歌えなかった"私"と共に。
こんにちは、ぽまえです
ありがとう、私のSymphony
ということで、今回のnoteはTVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』第11話の感想記事となっております。
前回(#10 チェケラッ!!)の記事はこちら
前半も色々なネタがありましたが、結果嵐千砂都さんと私のSymphonyに全て持っていかれた回でした。
また前書きを書く時間がない!!!!!!!!!!!!!!!!!早速感想に参ります。
嵐千砂都は澁谷かのんを考える
第11話は、嵐千砂都の澁谷かのんへの想い、思慮深さがまた顕著に表れた回でもありましたね
千砂都→かのん の想いの大きさ、というのは第5,6話以降ずっと(むしろ思い返せば1話時点から)言動の節々に表れていましたが、ここにきてまた特大なヤツが投下されました。
というのも、今回の物語の本筋である「(かのん一人でも歌えるようにする為に)澁谷かのんを一人で歌わせる」という選択は、嵐千砂都にしか出来ないものでした。
それは「千砂都以外のメンバーだと"かのんが可哀想だから"と同情してしまうから」...などという話ではなく、普通に考えれば「澁谷かのんは既に歌えるようになっている」から、態々そんなことをさせる必要が無いのです。
事実、千砂都を除くLiella!メンバーからの澁谷かのんに対する認識として
「あの時(Tiny Stars)から一度だって歌えなくなったことはありまセン」
「むしろ率先して歌っている(ように見える)」
といった台詞もありました。
上記にもあるように、端的に言えば「澁谷かのんは既に歌えるようになっている」という旨の発言です。
確かに澁谷かのんはクーカーからはじまりLiella!と共に活動して、「歌える、ひとりじゃないから。」と、過去のトラウマを完全に克服したように見えました。
ですが、実のところは根本的な克服は叶っておらず、現状は「仲間」という存在でトラウマを抑制しているだけなのでした。
つまり言い換えれば、澁谷かのんはスクールアイドルを辞めたあと、また歌を失ってしまうのです
嵐さんのヤバイところ、まずその事実にほぼノーヒントで気付くこと。
「実はかのんは未だトラウマを克服できていないのではないか」というのは、澁谷かのんの過去・性格・思考を理解し尽くした上で俯瞰的に観察していないと辿り着けないような答えです。
最初に千砂都がメッセージアプリで招集をかけたシーンでは、「小学校の講堂に立つことによってトラウマがぶり返すんじゃないか」という心配を抱きつつも「大丈夫だとは思うんだけど...」と自らが抱いた心配に対しても懐疑の目を向けていました。
しかし、事前に講堂を視察しにいくシーンを経て、その懐疑が完全に消え「かのんが現状歌えているのは仲間が傍に居るから」「まだかのんはトラウマを克服できていない」という結論に確信的になっていました。
このリアルタイム感というか、千砂都は常にかのんの事を考えており、思考も常に更新されている感覚に凄まじいリアリティを感じて得も言われぬ感動を抱きました。
結論ありきではなく、ちゃんと千砂都なりの思考プロセスを踏んで最終的な結論に至っている心情描写が本当に丁寧です。
メタ的な話ですが、「ひとりで歌えなかったかのんが仲間と共に歌を取り戻した」という展開はとてもラブライブ!的ですし、綺麗なものですよね。
クゥクゥちゃんも「"仲間がいるから歌える"って、素敵なことだと思いますケド」と言っていました。
だからこそ、それすら認めず澁谷かのんという人間単位を想う決断を我々に突き付けてきた嵐千砂都、そして脚本には本当に驚かされました
スクールアイドルだとか、Liella!だとか。
そういった周辺情報に全く左右されず、澁谷かのんという人間そのものだけを考え続けた末の結論。
嵐千砂都はとことん物事を澁谷かのんを主軸に考えていることが分かった第11話でした。 もはや怖い。
この人、確実に脳内に"澁谷かのんレイヤー"が存在している。
「嵐千砂都は信じてるから、澁谷かのんを。」
『私のSymphony』という曲について
この曲、本当に凄い。
第11話にて挿入された『私のSymphony』は、Liella!1stシングル『始まりは君の空』の"私を叶える物語"盤にのみ収録されている曲です。(サブスク配信もされていません)
『君空』リリイベにて、この楽曲を「客席から歌う」というパフォーマンスがなされたのもあり、私はこの曲をLiella!キャスト、特に一般公募組を歌った曲だと解釈していました。
ですが、アニメ第11話を経て「澁谷かのんを歌った曲」でもあるんだな、と感じました
解釈が、増えました。
物事に対する解釈が変わることはそれなりにありますが、既存の解釈を変えずに解釈が増えるというのが本当に珍しく新鮮でした
"Liella!キャストを歌った曲"としては、「一歩目を踏み出す勇気、一変した世界」といったコンセプトを感じていましたが、"澁谷かのんを歌った曲"としては「スクールアイドルとの出会い、過去の"私"と共に乗り越える一歩」というものを感じました。
第11話ではかのんが一人で歌う曲なのに「Symphony」、つまり「交響曲」なのは、現在のかのんが過去の"歌えなかったかのん"と共にトラウマを乗り越えようとしているさまを表したものなのだと思いました。
「この曲は何を歌っているのか」という解釈によって、歌詞の意味が全く違って感じられるのが面白い。面白すぎる。
最後に
また12話放送当日まで感想記事に手を付けておらず、しかもワクチン2回目接種の副反応のピークが重なって苦しみながら書いたので2,300文字余りとまた短くなってしまいましたが、書きたかった2つはちゃんと書けたので満足です。
禁断のセカイとか諸々の小ネタに触れられませんでしたが、ポンコツ生徒会長の系譜が無事に継がれていたことに安心しました。
次回、遂に最終回。
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