つわりで感じた五感の変化|コントロールが出来ない世界【妊娠記録 #02】
あっという間に安定期に入り、つわりのことも忘れかけている今日この頃。
それでもつわりがあったことは事実で、未知の世界に誘われた2ヶ月弱だったことに違いはない。
私のつわりは妊娠が判明した時点で既に始まりつつあり、そこから安定期に入る少し前まで続いた。
つわりにもいくつか種類があって、「吐きづわり」「食べづわり」「匂いづわり」「眠気つわり」「よだれつわり」などが主なものといわれている。
最初の症状
妊娠が判明したのは2ヶ月頃。
1番最初はとてつもない眠気に襲われた。生理前後で眠気が来る人もいると思うが、1週間毎日その状態〜より強い眠気が続いた。寝ても寝ても眠くて、横になれば知らないうちに寝てしまっている。仕事も正直ままならない。
でもこの時はまだ検査をしていなかったので、いつにも増して眠気が酷いとは思いつつ、生理前かな?くらいに思っていた。
この時から既につわりは始まっていたのだ。
気持ち悪さが始まる
まだ検査をする前、眠気が治まったと思ったら、なんだが気持ち悪い日が続くようになった。
気持ち悪いと言っても吐き気という程ではなく、なんだかムカムカする、ずっと気持ち悪さがある、のどの辺にずっと何かがある…そんな違和感や気持ち悪さ。
気にはなるものの、我慢はできるレベル。見て見ぬふりも出来るレベル。でも気にはなるから、食事かな?消化力の低下かな?と改善策を探してみる。そんな感じだった。
いくつか対策をしてみたものの、改善される気配がない。緩和される気配もない。なんだか同じ状態がゆるゆると続いている。
……これはなんだ?
妊娠を疑う
少しずつ「もしかして妊娠している…?」と思い始めるように。
望んでいたことではあるので嬉しい半面、ここから未知の世界に突入するとなるとやはり不安や緊張感が生じるもの。
何日か様子を見て、意を決して妊娠検査薬を買いに行き、検査をしてみた。
結果、陽性!
やはり妊娠していたからこその症状だったのか〜!と納得。謎の体調不良では無いことに安心した。
気持ち悪さが強くなる
喜びを感じていたのもつかの間、日に日に強くなる気持ち悪さ。耐えるのもしんどくなってくる。
気持ち悪くて何も食べたい気にならない。でも食べないからこそ気持ち悪くなっている感じもする。
食べた方がいいのか、食べない方がいいのか、食べるなら何が食べたいのか、何なら食べれるのか、何なら今の体に優しいのかetc...
今まで経験したことの無い状態に、身体も頭もついて行くのがやっとの状態。
食べたい!と思っても、いざ食べたら美味しくない…気持ち悪い…
美味しく食べれた!と思ったら、気持ち悪い、もどしてしまう…
頭は食べたい!これがいい!と言っているのに、身体は一切受け付けていない。消化できない。
そんな状態が1ヶ月〜1ヶ月半くらい続いた。
妊娠したらつわりがあることも、つわりが大変なことも分かっていたつもりだった。でも「つもり」に過ぎなかったんだな、と実際に体験して実感した。
五感の変化|コントロール出来ない世界
日々の体調不良ならある程度コントロール出来る余地があった。身体が弱っているから優しいものを食べよう とか、気持ち悪いから食べないで寝ておこう とか。それを実践すればある程度緩和したり快方に向かう。
つわりはこれが全くなかった。
何もコントロール出来る余地がない。
つわりに種類があると知り、どれか1~2種類のつわりがメインで生じるのかと思っていたけれども、毎日違うタイプのつわりの症状が生じて、毎日新しい症状/問題を突きつけられる。
その度に、食べたいものも、食べれるものも、気持ち悪くなる要因も変わってくる。
昨日の経験がいかせない。
トマトなら食べれそう!とトマト缶を買ってきた数日後には全く食べる気にならなくなり、味の濃いものが食べたい!と思った次の日には欲しなくなり、甘いものが食べたいと思ったり、しょっぱいものが食べたいと思ったり、本当に毎日違う自分の状態に戸惑う日々だった。
自分で自分が分からない、自分で自分の感覚を信じられない、そんな苦しさを同時に感じていた。
今まで好んで飲んでいた常温の水を受け付けなくなり、温かいお茶も気持ち悪くなり、何で水分摂取したらいいかわからない。
冷たい飲み物はあまり好きじゃなかったのに、冷たい飲み物なら飲めるようになった。
口の中の感覚も変わった。
いつもより唾液の分泌が多くなることで、食べているものの食感が違う。今まで美味しく食べられていたものの食感が気持ち悪くなる。たくさん噛まないと飲み込めなかったのに、口の中に留めておくことが出来ずにすぐ飲み込んでしまう。
嗜好も味覚も感覚も、全てが今までの自分と異なっている。コントロール不能の未知の世界だった。
大抵の人は安定期前後でつわりは収まると分かっていても、本当にこれがおさまるのか、緩和されていくのか、それすらも信じられないくらいには毎日やり過ごすのに必死だった。
つわりで食べれるものが減り、体重は少し減ったものの、食べられるものは何かしらあったし飲めるものもあった。
つわりが酷い人は入院するほどだと考えると、つわりが重い人の枠には入らないレベルの苦しさなのかな?と思う。(苦しさは人それぞれだし、人と比較するものでは無いのだけど。)
夫も全面協力してくれて、家事はほぼおまかせで大半の時間を横になって過ごしていられた。
それでもこんなにも辛いと感じるのだから、より辛さを感じている人が沢山いることは容易に想像できる。
つわりは目に見えづらい症状も多いし、安定期前ということで1人でつらさを抱えている人も多い時期。でも安定期に入った今と比べると、圧倒的につわりの時期の方が苦しかった。
なかなかサポートを得づらい状況/環境になりがちな時期ではあるけれども、身近な人にだけ話して協力してもらったり、早いうちからマタニティマークをつけたり、自分に優しくできる環境を作っておくのが大事だと思う。
そして、これまでは正直あまり気にしていなかったけど、今後はマタニティマークをつけている人を見たら、優先席を譲ったり体調を気にかけたり、味方であれる自分でいたいなと思う。
つわりは想像よりもはるかに苦しいものだった。きっと体験した人にしか分からないつらさだろう。
このつわりの期間を通して、私自身いろいろ学んだ部分も多かった。体験したからこそわかる世界。
それは今後の子育てにも生きてくる可能性のあること。つらい中でも、親になるために心身ともに成長したり変化したり変わっていく時期なのだと改めて感じる。