することはあまり不思議なことではないような気がします。
 日夜、地球の何処かで新種の生物が発見されたり、航空機や船舶に紛れ込んで世界旅行をする生物がいたりする世の中です。海を越えるくらい、妖怪ならばどうってことないことだったりして。

 前人未到の地や未だ生物の確認が取れていない孤島には、私たちが知らないだけで、楽しく穏やかな暮らしを営んでいる種族の民――現代社会に迎合しない人々がいたりもします。
 現に北センチネル島という小さな島には隔絶生活を保持する皆さんが暮らしておられ、接触を試みる他種族(私たちのことですね!)を徹底的に排除しにかかるのだとか。

 この世は不思議でいっぱい。それは異論ないです。
 けれど、それは私が知らないままでいた事がいっぱい、というだけで、当の本人さんたちにとっては不思議でも何でもない
 京極夏彦先生の御本に登場する憑き物落としの名手も仰ってますものね「この世には、不思議な事など何もないのだよ」って。

 了


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 それでは。
 最後までお読みいただいて、感謝感激アメアラレ♪
 また明日ね、バイバイ~(ΦωΦ)ノシシ

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虎徹書林店主あらたま
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