火・水曜日連載『あらたま流きもの雑記』 3月16日 好きに着りゃあ良いと思うよ?
初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
こんにちは、あらたまです。
『あらたま流きもの雑記』とは――
火曜日と水曜日の連載で、きもの文化検定2級ホルダーのあらたまが普段着きもの生活についてアーデモナイコーデモナイと書き散らかします。
火曜日は普段きもの一式の紹介と解説、少々のお出かけレポートをお届け。
・いわゆる『映え』なきものの御提案は無いと思います。
・きものを着た可愛いポージングの女性は出てきません。
・きもので行くべき映えスポット!の御提案もありません。
きものを普段着にしているといっても、洋服を着る日だってありますし、和の習い事経験は皆無です。
大雑把な性格で、かなり雑な暮らしぶりのオバチャンのきもの生活の一端をお見せすることで、きもの生活のハードルが多少低くなり、きものを始めたい方の勇気に繋がることを願っております。
先週、コメント欄で気になる『お悩み』を読んだので、それに御答えするべき一式をご紹介しますね。
おうちの中限定だからできる!っていう、格ガーとか染ノ着物ニハ織ノ帯ジャーとかって噛みついてくる自称警察な方々からはぶっ飛ばされそうな一式です。
とかなんとか言っちゃって……家の中だけでぐだぐだ過ごすんだ、ウルセーこと抜かすな。と、年がら年中、こんな感じですけども。
本日ご紹介の一式
温泉旅館に行ったら、絶対と言っていいほど綿の浴衣って置いてありますよね。それも一年中、おんなじ材質の。
寒い時は丹前や半纏を羽織ってねって感じ。
でも、なのですよ。
ちょっと良いホテルなんかでは「浴衣で館内をウロウロしないでね」なんて注意書きもされてたりしません?
これはどういうことかっていうと、各客室で寛いだりするための着衣=スウェットだのパジャマだのの類なのでエントランスホールとか歩かれると当ホテルの品位が下がっちゃうわ(と、以前に他の御客様からクレームが入ったのかもしれないっすゴニョニョ)という、切実な事情が有るとか無いとか。
――何が言いたいかってェとですね、だったら自分の家で寛ぐのに浴衣を着ない手は無いんじゃないの?ってことなんです。皆様、お休みの日に油断も隙もなくお洒落して優雅に過ごされてます?……もしそうならゴメンナサイ、私は大雑把でズボラなので、おうちでは極力ゆる~く過ごしたいのです。
というわけで。前置きが長くなりましたが、本日ご紹介の一式がこちら!!
厚手浴衣、カフェエプロン
私のInstagramの投稿を遡っていくと、同じようなダラダラ仕様の日がたくさん出てきますよ。着方も腰ひも一本とカフェエプロンだけというズボラさ(内側のおはしょりを三角に折ってないし、胸元を押さえる紐も無し)です。
今日の浴衣は夏場に着てもかなり暑いので、かえって今の時期に着るのがちょうどよかったりします。今日はこの浴衣の下にTシャツを着てますが、もう一つ温かくしたいなという時は襦袢のように薄手のパーカーを着たりもします。
あくまでもおうちの中でリラックスするための一式。さすがの私もこれでお外に出ることはしません。
普段着きもので心掛けてること
おうちで過ごす時も、お外に行くときも、普段着できものを着るからこそ個人的に心掛けていることがあります。
これは所謂『きもののマナー』とかって話じゃありません。
私の矜持というか、私が私らしく居るための意識の在り様というか、そういうやつでして。このnoteを読んで下さる皆さんのご参考になるかは分かりませんが、私のきもの暮らしに関することは全部書き残しておこうというスローガンのもと、書いてみた次第です。
心掛けてること:
場所や天候問わず、とりあえずは手拭いを忘れずに一本持っておきます。で、そこにタオルハンカチの大・小一枚ずつをプラス。
衿元に挟んでナフキン変わりししたり、帯に挟んで簡易の前掛けにしたりと、あると便利です。
気を付けてること:
最近流行りの、小洒落た店によくあるスツール席にはちょっと神経質になっちゃいます。
身長が150cmに満たない私の場合、下手すりゃ座面が肩に届きそうなほどの高さの場合もあります(わー、皆さん背が高いし、足も長いのねえ←意訳:すまんのぉ、儂ァ半世紀近く珍獣系認定で生きとるんじゃあ……)。
洋服の時なら小猿に為りきってよじ登ってしまいますが、きものだと構造上大股を拡げるのが難しいので……座れるわけねぇんですよ(怒)。せめて踏み台とかあればねえ。
「できればテーブル席をお願いしたいのですが」
この一言がスラっと出てくるように、けっこう練習しました。
それでも。お店側の事情で絶対にスツールに座って頂く!と迫られたときは、仕方ないので他に行きます。
私のポリシー:
周りを威圧しない・気ぃ使わせない、てことですかね。
前述のスツール問題も、基本的にはお店のお邪魔にならないように、そういうお店に行かざるを得ない時は洋服を着ていきます。
その日に御一緒する方が普段にお召しになってる服や好みも考えます。洗いざらしのシャツにデニムを合わせてこられるようなら、木綿単衣を選ぶとかね。お誕生日のお祝いならば、ちょいと洒落た小紋に軽めの柄の御太鼓を締めていきます。
会社帰りのお友達と待ち合わせるのに、礼装で行くなんてのはしないですね(そもそも、礼装を持ってないのだけど)。
あと、きものを全く着ない人が多い現代では、きもの界隈でいうところの『普段着』が普段着として通用しないシーンもあるということは常々頭の隅っこで意識するようにしてます。私よりも断然きものに詳しそうに見えるお姉さまが、私の大島を見て「あら素敵ね、今日はお友達の結婚式かしら?」なんて仰る時代なんです(大島紬は、一枚で決まるヘヴィロテワンピ!くらいの位置づけかなあ)。嫌味じゃなくて、本気でそう仰るんですから。
そういう世間との温度差を読み間違えると「あの人『極道の妻たち』みたい」なんて言われてしまいます。私一人のせいで、きもの界隈全体の誤解を招くというのは、なんとも寝覚めの悪い話です。
そういう方々に御理解いただくためにも、ちょっとずつ歩み寄るような感じでやってます。雑なりに、ね。
いかがでしたか
普段着できものを着るにあたり、基本的には好きなものを好きに着りゃあ良いじゃないの!と思います。
今の御時世、年齢関係なくフリルいっぱいのワンピースや全身ピンク一色でガチガチに決めるのもアリだと思いますよ。お洒落ってのは自己主張ツールの一つですし。
しかし、時には周囲との調和を求められることもありましょう。出掛けて行った先で「誰かを立てる」場面もありましょう。そういうのを突っぱねて、何が何でも自己を主張するならば……それなりの覚悟も召しませ。とも思うのです。
たかが服ですが、されど服です。
雑に生きズボラ上等で渡り歩いている私が言うのもなんですが、って話なんですけどもね。
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最後までお読みいただいて、感謝感激アメアラレ♪
また明日ね、バイバイ~(ΦωΦ)ノシシ