【医学部学士編入】各大学の特徴②科目配点(国公立のみ・令和6年度入学者用試験)
▸はじめに
医学部学士編入試験に合格するために重要なことは、相性の良い大学を選択することです。受験校の決め方については、先に「受験校の決め方」をご覧ください。その中で出てきた「大学の特徴を知ること」の第二弾として、各科目の配点について執筆していきます。
※令和6年度入学者用の募集要項を確認して執筆していますが、誤りがありましたら、ご指摘いただけますと幸いです。
▸配点について
医学部学士編入試験では、大学ごとに課される科目やその配点が異なりますので、その特徴を知ることがとても重要です。全国で医学部学士編入試験を実施している国公立大学は27で、そのうち、配点が募集要項に公表されている大学は9大学です。それでは、大学ごとにみていきましょう!
▸配点が公表されている大学
・旭川医科大学
旭川医科大学は2科目校で、英語と生命科学が出題されます。生命科学の得点が英語の3倍と高いのが特徴です。
・弘前大学
弘前大学は4科目校で、生命科学・化学・物理の出題に加えて、数学も課されるのが特徴です。英語は120点満点のTOEFLを100点に圧縮して換算しますので、出願時に英語の得点が分かるのが良い点です。
・浜松医科大学
浜松医科大学は4科目校です。募集要項には生命科学と記載がありますが、当日は「生命科学・化学・物理」が出題されていますので注意してください。また、英語は英作文が出題されます。
・大阪大学
大阪大学は4科目校です。英語については、外部スコアを点数換算するため、弘前大学と同様に出願時に点数が分かります。大阪大学は、詳細な点数開示ができ、情報提供をしてくださっている方が多いので、ぜひ調べてみてください!
・奈良県立医科大学
奈良県立医科大学は、数学の配点が英語・理科と同じであるのが特徴です。数学が課されない大学も多い中で、数学の配点が高いのは珍しいでしょう。
・香川大学
香川大学は4科目校です。英語は弘前大学・大阪大学と似ており、TOEICのスコアを圧縮して点数となるため、出願時に点数が分かります。科目の構成や受験時期から、大阪大学の併願校として選ばれることが多いです。
・長崎大学
長崎大学は2科目校です。令和6年度より英語の外部スコアが導入され、配点が見直されました。筆者は令和6年度の試験を受験しましたが、生命科学の大問5つのうち、1題が英語の問題でしたので、驚きました(笑)
・大分大学
大分大学は2科目校です。書類選考を含め、細かく配点が設定されています。一次試験は書類選考により、募集人数の約10倍まで志願者を絞り込み、その後に筆記試験が行われます。
・鹿児島大学
鹿児島大学は2科目校です。「学力試験Ⅰ」は英語・「学力試験Ⅱ」は理科(生物学を中心に、関連分野を含む。)の内容から出題と記載があります。
ただし、令和7年度の試験から英語の外部スコアが導入され、「学力試験Ⅰ」が廃止されることが通達されています。ここでは、参考に令和6年度の試験の配点を記載します。また、「学力試験Ⅱ」の内容が、生命科学を中心とする自然科学から出題と変更されています。
令和7年度の募集要項が発表されて、科目配点が下記のように提示されていました。下記をご参照ください。
1. 合否判定は、第1次試験(学力試験)と第2次試験(面接)との点数を合計し、総合得点の高い者から順位を付ける。
2.総合得点が同点の場合には、面接の得点が高い者を上位にする。
3.以上の判定でも同点の場合には、出願書類等を総合的に判定し、順位を付ける。
* 第2次試験(面接)の評価が著しく低い場合は、不合格とすることがあります。
(参考)
「学力試験」・・・生命科学を中心とする自然科学(配点400点)
「面接」・・・・・・個別面接 (配点 100点)
▸番外編
・愛媛大学
筆記試験の配点は記載されていませんが、最終合格者は面接・プレゼンのみで決定すると書かれています。面接重視校であることは明らかです。
・高知大学
愛媛大学のように募集要項に明記はされていませんが、実際に成績開示をした複数人のデータを見ると、最終合格者は面接とグループワークで決まっていました。
▸配点比率ランキング(高)
大学ごとに配点を見ていきましたが、実際は複数校受験される方が大多数かと思います。相性の良い大学を探しやすいように、ランキングを作成しました!はじめに、配点比率が高い大学をまとめましたので、得意科目の箇所を確認してみてください。
▸英語
1位(27%):奈良県立医科大学・香川大学
3位(20%):旭川医科大学・弘前大学
▸生命科学
1位(80%):鹿児島大学 ※令和7年度試験より変更し、生命科学系の比重が上がった。
2位(60%):旭川医科大学
3位(48%):長崎大学
※浜松医科大学のように、生命科学だけの配点が不明な場合もあるため、参考程度にご覧ください。
▸理科(生命科学・化学・物理)+数学
1位(80%):鹿児島大学
2位(64%):大阪大学
3位(60%):旭川医科大学
4位(55%):奈良県立医科大学・香川大学
※奈良県立医科大学は、理科のみの配点比率ですと27%です。他の大学は数学がないため、理科のみでも同じ配点比率です。
※令和7年度試験からの変更により、鹿児島大学が1位にランクインしました。参考程度に鹿児島大学が入るまでの3位までの大学も入れておきます。
▸筆記試験 ※小論文含まず
1位(82%):大阪大学・奈良県立医科大学・香川大学
4位(80%):旭川医科大学・鹿児島大学
▸面接試験
1位(43%):大分大学 ※発表及びグループディスカッションを含む。
2位(40%):弘前大学
3位(27%):浜松医科大学
★番外編(筆記通過後は面接・グループワークのみで決定):愛媛大学・高知大学
▸配点比率ランキング(低)
次に、配点が低い大学をみていきましょう。苦手科目の配点ができる限り低い大学を選ぶのも戦略です!ただし、数学・物理・化学・小論文が苦手な方は、出題されない大学を選ぶことも大事です。また、書類も点数に換算される大学・されない大学がありますので、検討してみてください。
▸英語
1位(4%):長崎大学
2位(14%):大分大学
3位(18%):浜松医科大学・大阪大学
★番外編(出願最低スコアのみ考慮):鹿児島大学 ※令和7年度試験~
※長崎大学の令和6年度の試験では、生命科学で英語の問題が一部出題されたため、もう少し配点比率が高くなると思います。
※鹿児島大学は、募集要項を確認する限り、最低スコアが設けられているだけで点数化はされていないので、ある意味配点が低いと言えるかもしれません。
▸理科(生命科学・化学・物理)+数学
1位(29%):大分大学
2位(36%):浜松医科大学
3位(40%):弘前大学
▸筆記試験 ※小論文含まず
1位(43%):大分大学
2位(52%):長崎大学
3位(55%):浜松医科大学
▸面接試験
1位(9%):大阪大学
2位(16%):長崎大学
3位(18%):奈良県立医科大学・香川大学
※面接試験については、受験者間の差があまりない大学・差が大きい大学があります。配点だけで議論するのは難しいということは、ご留意ください。
▸さいごに
各大学で配点傾向が異なるため、特徴をおさえることで、きっとご自身に合う大学が見つかるはずです!早い段階で志望校を定め、勉強の計画を立てていきましょう。
また、今回の記事は、令和6年度入学者向けの募集要項をまとめたものです。令和7年度から試験が変更される大学もありますので、必ずご自身の受験する年度の募集要項を確認してください。
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