出産後③_搾乳を届ける毎日
出産後3日目から、毎日NICUへ面会にいった。
そして同時に搾乳が始まった。
本来なら、直接赤ちゃんに母乳を与えるのだが、
おかゆちゃんはチューブでしか飲めないため
搾乳してNICUで飲ませてもらっていた。
搾乳だから楽かと思いきや母乳と同じように
3〜4時間おきにやらないといけない。
そうしないと胸がカチカチにはってくる。
そのため夜中も起きて搾乳した。
それはいま私がママとして唯一できることだった。
しかし、その作業は正直むなしかった。。
他のお母さん達は直接あげれているのに…
授乳室で赤ちゃんを乗せたベッドを押すお母さんに
遭遇した後、私は部屋に戻ると涙がでた。
普通に産めなかった悲しさと、
おかゆちゃんへの申し訳なさと、
いろいろな事が混じりあって込み上げてきた。
◆
退院後は、限られた日しか面会が出来なかった。
ただし搾乳を渡すのは出来た。
そのため毎日、冷凍した搾乳を持って
病院に通った。
毎日毎日。
面会出来る日は格別に嬉しかった。
旦那さんもなるべく面会日は仕事を空けて通った。
行くと毎回、先生や看護婦さんがついてくれて
経過を丁寧に教えてくれた。
はじめのころは毎回質問攻めで、
「大丈夫ですかね?大丈夫ですかね?」と
聞いていたせいか、先生から「旦那さんがしっかり
してください。赤ちゃんも頑張っているし、
奥さんもまだ出産後で不安定なので、
しっかり支えてあげて下さい」という内容のこと
を言われ、ハッとしたようだ。
「不安になるような事ばかり聞いてごめんね!」
と謝られた。
NICUに通い始めて何日かはずっと不安と
悲しい気持ちだった。
数日経ったある日、
担当以外の先生が説明してくれる日があり、
ひと通り説明をしてくれた後に
「これは主観ですが、1番最悪な状態からは抜けれた
し、日々どんどん良くなっているので、
いまの状態をみるとたぶんそこまで
心配されなくても大丈夫だと思います。
赤ちゃんの生命力は計り知れないので、赤ちゃんの
力を信じましょう」と言われた。
その言葉がすごく説得力があって、
やっと素直に信じられるようになった。
その日を境に私達夫婦はやっと笑い話が
できるようになった。
その後、
おかげさまで少しずつ良い方向に進んでいった。
呼吸器、酸素濃度、点滴など…
2週間くらいすると濃度を少しずつ
通常の濃度に戻しながら経過をみていった。
同時に少しずつチューブが取れていった。
浮腫んでいた顔や体はすっきりしていき、
包帯やテープで覆われてた顔や手は
少しずつお目見えしていった。
また、その頃から抱っこやオムツ替え、
沐浴などのレクチャーを受けた。
3週間くらいしたある日、チューブが完全に取れた。
あとは最後にMRIの検査で異常がないかを
検査する。
しかしMRIはキャンセル待ちのような状況のため、
いつ出来るかは未定だと言われた。
◆
翌日、いつものように面会にいくと、
「昨日、MRIができました!
検査の結果、問題ありませんでした!」
と言われた。
急に言われてビックリした。
そして飛び跳ねたいくらい
めちゃくちゃ嬉しかった。
そして、さっそく退院できる事になった。
都合の良い日を考えると翌々日だ。
ずっとずっと心待ちににしていたが、
いきなり決まった退院日。
◆
3月末、
ついにおかゆちゃんが
わが家にやってきた。