2024年8月11日 尾瀬ヶ原さんぽ
私と尾瀬の出会い
私と尾瀬の出会いは、小学校の教科書で読んだ「守る、みんなの尾瀬を」でした。物語そのものに胸を打たれたものの、当時は西日本に住んでいたこともあり「尾瀬は遠くて自分には縁のない場所」と思っていました。
あれから時は経ち、就職で東京に住み始め、ふと尾瀬のことを思い出したため、2024年山の日の連休で尾瀬ヶ原を訪れることに。
都内からのアクセスは比較的良いとはいえ、東京駅から新幹線で上毛高原駅まで移動し、そこからレンタカーを借ります。
今回の旅程は、1日目に都内から尾瀬の麓の片品村まで移動し1泊、2日目の早朝から尾瀬を散策というもの。
1日目(東京から尾瀬近くの村まで移動)
完全に余談ではありますが、出発の前日に出張で東海道新幹線を利用していたのですが、神奈川県西部を襲った地震の影響で運転見合わせに。
翌日の出発に備え少しでも早い新幹線で帰宅しようとしていましたが、都内の家に帰宅できたのは深夜2時頃。数時間寝た後、寝ぼけ眼をこすりながらまた新幹線に乗り込んだのはいい思い出です。
上毛高原駅で新幹線を降り、駅の目の前にあるレンタカー屋さんで車をピックアップ。
ちょうどランチの時間が近づいていたので、もともとチェックしていた「道の駅 川場田園プラザ」に立ち寄り、ミート工房かわばさんで山賊焼をいただくことに。
ソーセージとハムがどどんと守られたこちらが山賊焼です、焼きたてジューシーで非常に美味しい。あまりの美味しさに、尾瀬からの帰り道に再度立ち寄り山賊焼をいただきました。
こちらの道の駅では川場村の美味しいグルメが楽しめるようになっており、ピザ屋さんやおにぎり屋さん、ラーメン屋さんまで。
山賊焼をいただいた後に甘いものが欲しくなったので、美味しそうなソフトクリームもいただきました。
すっかりお腹がいっぱいになったので、少し散歩がてら自然の中を散策したいな…と思い訪れたのは吹割の滝です。
サクッと滝を観光することも可能ですが、せっかくなので滝の周りの遊歩道を散策してみることに。
この日も猛暑日でしたが、やっぱり山の中は涼しくて、深呼吸をするだけで癒されます。
小一時間の遊歩道さんぽを楽しんでから、「東洋のナイアガラ」と名高い滝を間近で楽しむことに。
夏場だからですかね、水量は少し控えめでしたが、それでも天然のミストを身体で浴びることで、前日の新幹線運休のゴタゴタで溜まった疲れも癒やされました。
滝を満喫した後は、片品村に向けてのんびりドライブ。片品村役場のそばにある道の駅 尾瀬かたしなへ立ち寄ると、期間限定のパタゴニアストアが。
尾瀬はもちろん、素晴らしい自然に囲まれたこの場所にアウトドアを愛する人たちが集いますからね、装備を充実させるもよし、思い出の品を購入するもよし、スタッフの皆さんとゆっくりお話を楽しむもよし。
宿に到着したら温泉で汗を流し、群馬の美味しい料理に舌鼓を打ってから、明日の尾瀬に備えて早めに就寝しました。
2日目(いよいよ尾瀬へ!)
尾瀬に至る道はマイカー規制で一般車は通行止めのため、尾瀬第一駐車場に車を停めてバスで鳩待峠へ。朝イチのバスに乗ったのですが、駐車場はかなり埋まっており、バスも満席でした。
鳩待峠でバスを降りて舗装路を歩くと、休憩場や山荘が見えてきて、そこからいよいよ尾瀬に向かうルートがはじまります。ここで尾瀬散策の前に、トイレ休憩や装備の最終確認をしっかりと。
鳩待峠から尾瀬ヶ原までは1時間ほどの下りが続きます。歩いている途中で「帰り道はキツそうだな…」と少し考えたりもしましたが、目の前の綺麗な景色を楽しんでいるうちにそんな不安はどこへやら。
木道がだんだんと川のそばを通るようになり、湿原が近づいているのかな?とワクワクしてきます。
山の鼻小屋が見えたところで、下りルートは終了です。
小屋やテントで一夜を明かしたであろう方々で賑わっており、美味しそうなご飯のメニューも。尾瀬を散策した後に何か食べようと密かに心に誓ったのでした。
山の鼻小屋を出れば、教科書でも見たあの湿原が目の前にあらわれます。
この日は竜宮小屋や東電小屋を巡るルートを歩き、トータル20キロで4-5時間の散策となりました。
最初は尾瀬の景色に感動してばかりでしたが、ふとした瞬間に教科書で読んだ話が頭をよぎり、この美しい自然を守るために命をかけた人たちがいたんだ、だからこそ今もこうして多くの人が訪れる尾瀬が残っているんだと考えながら歩いていました。
木道には管理者の名前の焼印がついており、多くがTEPCO=東京電力のもので、帰宅後に東京電力と尾瀬の関係について調べている中で、かつて登山客が殺到しアヤメ平が壊滅的な被害を受けたことを知りました。
今でこそ少しずつ美しい姿を取り戻しつつあるものの、東京電力をはじめ多くの人々の取り組みは今なお続いているんだなと、過去の話として片付けてはいけないと改めて痛感しました。
今自分にできることは何かをか考えつつ、目の前の美しい景色を目に焼き付けているうちに、気付けば山の鼻小屋まで戻ってきました。
たくさん歩いてお腹はペコペコ、まずはエネルギーを補給せねばということでカレーをいただくことに。
カレーがみるみるうちになくなり、歩き疲れた身体が元気になるのを感じます。せっかくなので食後のコーヒーもいただいた後に、鳩待峠までの登りに挑みました。
ただ、当初想定していたほどの辛さはなく、尾瀬の景色の美しさがなせるワザなのか、少々息は切れつつも楽しく歩いているうちに鳩待峠に到着していました。
鳩待休憩場でトイレを済ませ、お土産売り場を見ている際に非常に面白そうな本があったため購入。
物心ついた頃から尾瀬と密接に関わり合ってきた松浦さんのお話は、尾瀬の昔と今を繋ぐ非常に興味深いお話ばかり。尾瀬を訪れたことのある方はもちろんのこと、少しでも尾瀬の歴史に興味がある方は手に取ってみることをおすすめします。
今回の旅を振り返って
初日に新幹線を降りた瞬間から美しい森の緑が目に飛び込んできて、なんて素敵な場所なんだろうと感動したのを覚えています。
その感動は尾瀬に至るまでに訪れた全ての場所にも当てはまり、東京のコンクリートジャングルでの生活に慣れた私には羨ましくて仕方がないものでした。
おそらく私が人口4千人に満たない小さな山間部の町で生まれ育ったことも、今回の自然に対する特別な思いを掻き立てたんだと思います。
周りに大きな山々や清流があり、文字通り森の中を駆け回り、川で泳ぎ、常に美しい自然とともに成長してきました。
尾瀬をはじめとした自然の美しさを目の当たりにする中で、そういった子供心に芽生えた自然への愛着のようなものが掘り起こされ、大人になった今、そういった自然を次の世代に残すため何をすべきか、といった思考へ至ったのだと思います。
早速東京へ戻ってから自然を守るために自分のできることを実践しています。一人の行動は小さなものかもしれませんが、そうした一人がどんどん増えていくことで、今ある自然を残し、より良い形で次世代に受け継いでいけると信じています。
純粋に尾瀬ヶ原という地の美しさに魅了されましたので、もしかすると近いうちに再度訪問することになるかもしれません。その際は今回は訪れなかった尾瀬沼の周辺をゆっくり散策したいと思っています。
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