食のテュル活:自宅でクリミア・タタール料理を作ってみた
今日は思うところあって自宅でクリミアタタール料理のチブレクを作ってみた。
本来は綺麗な半月状をしており、手のひらぐらいの大きな半月型餃子のようなイメージで作ってみた。中身は刻んだ玉ねぎ、マトン、ニンニクをあえた餡にクミン、塩胡椒などで味を整えて、オリーブオイルをひと匙ちょっと入れて、油で揚げれば中の肉にも火が通るように少しアレンジした。ただ、我ながら形が汚いし、小麦粉の塊みたいなものが揚げている途中で真ん中にめり込んでしまった。美味しそうなチブレクの画像をヘッダーに掲げるのでご容赦願いたい。
実際の作り方についてはロシア語だが、youtubeでクリミアタタールのチブレクを作っているビデオがあるので作ってみたい方はこちらを参考にしてもらえるとありがたい。素人が調整したレシピよりもっと上手く作れるだろうし、材料はシンプルなので、ビデオをみていれば何となくやっていることは理解できるはずだ。
ちなみにウクライナの人からコメント頂いたが、ロシアのバーブシュキあるいはウクライナのバブーシ(おばあちゃん)たちがどうしてこんなに料理がうまいかという理由は「百戦錬磨の訓練のため」らしい。
なるほど、一日じゃ作れないわけだ。
味から考えるとネパールのモモのでっかい版のような気もするが、残念ながらクリミア侵攻以降、観光客として行きづらい地域にクリミア半島がなってしまったので、バフチサライで本物のクリミア料理を食べるという計画はいまだに実現できていない。
ところで、クリミアは多くの民族の故郷となっており、食べ物の風景も多種多様であるが、ウズベキスタンと同じ食べ物が目立つように思える。これは特にクリミア・タタール人たちがソビエト時代にドイツに協力したという政府の主張によりクリミアから追放されてウズベキスタンなどで暮らした結果、中央アジアの食文化をクリミアに帰還した際に持ち帰ったことによるらしい(1)。
今回作ったチベレク、もっとポピュラーな名前で言えばチェべレク、複数形のチェベレキとして名前が知られているが、クリミア・タタール人だけでなく他の民族の固有の料理として名前が挙げられることがあり、ボルシチはウクライナ料理かロシア料理かで揉める以上にチェベレキはどの民族の食べ物なのか、議論が尽きる様子はない。下記(1)ではチェブレキ・チルチルはクリミアのカライ派ユダヤ人の典型的な料理とされており、クリミア半島におけるいわゆるダンプリング、粉ものの文化にはかなりの重層性があることが示唆されている。
「食べるテュル活」に力を入れなければならないだろう。クリミアだけを扱ったクリミアファンブックとか出版されないかな。
参考
(1)http://www.tasty-kyiv.com/index.php?/News/8-best-dishes-in-crimea.html
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