ドキュメンタリー備忘録
暴力とは、ひとりきりにされる体験である。』
『あなたの存在は、尊い。』
●NHKドキュメント、備忘録
「いのちが大丈夫であるように 沖縄 夜を生きる少女たち」ナレーションは、Cocco,。
ハートネット?
大学の社会学先生上間陽子さんは、長いこと、少女にしてお母さんになった彼女たちの話を聞きとり、書き起こし、寄り添っている。
4年間に77人の話を聞いた。十代でキャバクラや風俗店で働く少女達の家庭は、厳しい環境だ。
家族が不仲であったり、
暴力をうけたり、おうちの形がない。
おうちにいるのが辛い。
だからといって、逃げ出せる場所もない。
彼らの話を聞くときは、彼らに話しやすい場所を自ら選んでもらう。たった一回きりの聞き取りのこともあれば、数回、または数年にわたることもある。
聞いていて、(これまで、彼女たちの話や声や、思いを聞いてくれるひとはいなかったんだなあ)と感じるという。
上間さんが本におこす(聞き取りを記述)する場合は、必ず、本人と読みあわせをし、本人のまえで声に出して読み上げ、言葉を共有する。
かわいくて、きれいなお菓子も持っていく。
彼女が、話をした後、おうちに帰って、大丈夫なように。
『暴力とは、ひとりきりにされる体験である。』
昨年10月、十代ママを支える支援事業を、沖縄で開始した。
成人式の様子。
きれいな晴れ着をきた二十歳のお母さんが、
上間さんやみんな、みんなに、「べっぴんさんさーねー」「でーじきれいさー」というようなことばをかけてもらいながら、あたまにみんなにお花飾りをさしてもらっている映像。親ではなくても、
彼女が大切にされている、彼女を大事におもうひとが、たくさんいる。
『自分で自分を肯定したり、決定していけるためには、“徹底的に守られる”場所が必要』
(それなくしては、自立はない。幼児期に安心して守られなかったら
もし、大きくなっても、精神的に五歳など、安定しない注・ここは感じたこと))
『あなたの存在は尊い。』
『話を聞いたり甘えたりして、大丈夫。』
『どうか、生まれてきたばかりの赤ちゃんと、お母さんのいのちが大丈夫でありますように。』
成人式のお花をさしてあげるところと、
上間さんの声が印象的だった。
加害の先の先の未来と、加害のまえのまえの過去を
考える。
虐待や暴力は、連鎖するというが、気づいたらとめられる。止められないと被害がふえる。
戦争も、いじめも、自分のなかにある。
愛されていないと、認めるのは、大変だ。
なんか自分がほんとしんみり、かわいそうになってくる。
だから、認めたくない。
でも、やっぱり、愛されてなかったんだな、うむ。というとこからしか、自分ははじめられない。だから、認める。殴られた自分を。無関心にほっとかれた自分を。
認めたうえで、
自分のふたりの子どもがかわいくてたまらない。。
自分がされたことを、1ミリもできないよ。
わがままだけど、さわるとぷにぷにして、きらきらしている。ひざにわらわら、のぼってくる、、。
夫が子どもがだいじだ。これがわたしの家族。
どのお母さんにも赤ちゃんにも、ひとりのひとにも、
海の向こうのひとにも、母にも。兄にも。
しなずにげんきでいてほしい。
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(上間さんの本)
「海をあげる」
「裸足でにげる」
(教えてもらった
「言葉を失ったあとで」信田さよ子、上間陽子対談風共著)
打越正行
「ヤンキーと地元」(筑摩書房)これはとても、面白かった。