SNS、殺しのライセンス
こんにちは。Pomaloのプロデューサーの河野です。
少しずつ、コロナから日常を取り戻しつつある中でSNSでの誹謗中傷の問題が話題になっています。テラスハウスというTV番組の中で起こした行動がSNSの誹謗中傷を集め、結果として出演者が自殺するという衝撃的な事件がありました。
木村花さん死亡 SNS中傷 番組内で男性を注意したあとに集中か
お隣、韓国でもSNSの誹謗中傷を苦に自殺をするという事件が多々ありましたが、もはや対岸の火事ではありません。恐らくこれから日本もこの問題に強く立ち向かって行かなければいけません。我々、デジタル制作をする側もリテラシーのことを考えていく必要があります。社会としても、個人としても。
そもそもSNSにおける問題点とは何なのか。改めて確認していきましょう。
・匿名性
SNSの問題点としてたびたび取り上げられます。ただ匿名性を好むのは特に日本が顕著であるというデータもあり、全世界共通ではありません。ただ現実よりも他人の顔が見えにくい、という意味では世界共通と言えます。
諸外国に見るソーシャルメディアでの実名・匿名の利用実態の違い
・SNS中毒
スマートフォンから手が離せない人が増えています。僕も気がつけばスマホを触ってしまっていることがあります。気がつけばTwitter、Instagram、Tiktokなどを回遊してしまう。。。これに関してFacebookの初代CEOのショーン・パーカーも危険性を認めており、現在は SNS依存症を排除する団体を立ち上げるほどです。
・SNSの普及
問題点ではないですが、上記に加えてそもそもSNSが全年齢に急激に普及し、リテラシーのない(わからない)人間までもが使用可能になったことが大きな要因だと考えています。参考までに2020年現在、国内での利用者数はTwitterが4500万人(2017年以降発表が無いため参考値)、Instagramが3300万人、Facebookは2600万人となっています。
2020年5月更新! 12のソーシャルメディア最新動向データまとめ
さて問題点を洗い出し終えましたが、考えれば考えるほど、人類にはSNSという装備は早すぎたように感じます。RPGに例えるならLv.1なのに無理やりラスボス直前の最強装備を手に入れるものの攻撃対象を定められず、味方もかまわず切りつけてしまう、といった体たらく。
人類にSNSははやすぎたのだ・・・!
いやまて、日本には成功したSNS?がある!
それがこちら。
任天堂のどうぶつの森だ!
皆様ご存じ任天堂の超人気IP。このゲームには他人と協力して島を開発していくのですがその上でもちろん他人とコミュニケーションを取る必要があります。なのになぜ、問題にならないのか。以下にいくつか挙げてみます。
・そもそも、邪魔したりするシステムがない。
・キャラクターが動物なので攻撃的になりにくい。
・チャットは出来るが任天堂が厳しくワードなどを制限etc…
などが挙げられます。そもそもポジティブなことしか出来ないのです。「行動の制限とちょっとの善意」が成功の鍵だと考えています。もう一点、ネットのつながりを意識したゲームがあります。
DEATH STRANDING
こちらは完全匿名性で、オープンワールドをネット上のみんなで共有している状態で、例えば険しい崖にハシゴを自分が作ると見知らぬ誰かゲーム上でシェアされるのです。そしてそこにいいね!が貰えるんですが、これがほぼゲーム進行上役に立ちません笑。製作者である小島監督はリアルタイムで繋がったり、ネガティブな評価が出来るシステムが必ずしも必要ではない、とおっしゃっています。私も実際このゲームやったんですが、いいねが貰えると嬉しいんですよね。確かにマイナス評価が必要な理由は見当たりません。
上記2つが成功した理由をまとめると
・ネガティブな評価(行動)がそもそも出来ない。
・つながりすぎない。
・ちょっとした善意
が挙げられるように考えられます。まだ人類にSNSの全ての機能を開放をする段階なのでは無いかもしれないですね。コンテンツ制作側も責任をもち、ユーザーがネガティブへ進まないようにある程度、コントロールしていく必要があると思います。まだまだ生まれたてのツールですから、我々も製作者の端くれとしてルールを守って大事に育てて行きたいと思います。それではまた!
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