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(基本解説017)「衆議院の優越」をおぼえておこう

(政治や法律の基本解説)
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「衆議院の優越ゆうえつ」とは

 ① 条約の承認

 ② 予算の議決

これらにおいて参議院よりも衆議院のほうが

優越的地位にあることをいう





衆議院のほうが少し力がある

 衆議院と参議院では、少し衆議院のほうが力を持つようになっています。一般の法案などは両議院のどちらから審議を始めてもいいのですが、「予算の議決」「条約の承認」については、衆議院から審議を開始させることが決まっています。これを衆議院の「先議権  せんぎけんといいます。(憲法第60条)

予算案と条約承認は衆議院が優先

 そして、予算の議決と条約の承認は、衆議院で可決されれば、万一、参議院で否決されても衆議院の判断が優先されるようになっています。これを「衆議院の優越」と呼んでいます。国の予算議決が衆議院と参議院で意見が異なって成立しないということがあったら大変なことになってしまいます。そこで、このようなときは衆議院のほうに強い力を与えて混乱を避ける工夫をしているのです。条約もしかり、日本国として他国と結んだ条約が、国内の対立でなかなか決まらないということのないように衆議院を優先させています。

なぜ衆議院が優越されるのか

 では、なぜ衆議院が優越されるのでしょうか。それは衆議院には解散かいさんがあるからです。衆議院の任期は4年と、参議院より短いうえに、いつ解散総選挙があるかもわかりません。常に緊張感があり、それだけ「直近の国民世論」を反映していると言われています。どちらも国民の代表なら、なるべく直近の代表の意見を大事にしよう、ということです。
 逆に解散がなく任期が長い参議院は、政局に振り回されることなく「良識の府」として長期的な視野に立って審議を進めることが期待されています。



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