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hogar_kaorita
【創作小説】猫に飼われたヒト 第41回 煮付けとフライ
アニマ大学の第一食堂。レックスとグッダは共に昼食をとっていた。
レックスは好物のアジフライ定食。
グッダは日替わりランチ。今日はカレイの煮付け定食。
グッダは和食が好きだ。煮魚はグッダの好物。さかしグッダの顔は晴れない。昨日のミントとの会話が気がかりなのだ。
「…浮かない顔だな、グッダ」
グッダはほろほろと煮付けを箸で崩した。
「なあ、レックス」
「ん?」
「人の言葉は、どこまで信じたらいい」
グッダ「あいつの言葉を、俺はどこまで信じればいい」
レックス「…残念ながら、人の言葉に確証というものは無い。絶対は無い」
グッダ「……ああ」
レックスは眉をひそめるグッダを真っ直ぐに見つめた。
「…だから、グッダがどうしたいかが全てだ」
「…俺が」
「そうだ。グッダがどこまで信じたいのか。君が決めていいんだよ」
レックスを見つめるグッダ。レックスは少し微笑み、箸でアジフライを口に運んだ。
サクッ。
「…揚げたては美味いなあ」
次回につづく