♍30と♎1
同じ同士は触れられない。
同じだから、差異がない。
違うものに撥ね返されて、
接触という境界ができる。
撥ね返されたときに、響く。
触れた、そこから、反響して、
波がわたしの中へと広がってゆく。
同じようにして、
あなたの中へも広がっている。
まるで
羽の二枚が広がるように。
そのように、
あなたに触れにいくわたしは、
濁っていてはいけない。
より純粋でなければ、
響きが遮られ、大きく広がらない。
手を出しては、引っ込める。
まだ、
もっと、
純化できる。
極限まで
穢れを落とし透明に。
わたしが消えて無くなるほどに。
ああでも
わたしが消えてしまったら
あなたにも触れられないのかもしれない。
わたしとあなたが消えていく穴を
足元に見る。
受信拒否できないコール。
刺しこまれる針。
A false call unheard in attention to immediate service.
A butterfly made perfect by a dart through it.
もし消えていなかったのなら
触れられる。
もし触れられたのなら
消えていない。