(基本解説019)国会には重要な「3つの種類」がある
(政治や法律の基本解説)
(3分で読める)
それは次の3つです
① 通常国会
・1月にスタートし150日間開催される
・予算や法律を決める
・1回だけ延長できる
・開会式に天皇が臨席される
② 臨時国会
・通常国会を補うのが目的
・衆参のどちらかの4分の1の要求で開催
・延長は2回まで
・秋頃に開かれることが多い
③ 特別国会
・衆議院の総選挙後、30日以内に開かれる
・総理大臣を選ぶ(指名投票)
・延長は2回まで
・衆議院が解散した年にしか開催されない
過去の国会会期実績例(2017年)
通常国会 1/20〜6/18 150日
臨時国会 9/28 1日
特別国会 11/1〜12/9 39日
① 通常国会(常会)
国会は召集される時期や議題によって、3つに分けられます。まずひとつ目は、毎年必ず開かれる「通常国会」(常会)です。毎年1月に始まり、150日間開催されます。この通常国会の最大の役割は翌年度、つまりその年の4月からの1年間の予算を決めることです。期間は150日と決められていますが、1回だけ延長することができます。これを延長国会といいます。
開会式には天皇が臨席し、また冒頭で総理大臣が1年の政府方針である「施政方針演説」を行います。
② 臨時国会(臨時会)
通常国会は延長がなければ、ほぼ6月に終了しますが、急いで成立させたい法案がある場合や、補正予算を組む必要があったりしたときに「臨時国会」が開かれます。衆参どちらかの議員の4分の1の要求があると開かないといけません。こちらは2回まで延長できます。なお、この臨時国会は通常国会を補うもので秋頃に開催され、会期は両院の議決によります。
ただ、野党が「もっと話し合うべき」と臨時国会を要求しても「内閣がいつまでに召集しなければならない」という期限が決められていないため、野党の要求を通常国会の召集近いことを理由に事実上、拒否することもあるようです。
③ 特別国会(特別会)
文字通り、特別に開かれるのですが、これは内閣総理大臣が「衆議院の解散」を決めると40日以内に「衆議院議員総選挙」が実施され、その選挙から30日以内に開かれるのが「特別国会」です。この特別国会は、衆議院が解散された年にしか開催されません。
総理大臣は国会議員の中から指名されるのですが、実際は「衆議院議員」の中から指名されます。そのため、厳密には衆議院が解散された時点で総理大臣は総理の資格を失います。ただし、権力の空白を避けるため解散後も内閣は維持され、特別国会の召集とともに内閣は総辞職することとなります。
憲法では総理が不在のときは、すべての案件に先立って総理の指名を行うよう決められています。そのため、特別国会では真っ先に新しい総理大臣指名が行われます。
ちなみに衆議院が解散ではなく4年の任期満了を迎えた場合は、総選挙後、特別国会ではなく臨時国会が召集されます。しかし、衆議院が任期満了を迎えたのは戦後1回しかありません。
参議院の「緊急集会」
衆議院が解散されているときに緊急事態が起こった場合には、国会を開かなくてはならなくなると、「参議院の緊急集会」が開かれます。衆議院は解散し、衆議院議員がひとりもいない状態なので、参議院議員だけが国民の代表ということになりなす。つまり、衆議院が存在しない期間中に緊急の場合には、内閣に参議院だけを集めることとなります。
ただ、この緊急集会で決められたことは、「衆議院の優越」の原則により、その後に選挙で選ばれた衆議院議員たちによって承認されないと効力を失います。
緊急集会を「緊急国会」と言わないのは、憲法で「国会は衆議院及び参議院の両議院これを構成する」と定められているからだと考えられているためです。
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