可変サイドリアルの計算的なところの説明をしてみる。まあまあ長い。
松村先生が提唱されている可変サイドリアルについて。意味、内容はさておき(それが一番重要なんだが)、ホロスコープの図や、計算をどうするか、という話について書いておこうと思います。
2024年11月末でメンバーシップも終わってしまったし、どこかに書いておかないと、私が忘れてしいそうだからです。ただ、私が書くと、要らんことまで書いてしまう癖がありますが。まあそれはおいおい刈り取りつつ。
可変サイドリアルとは何か。
それは松村先生が書かれた本の出版を待つか(2024年12月末にパート1が書き終わるそうなので、出版は2025年の後半あたりでしょうかね?)、Youtubeや、音声教材、講座等で言われているところを聞かれてください。私が書こうとしているのは、ホロスコープの図がどんなもので、どんな計算をするのか、という話です。
ある恒星を起点にして、そこから別の恒星の位置や、太陽系内惑星の位置を見ます。起点から対象までの角度、サインとか度数とかサビアンシンボルとか考えます。
ただ、恒星意識レベルになれば、そんな三次元座標なんて気にするか?って気もする。だからH6ではそんな話はどうでもいいのかもしれない。H12以下になれば、そういう角度やサインやサビアンシンボルなんかを持ち出してもいいのかもしれない。
とりあえずサンプルの図があるといいでしょう。自分の生前月食図を使っておきます。astro.comさんのお世話になりますよ。(生前日食・月食図の調べ方は、誰かが既に記事で書いてたと思うので省略。)
ホロスコープ図の見方
(astro.comを使用させていただきます)
ホロスコープ内の数字、あるいはアスペクト表の数字を見てください。[PDFデータ表をもっと見る] のところからデータ表を出すと、さらに見やすいかもしれません。
ホロスコープ内にある数字では分かりにくいですが、アスペクト表の数値や、データ書を見ると分かる通り、数値は「度・分・秒」の表記です。60秒で1分、60分で1度、の60進法ですからね。
小数の「度」だけで表した10進法とは違うから注意。
astro.comは占星術用ですから、「12サイン・度・分・秒」を使って黄経位置を表していますが、引き算の計算をではこれがちょっと困ります。360度の黄経座標に戻しておいたほうがよいです。サイン分の度数を度のところに足してください。
♈そのまま、♉+30、♊+60、♋+90、♌+120、♍+150、♎+180、♏+210、♐+240、♑+270、♒+300、♓+330
例えば上表のアルシオンであれば、♉29°35'58"
♉ですから29°に30を足して、
アルシオンの黄経は 59°35'58" となります。
地球ポイントは♒13°41'6" ですから、300を足して、黄経は 313°41'6" です。
恒星を起点にした角度の計算
アルシオンを起点にしたときの、地球の角度を出してみましょう。
起点からの角度というときは、起点にするほうを引きます。
よって、地球の黄経-アルシオンの黄経 という計算をします。
分・秒のまま引き算をする方法(a)、と、少数に直してから引き算をする方法(b)、どちらでもお好きな方をどうぞ。
(a) 分・秒 そのまま引き算
私は紙に書いて筆算しますよ。60繰り下げとか暗算じゃ間違えるし。
結果、アルシオン起点での地球ポイントは、♐14°5'8" となります。
(b)分・秒を小数に直してから引き算
分・秒の部分を度に直します。
1度は60分、1分は60秒です。じゃあ1度が何秒かっていうと、60×60で3600秒な。
なので、分を60で割り、秒は3600で割ると、度になります。
アルシオンの黄経は 59°35'58"
分・秒の部分を度に直すと、
35/60+58/3600 = 0.583+0.0161=0.5991=0.60
59°の部分はそのまま使うので、
アルシオンの黄経は、59.60°となります。
同様に、地球ポイントの黄経は 313°41'6"
41/60+6/3600=0.683+0.0016=0.6846=0.68
地球ポイントの黄経は、313.68°となります。
地球ポイント-アルシオン=313.68-59.60=254.08
よって、アルシオン起点での地球ポイントは、♐14.08° となります。
ちなみに、私は(b)のやり方で、小数に直すところからぜんぶ表計算ソフトにさせることが多いです。1個か2個のときは(a)も使うかな。それから秒の部分はさほど影響しないので、秒は省略して、度と分だけ計算してもいいかもです。
(c)引いてマイナスになったら、360を足す
エリスは♈12°25'53" ですから、そのまま黄経も12°25'53" ですが、
エリスの黄経-アルシオンの黄経 を計算すると、
12°25'53" - 59°35'58" = -47°10'5"
とマイナスの値になります。マイナスになったら360°を足します。
-47°10'5" +360° =312°49'55"
ということで、アルシオン起点でのエリスは、♒12°49'55" ということになります。
【ちょいと宣伝】
度数は出してみたいけど、こんな計算イヤだな、誰かやってくれないかな、という方がいらっしゃいましたら、承ります。少々のお駄賃をくださいね。
数字はともかく、見た目でパッと
と思っちゃうわけよ。なら、印刷して切り抜いて回すといいんですが、画面上で同じようなことやりますと、
このアルシオンのところに、♈0がくればいいわけですから、こういうことです。
これだとサインの位置に違和感があるなら、こうすればいい。
ちゃんと地球は♐14°5'8" のあたりに、エリスは♒12°49'55" のあたりに来てるじゃろ。
歳差で少しずつずれる件、トロピカルではサインの輪っかが回る
地球の歳差ってやつがあります。
25772年で360度一周するということなので、1度進むのに71.6年(25772/360=71.58)かかるってことです。
恒星は動きません。春分点の、トロピカルの、♈0の起点がずれていきます。
たとえば、45度進むには71.6×45=3222年かかるようなので、1971年から3222年後の、西暦5193年頃には、このあたりに春分点がくるらしいです。
しかしまあ、5193年て、知らんけど。
でも、長スパンとはいえ、春分点はまあまあの速さで動きます。地球と太陽の関係の話ですし。そのような動く起点ではなく、もっと恒久的な起点を、もっと宇宙全体で、となると、恒星を使うのがいいんじゃなかろうか。
ということになるのでしょう。
恒星起点は動かない。恒星起点の12サイン
恒星起点の12サインを考えた場合、この12サインの輪っかは回りません。アルシオン起点なら、アルシオンがずっと♈0を保つ、ということです。
でも、ホロスコープ内の惑星は歳差のペースで動くと考える、らしい。
松村先生の話だと、惑星は72年で1度戻る、という話でしたから、このような図で考えるといいかと思います。
外の恒星起点12サインリングは動きません。中の惑星は時計回りに動きます。なので、外の目盛りに対して、惑星の数値は減少していくことになります。つまり惑星は前のサインのほうへと戻っていくわけです。
♐14.06°の地球ポイントは、サビアンシンボルでは♐15です。0.06°というのは、0.06×71.6=4.296 で、約4.3年に相当します。
つまり、1971年から4.3年後の1975年あたりに、地球ポイントは♐14.00°から13.99°に入り、サビアンシンボルは♐14となるわけです。(あれ、そうすると、さらに72年後の76歳ぐらいになると、♐13のシンボルに移るのか? 長生きしたら3つもかい。お得なんだか、面倒なんだか、)
恒星起点の12サインと、トロピカル春分点起点の12サイン。
二重化?
先ほどの図ですけど、こう考えてもいいかもしれません。
恒星を起点にした12サインの座標が大きく外側にあって、その内側にトロピカル起点の12サインがある。そして内側の円だけが回る。みたいな。
こんなところは松村先生は言われてないので、私が仮説出してみましたってところです。
内側のトロピカル円盤は、サインも惑星も一緒にまるごと回るので、トロピカル座標での惑星位置は変わりません。
ですが、外側の恒星起点の座標からすると、トロピカルの円盤全体が時計回りに動いていくので、恒星起点座標での惑星位置は減少していく(戻る)ことになります。
だんだんと話がそれたついでに、
いったん恒星のことは忘れて、トロピカルの輪だけ。
(忘れんのかーい 笑)
太陽の渦の中に入っちゃったとでも。
もし恒星を忘れても、歳差はわかるでしょう。中にあることだから。
歳差のペースに合わせて、春分点(♈0の起点)及びサインの輪を時計回りの方向に回します。このとき惑星は動かさずにそのままです。そうすると、惑星の度数は増加していきます(先に進んでいく)。0の位置が後ろに下がっていくので、自分の黄経は増えていくような感じかな。
トロピカルでの地球ポイントは♒13°41'6" 、黄経は 313.68° です。ここから0.32° 春分点が移動すると、黄経は314.00° になり、サビアンシンボルは♒14から♒15に変わります。0.32×71.6=22.912なので、トロピカルだけで言えば、23歳ぐらいでシンボルが変わるわけです。
トロピカルだけで見れば、惑星は進む方向で、
恒星起点の視点からでは、戻る方向になる、
ってことだろうか。
わからんなあ。どう考えるかなあ。
というあたり、可変サイドリアルの説明は終了です。
歳差の移動って、ヘリオセントリックでの大きなプログレスみたいだなと思います。ヘリオセントリックのホロスコープも育っていく。太陽の胎の中が豊かになっていく。太陽から注がれてくるものを、惑星たちが時間に変え、時間を注いで育てていく。